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【アルバムレビュー】2017年の音楽・ラップ界をまさに"席巻" J-AX &Fedez「Comunisti col Rolex」

投稿日:2017-10-11 更新日:

2大ラッパーの新アルバム

2017年に発売されたの2人のアルバムを先日購入いたしました。

今更感もあるのですが、簡単に彼らはどういった人なのか、そしてこのアルバムはどういったものなのか、日本の私たちから聴いても響くポイントや聴くべき点はあるのか、購入して損しないか、などなどを考えてみたいと思います。

イタリアの音楽に触れてみたい、という方には、このレビューが役に立つと思っています。

J-AX & Fedezとは

J-AX & Fedezとは、2016年に結成されたラッパーグループです。どちらもそれぞれイタリアを代表するラッパーとして、賛否両論ありながらも、大成功を収めてきました。

Jは2005年にもともと所属していたグループを解散後、1人で活動していましたが、2015年にアルバムを発売。そしてその中のMaria SalvadorはYouTube再生回数1億5000万を超える大ヒットになります。

またFedezは若手ラッパーとして知られていたものの、オーディションなどを勝ち抜いてスターになった人物です。詳しい彼の半生はこちらの記事をご覧ください。

そんな2人は10年来の交流があり、2016年から一緒にシングルを何曲か出した後、今回のアルバム制作に至ることになりました。

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楽曲の特徴

さて、ザックリと彼らの楽曲の特徴をお話ししましょう。一言で説明すれば「よくも悪くもラップっぽくない」です。

ラップといえばアメリカのエミネムのようなものを思い浮かべる方が多いかと思いますが、彼らのものはそれとはやや一線を画しています。どちらかといえばラップでありながらポップやディスコミュージックに近い要素を持っているため、ラップ好き以外の様々な層に訴えかけるようになっています。

実際私は、日本にいた頃はあまりラップには興味がなかったのです。ですが彼らのデビュー曲に関しては、ラップに対する苦手や抵抗感が全くなく、すんなりと好きになってしまいました。

2人の中ではどちらかといえばFedezの方が普段からラップらしくなさを出しています。

評価

さて社会全体としての彼らのアルバムはどのような立ち位置評価にあるのでしょうか。音楽情報サイトなどでは星3つ/5つなどのやや厳しい評価をしているものの、そのサイトではラップなどは比較的厳しめにされています。

それでもこのCDが売れないご時世に、ラップというCDが売れないジャンルで10万枚という驚異的な枚数を叩き出している事実は目を逸らすべきではありません。中高生を中心とした若者に圧倒的な人気を誇っており、知らない若者はほぼいません。

テーマは「自分と社会?」

もちろんアルバムや楽曲の意味は、それを作った本人にしかわかりません。多くの人はそれを推測するしかないので、私もそうさせてもらいます。このアルバムは、社会や、そこに暮らす人に対する批判や冷笑、皮肉がところどころに散りばめられています。

「Vorrei ma non posto」でネットやスマートフォンによって縛られた生活をする若者や、「Comunisti col Rolex」で、チェ・ゲバラを引用しながら、「Assenzio」で、過去の暗い歴史に向き合おうとする主人公などが描かれており、そしてそのどれもが、自分を取り巻くものと自分に焦点を当てています。

その中でただ社会を批判するだけでなく、一体どうしたらいいんだろう、という悩みや苦悩のようなものが見て取れます。

タイトルの「Comunisti col Rolex」

さて、タイトルの「Comunisti col Rolex」について考えてみましょう。日本語に訳してみれば「ロレックスを身に着けた共産主義者」となります。...いかがですか?このタイトルだけでも、何か矛盾のようなものを主題にしていることがお分かりいただけるはずです。

共産主義者が何を最も主題に置いているかといえば、政治や財政など全ての均等・平等化を目指すような体制のことを指します。そして、平等を目指す彼の振り上げられた腕に見えるのは、超高級時計ブランドのロレックスの時計。

言ってみれば、世界の真理を体現したかのようなジャケットとタイトルとなっています。

ここまではアルバムにいたる背景などについて取り上げました。次ページでは、具体的に楽曲について紹介いたします。

【次ページ】大人気曲を具体的に取り上げる

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  • この記事を書いた人

編集者Y

1年間ローマに留学。マンマの家にホームステイをし、真のイタリア文化を身をもって体験。 観光学を専攻するために大学に通いつつも、大半の時間をローマっ子たちとの交流に費やす。 好きな街はタオルミーナとコモ。

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