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イタリア・サッカー界に蔓延る差別の実態と私が出会った”ほんの”一例

投稿日:2017-05-17 更新日:

ここ最近、サッカーイタリアリーグのセリエAでいくつか人種差別に関する問題が浮上しました。それらのニュースなどを中心にイタリア・サッカー界にある差別について少し考えてみたいと思います。

1ページ:ムンタリ選手、自主退場/バロテッリ選手への異常なまでの執着

2ページ:ベナティア選手に「クソモロッコ人め」/サッカー界の差別

3ページ:捕まえきれない差別のほんの一例

1.ムンタリ選手、自主退場

先日のサッカー・セリエA34節カリアリvsぺスカーラ戦において、ガーナ代表MFでありぺスカーラに所属するサリー・ムンタリ選手が、相手チームのカリアリサポーターからの差別的なチャントに耐えきれず、 自分の意志で試合を退場した、という出来事がありました。

主審や連盟の非情対応

これに際し、主審は試合を中止してチャントを止めるなどの対応をせず、逆にムンタリの行動に対してカードを出したことも話題となりました。その後、イタリアサッカー連盟(FIGC)はムンタリに対して1試合の出場停止処分を課したものの、後にムンタリの異議申し立てや世論の批判を受けて、処分取り消しを発表することに。

またカリアリ側の監督も「差別的なチャントについては認知していない」という趣旨の発言をしています。

中には子どもも

いずれにせよ、全体的に問題を鎮静化するような動きがみられるものの、具体的な罰則などがあったなどの話は出ておらず、うやむやなまま終わってしまいそうな雰囲気がしています。

ムンタリ選手は「中には子どもも差別的な発言をしていた」と述べており、いかにこのような問題の闇が深いのかということが分かるかと思います。

2.バロテッリ選手への異常なまでの執着

手のひら返しの対象に

セリエAでは、良いプレーをした選手に対しては、大絶賛が与えられますが、一度ミスをすれば、どんなにこれまで良いプレーをしていようとも大バッシングの嵐に晒されます。このことは最近よく知られていることかもしれません。

インテルに所属する日本代表DF長友佑都選手が、先日のナポリ戦でミスを犯した際、SNS上に恐ろしいほどのバッシングの数々が並びました。

手のひら返しに人種が持ち込まれる

その中でも、この問題を話す上で最も分かりやすい事例は、前述のバロテッリ選手です。彼は以前はイタリア代表に召集され、EURO2012では素晴らしいゴールを決め、賞賛の嵐でした。イタリア人は彼らを「俺らの兄弟」と呼んだそうです。

しかしその後は鳴かず飛ばず、ましては素行の悪さなどが目立ち始めるようになるにつれ、彼への評価は下がっていきます。そして悪いプレーなどが起こると差別的なチャントが行われることになるのです。「バロテッリ、バロテッリ、お前の兄弟はどこだ」=お前の兄弟はアフリカの黒人だ、と。

この話を笑いながら私にしてくるのには、さすがに神経を疑いました。イタリア人の強い気性と相まって、彼への攻撃は行われ続けています。

※この項目に関しては、私が実際に見聞したことを基にして記事を書いているため、明確な根拠を提示できるものではないですが...。

【次ページ】ユヴェントスのDFに対し「クソモロッコ人め」

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  • この記事を書いた人

編集者Y

1年間ローマに留学。マンマの家にホームステイをし、真のイタリア文化を身をもって体験。 観光学を専攻するために大学に通いつつも、大半の時間をローマっ子たちとの交流に費やす。 好きな街はタオルミーナとコモ。

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