イタリア最大の大学!ローマ・ラ・サピエンツァ大学に1年間通って気づいた10の特徴

イタリア最大の大学!ローマ・ラ・サピエンツァ大学に1年間通って気づいた10の特徴

ゆうさん

学生時代にローマ・サピエンツァ大学に留学し、シチリア出身マンマが統べる大家族にてホームステイ。今は日系企業で国際提供業務に従事する社会人3年目。イタリアで仕事をする機会を細々と狙っています。サザンオールスターズとサンドウィッチマンが大好き。

ローマ・ラ・サピエンツァ大学ってどんなとこ?

イタリアのローマに位置し、国内の大学の中でも最も優秀な大学と称されるローマ・ラ・サピエンツァ大学(以下サピエンツァ)。サピエンツァは常に多くの学生に溢れ、敷地が広いのが特徴なのですが、それ以外にもサピエンツァならではの特徴がいくつかあります。

本記事では、1年間サピエンツァに留学した私が、そんな大学のことをご紹介いたします!

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基本情報

ローマ・ラ・サピエンツァ大学(Sapienza – Università di Roma)はイタリア共和国の国公立大学で、首都ローマに位置する。イタリアのみならず欧州でも屈指の歴史を持ち、その起源は中世時代の1303年にまで遡る事ができる。

ローマ・ラ・サピエンツァ大学 Wikipedia

サピエンツァの10の特徴

1.大学が広すぎる

全部で21の学部をもち、約140,000人の学生が通うとされ、ヨーロッパでも5本の指に入るほどのマンモス大学であるローマ大学。そんな大学ですので、キャンパスも本当にたくさんあります。テルミニ駅から徒歩10分の位置に、大学街という名前の巨大なキャンパスがあり、そこに多くの学生が通っています。この大学街の中には、文学哲学、法学、地理学、統計学などの、様々な学部があり、広大な敷地があります(詳しくはこちらのPDFより)。

ですが大学街の外にも、心理学、経済学、看護学などの様々な学部のキャンパスがあり、ローマ各地に点在しています。実際、私がよく通っていた東洋学(日本語科もある場所)は、この大学街から歩いて10分の場所にありました。

もともとは大学街のみで事足りていたのでしょうが、その後学生が増えるにしたがって、ローマ各地の土地を購入してキャンパスを建てていくうちに、いつの間にかローマ各地にキャンパスがごちゃごちゃに点在するようになってしまったのでしょう。

そのため、観光学の授業は大学街のキャンパスで行い、その後東洋学のキャンパスに移動するなど、非常にめんどくさかったのを覚えています。

2.ラツィオ州出身者が多い

トリノやヴェネツィアなどの別の大学に留学した友人と話した際、いつもこの話題になります。実感ベースですが、サピエンツァに通う大学生は、多くがラツィオ州出身か在住で、他の遠い州からやってくる学生の割合は、他大学に比べて多くないようです。

実際、ボローニャ大学やヴェネツィア大学に留学した友人が「南イタリアやサルデーニャ島、トリノ出身の友人がいる」なんて言っている一方、私の友人を見てみると、ローマ市、アンツィオ、ティヴォリ、テルニ、オスティア、ラディスポリ、チェルヴェテリなど...みんな生まれが田舎を含むラツィオ州なのです!

例えば、私が私の誕生日に開いたパーティーに来てくれた17人中、16人はラツィオ州生まれでした(笑)

もちろん、イタリアの最高学府であるサピエンツァには、ラツィオ州以外からも多くのイタリア人が来ているはずです。それでもその傾向が強かったというのは、非常に面白かったです。

3.多様なコミュニティが持てる

写真にはぼかしをかけています。

前述の通り、ローマ大学の学部数は非常に多く、生徒の数も多数います。そのため、様々な関心や夢を持った学生が集まりやすい環境があり、非常に楽しかったです。

私が特に仲が良かったグループでは、主専攻で日本語を勉強している人は1人しかおらず、あとは、哲学、看護学、医学、建築学など、それぞれ全く違うことを専攻していました。

その分、各学部の特徴や大変さなども窺い知ることができ、一緒に過ごす時間は充実していたかなと思います。私は特に「日本語を勉強している学生とばかり仲良くなる必要はない」と考えていたため、結果的にですが、サピエンツァを選んだことは間違ってなかったと思っています。

4.日本語教育水準は普通

教育制度やカリキュラムに関しては、詳しいことは分からない上、私なんかが意見をする立場にないため割愛いたします。

ですが、イタリアにおける日本語学習の最高峰とされているヴェネツィア大学の学生とサピエンツァの学生とでは、やはり前者の学生の方がかなり高いレベルにまで到達しています。

実際、友人の何人かも「大学はサピエンツァだけど、大学院はヴェネツィアに挑戦したい」と考えていました。私はヴェネツィア大学に通っている友人も何人かいますが、彼らの日本語能力には、いつも驚かされます。

重複しますが、ローマ大学は、何かの専門分野や学部に特化というよりは、あらゆる英知を集めた総合的な大学といった雰囲気の方が強いように感じます。

5.日本人が少ない

写真にはぼかしをかけています。

これは非常に意外でした。1年間の留学中、サピエンツァに通う日本人大学生には、一人しか会いませんでした。正直私は「ローマって首都だし、自分みたいに1年留学の人や、入学から卒業まで大学に通い続ける人にも多く出会えるだろう」と思っていました。

ですが実際には、ローマで仕事をしていたり、語学学校に通っていたりする日本人には多く会えましたが、サピエンツァに通う学生にはほぼ出会いませんでした。正直意外でした。

私としては、日本人に多く会ってしまうと「日本人コミュニティ」の中で自分を甘やかしてしまうと考えて、常にイタリア人と行動するようにしていました。そのためローマという環境は私にとってはイタリア人との様々な出会いを与えてくれたという意味で、本当に貴重でした。

6.設備が古い

イタリアの名門国立大学には、比較的共通する項目だと思っていますが、非常に設備が古い印象を与えます。特に第二次世界大戦中にできた大学街にあるキャンパスは、外壁も内装も非常に古びた感じがして、あまり居心地はよくありません。壁の傍によれば木の匂いがめちゃくちゃしますし、本が多く並ぶ部屋やスペースに行くと、図書館独特の香り×5倍くらいの匂いがします。

そのため、徐々に大学施設を大学街の別キャンパスや建物に移す取り組みが行われています。例えば、東洋学のキャンパスは、2016年秋から、ローマ・テルミニ駅近くにあったキャンパスと大学街の文学哲学科内にある教授室を統合し、大学街から10分ほどの場所に移転しました。郵便局の敷地を買い取ってできたものらしいのですが、デザインや色合いの現代アート感がめちゃめちゃ強かったです。

日本でいえば、東京大学もかなり古いみたいな話を聞いたことがあるので、やはり最高学府は歴史もある分、ボロく見えてしまうのでしょうか(笑)

7.食堂の味はまあまあ

サピエンツァには、学生食堂が何か所かあります。値段は学生の家庭の所得によって決められており、€2-6の間で振れ幅があります。私は留学生という立場だったので最も高い€6でしたが、私の友人には€2の人も€4の人もいました。

私はよく、スペースがより広い経済学部の傍にある学食に行っていましたが、そこの味はまあまあでした。ですがボリュームはかなりあるので、おなかいっぱいになりたい時はよく訪れていました。

このくらい大きなピッツァもありました。

ちなみに、水、コーラ、オレンジジュースなどのソフトドリンクが飲み放題なのは、学生にとってはかなりありがたいですね。大きなボトルを持ってきて、こっそり移し替えている人もいました(笑)

8.トイレの便座がない

他の大学にも共通する項目かもしれませんが(笑) サピエンツァの大学街のトイレの便座は、なぜか壊れていたり、取り外されたりしています。大学だけでなく市内のトイレでも便座がないことは多くあるのですが、果たして「なぜ取り外すのか」「どこに持って行くのか」「一体何に使うのか」という点が非常に気になります。

ちなみに先ほどから登場している東洋学部のキャンパスのトイレ。2016年9月の出来立ての頃は、どの便座もキチンとありました。ですが2017年8月の帰国時には、やはり2.3の便座が取り外されているではありませんか!個人的にイタリア7不思議を作るとしたら、間違いなくトイレの便座の項目を作ります(笑)

9.広場の人間模様が面白い

サピエンツァの大学街には、原っぱのようなまあまあ大きい広場があります。授業がない学生や授業をちょっとサボった学生が、友達とここへ来て、日向ぼっこをしながらおしゃべりするのがいつもの光景です。

晴れの日が多いローマでは、こういった楽しみ方もオススメでした。時々、マリファナの匂いがあたり一面に立ち込めることがあります。特に驚いたのが、明らかにマリファナ中毒みたいな学生が、ハァハァいいながらスマホをサッカーボールかのようにリフティングしながら遊んでいたこと。

...そんなこんなで、授業の無い日には、原っぱでのんびりできるなんてのも、広大なキャンパスを持つサピエンツァならではですね!!

10.大学で自習しにくい

少なくとも私が通っていた時はそんな感じでした。広い敷地を持つサピエンツァですが、それでも生徒の数が140,000人。あまり自習スペースなどは十分に確保されておらず、すぐに席がいっぱいになってしまいます。

また、個室で分けられたブースのような場所はほぼなく、わいわいがやがやと友人と勉強したい人向けかもしれません。私は、イタリア語の試験勉強は、大学で友達としていましたが、観光学の試験勉強は、1人で集中したかったので、家で行うなど、切り分けて活用していました。

ちなみに、トリノ大学を訪れた際、自習設備の充実具合に度肝を抜きました。もっと充実するといいんだけどなぁ。

さいごに

いかがでしたか?普通ではなかなか知ることのできないローマ・ラ・サピエンツァ大学の特徴について、1年間留学していた私がお伝えしました。

イタリアのどの大学にもそれぞれの特徴があります。留学を迷われている方は、是非参考にしていただければと思います。

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