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【災害問題】イタリアと地震をひもとく~第4回 対策~

投稿日:2016-09-23 更新日:

第4回 イタリアと地震を考える

これまで様々な側面からイタリアの地震について考え続けてきました。4回目は、イタリアが取ってきた地震への対策にはどのようなものがあるのか、考えていきましょう。耐震工事や原子力発電所の内容が主要となります。

第1回~3回はこちら

 対策

成功例:自治体の努力

今回のイタリア中部地震で、中部ウンブリア州にあるノルチャという町は、震源付近(南東10km)であるにも関わらず、ほとんど被害を受けることがありませんでした。

By: Linc-o

その理由は、国に頼らない、自治体の努力にあるとされています。

人口たった5000人のノルチャは、これまでにも多くの地震被害を受けており、そのたびに町全体で、積極的な耐震工事が進められていきました。それは、ゴムと金属の板を石材の間に挟む、という耐震対策でした。

また、今回の地震が起きたのちも、ノルチャの防災対策本部には、無料で耐震診断を受けることができるように、検査や手当などをとにかく充実させていると言います。

このような地道な努力が、死者0の裏側にあったようです。

失敗例:政府の出遅れ

http://www.toscanaoggi.it/var/ezdemo_site/storage/images/italia/terremoto-renzi-almeno-120-i-morti-e-368-i-feriti/2569328-2-ita-IT/Terremoto-Renzi-almeno-120-i-morti-e-368-i-feriti_articleimage.jpg

http://www.toscanaoggi.it

そして、耐震補強が後回しにされがちなことが、次第に指摘され始めています。実際、イタリア政府は1960年代以降に1500億ユーロ(約17兆円)を地震後の建物建設に充てましたが、防災対応に割かれたのは10億ユーロ(1200億円)だけとされています(Repubblica紙より)。

耐震工事の例としては、柱やはりの間に、単純な構造のプレートを置くだけでも安全性は高まるという案も出されていました。

とにかく、政府と自治体が一体となった、耐震工事に向けた努力が不可欠でしょう。

失敗例:ずさんな手抜き工事

http://ep00.epimg.net/internacional/imagenes/2016/08/25/actualidad/1472112128_602722_1472115342_noticia_normal.jpg

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一方、町全体が崩壊し、230人の死者を出したアマトリーチェは、震源から南東約15kmの町です。死者が0だったノルチャとは、かなり違うと思いませんか?

もちろん、政府の対応が遅れたこともありますが、その一方、手抜き耐震工事の疑惑が持ち上がるなど、かなり重大な欠陥が指摘されています。事態は、私たちが日本で考えているよりもかなり根本的なところにあるのかもしれません。

詳細は、別の記事で詳しく解説しています。

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  • この記事を書いた人

編集者Y

1年間ローマに留学。マンマの家にホームステイをし、真のイタリア文化を身をもって体験。
観光学を専攻するために大学に通いつつも、大半の時間をローマっ子たちとの交流に費やす。
好きな街はタオルミーナとコモ。

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