社会

何が悪いの?アジア人への釣り目ジェスチャーをイタリアから解き明かす

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1.釣り目ジェスチャーとは?

皆さんは釣り目ジェスチャーと言われて、聞き覚えがあるでしょうか。深く知っているという人もいるかもしれませんが、そこまで知らないという人もいるかもしれません。

一言で言うなれば「目尻の所を引っ張って目を細くし、アジア人の顔真似をするジェスチャー」のことです。目が細いアジア人を形容したものであることは確かですが、では一体なぜこんなジェスチャーが行われているのでしょうか?

本記事では釣り目ジェスチャーについて、世界で起きていた事件などをまず取り上げた上で、イタリア国内ではどのようにしてこのジェスチャーが捉えられているのかを考えていきましょう。

2.世界で話題になった行動

まずはイタリア以外で話題になったニュースなどを見て、釣り目ジェスチャーについてさらに深く見て行きたいと思います。

その1.ブラジルの新聞社、やらかす

こちらは2016年11月というちょっと昔の話。世界的に有名な女性雑誌であるGlamourがTwitterに「Glamour日本語版が誕生します!」という何でもない投稿。ですがその写真の中で彼らがしているジェスチャーは、まさに目を釣り上げる「釣り目ジェスチャー」そのもの。

「人種差別的だ」などの批判を受けて投稿を削除しましたが、サイト側は謝罪しながらも「差別するつもりはなかった」との声明を出していました。

その2.ラベッシ選手、それはちょっと...

以前はセリエAのナポリでプレーし、現在は中国の河北華夏幸福に所属しているアルゼンチン代表FWエゼキセル・ラベッシ選手が、クラブのオフィシャルサイトにおける写真の中で、釣り目ジェスチャーをしたことが中国やその他の国で話題となりました。

中国国内では「差別的だ」という意見が噴出し、ラベッシ本人が「差別的な意図は無かった。申し訳ない」と謝罪する騒ぎにまでなりました。

どちらにおいても「悪気は無かった」という風に謝罪しているところが特徴的です。

3.そもそも、なぜ?

では、なぜそんなジェスチャーが行われているのでしょうか。イタリアに住んでいる中で私が考えたいくつかの視点を挙げながら考えてみたいと思います。

アジア人の形容詞=差別的な意図はない

これらのニュースの中でも、私の生活の中でも一貫していることは「本当に差別的な意味で使ってないよね」ということ。

例えば、共通の友人であるアジア人を形容する際に、このジェスチャーを使う友人がいたり、「お前面白いな!写真撮ろうぜ!」って言ってくる友達が「日本人の真似〜」と言いながらこのジェスチャーをして写真を撮ったり...。ふとしたところでよく出くわします。

目が細い・小さいのは事実

彼らからすると「アジア人が目が細い」というのは何てことはない普通のことなようです。別に差別だなんて微塵も思ってない。ただ「目が細くて小さいのは普通だから、彼らを形容する時にそれを使う」というだけのこと。

むしろ愛着まで表現しながらこのジェスチャーなんかされてしまうと、どうしていいものか分からなくなってしまいます(笑)

先ほどのラベッシ選手の事件に関してもイタリア大手メディア「メディアセット」は「このジェスチャーが東洋では差別的なものと捉えられ、ラベッシが差別主義者だと考えられていることが残念だ」と載せるなど。

一方大手スポーツ紙Corriere dello Sportのコメント欄では「このジェスチャーが差別的な意味を持つとわからない人がいるのか」「その国の文化においては、特に何が差別的なものになり得るかも含めて知る必要がある」という声が並んだものの、一方で「それなら、イタリアのことをピザやマフィアで語ることも差別になるのか?」という意見があったことも事実です。

4.理解者は少ない

そして自然と、このジェスチャーがアジア人に対して攻撃的な意味を持つことを知っているのは、一部の人、特にアジアの文化に対して理解が深い人だけなのかもしれません。大学で日本語を勉強しているイタリア人と一緒にいる時には一度もこのジェスチャーに出会ったことはあまりありません。

まぁその中にも冗談でこのジェスチャーをやってきて、あとで「ごめんね。これはアジア人に対して攻撃的な意味あるんだよね」と言ってくる人もいます。つまり言い方は悪いですが、全く差別だと知らずにやる人もいれば、分かっていながら"アジア人の前で"ついやっちゃう人もいます。

5.やんわり伝えるしかないのかなぁ

「何が悪いの?」何て人もいる中で、果たしてこれがあんまり良くないことなんじゃないかな〜なんて上手く伝えるのはけっこう難しかったりします。ある意味無知なのですから。

それでもやっぱり身体的なことを差されたりするとちょっと嫌なわけです。私なんかは全然目も大きくないので、「なんだかなあ」という気にもなります。ですが何となく「身体的なことをやるのは差別だよ!」なんて言ってしまうと、自分がそこに対して劣等感を感じていることを相手に見せる気もしてきて...。

微塵もコンプレックスだなんて思ってなかったことでも、何か言われると気になっちゃうことってありますよね。まさにその類です。刺さり方は優しいですが、ちょっと「う〜ん」と思うところもあるので、その辺なんとかならないかなあ、というお話でした。

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  • この記事を書いた人

ゆうさん

『BUONO!ITALIA』の代表をしています。 ローマ・ラ・サピエンツァ大学に1年間留学。シチリア出身マンマが牛耳る大家族にホームステイし、様々な側面に触れる。イタリア語はCILS C1レベル。 現在は、イタリアの国民性と中小企業経営について卒論研究中。主な執筆記事は、社会問題、旅行、カルチョ、ポップ・ミュージックなど。

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