【3月22日更新】イタリアで猛威を振るう新型コロナウイルス感染の現状

【3月22日更新】イタリアで猛威を振るう新型コロナウイルス感染の現状

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世界中で猛威を振るっている新型コロナウイルス(COVID-19)。日本のニュース番組やワイドショーでもひっきりなしにコロナウイルスのことを報じ続けている状況です。非常事態宣言が出されるなど、日本でもかなり事態が深刻化しつつあります。

コロナウイルスが中国ではじまったことから、韓国、日本などで特に感染者が多いのですが、ヨーロッパで特に感染者が多くなってしまっているのが、私たちの愛する国・イタリアです。2020年3月22日時点で感染者が53,578人にのぼり、死亡者数は4,825人になってしまっています。この10日間で特に感染者数が増えてしまっているのも、非常に恐怖感があるのではないでしょうか。

この記事では、イタリアでの新型コロナウイルスの現状について、時系列順で追いかけていきたいと思います。

現地新聞社等最新情報

新型コロナウイルスの最新情報は、当サイトでも更新して参りますが、随時更新にはどうしても限界があります。そのため、イタリア語のページも併せて紹介いたします。

【時系列】イタリアでの新型コロナウイルス

1月30日...イタリアで初めての感染者確認

既に中国や東アジアを中心に大流行していた新型コロナが、イタリアにまで上陸したのが2020年1月30日。中国・湖北省から観光にやってきていた中国人観光客の2人が、新型コロナに感染していることが確認されました。2人は夫婦で、1月23日にロンバルディア州ミラノに到着して観光をした後、体調不良を訴えて、観光途中のローマにて病院に行ったところ、新型コロナに感染していたことが発覚したということです。

夫婦が入院したのは、ローマのトラステヴェレのポルトゥエンセにあるラッツァーロ・スパランツィーニ(Lazzaro Spallanzani)病院で、感染症専門の病院ということです。

こうした事態を受け、イタリア政府は翌日の1月31日、非常事態宣言を発令し、ジュゼッペ・コンテ首相は「非常事態宣言は発令したが、事態は全て私たちでコントロールできている」「国民はどうかパニックにならずに落ち着いていて欲しい」などとした声明を発表するに至りました。

2月21日...新型コロナで初の死亡者

ミラノのドゥオーモ

初の感染者が出てから、わずか1日での非常事態宣言。政府の対応としては、非常にスピーディーだったと言われています。確かに、その後約2-3週間は、ほとんど新型コロナの感染者を生むことなく、なんとか踏みとどまることができていたため、ひょっとすると、このままイタリアでは収束していくのではないか、とさえ、思えました。

私も、一時期のツイッターで、多くの方がイタリア政府の対応を称賛し、一方で何も手を打たない日本政府を批判していたのを覚えています。しかし、そうしている間にも、潜伏期間が長いとされる新型コロナウイルスは、徐々にイタリア国内・国民の中に浸透していたのかもしれません。

イタリアにおいて、初めての死亡者が出てしまったのが、この2月21日でした。イタリア北部、ヴェネツィアがある州として有名なヴェネト州。そのパドヴァという有名な都市で、78歳の男性が病院で亡くなられてしまいました。

続いて、ミラノで知られるロンバルディア州において、中国に渡航歴のあったイタリア人と濃厚接触をしていた関係者が次々と新型コロナに感染。またそのうち医療関係者5人も感染が確認されました。この時点での感染者数は20人でしたが、この日を境に、イタリアでの感染者数は爆発的に増加してしまいます。

2月22日...ヴェネト、ロンバルディアで大量の感染者

翌日の2月22日、新たにヴェネト州で15人、ロンバルディア州で39人の感染者が確認されてしまいます。それぞれの州にて、感染者が出た町は、イタリア政府が主導となって閉鎖の措置を取りました。水際作戦です。しかし、感染力が強く、潜伏期間の長いウイルスですから、この町を封じ込めただけで、感染が完全に防止できるわけでは、当然ながらありません。

ボローニャのあるエミリア・ロマーニャ州では2人、トリノのあるピエモンテ州では1人、それぞれ感染者が出てしまいました。どの州も、北・中部イタリアであり、そこを中心に一気に感染者が拡がってしまっていた状況です。

2月23日~...1日数百人単位での感染者数の増加

2月23日以降は、爆発的に感染者数が増えていってしまいます。ヴェネト州では毎日10-40人前後、ロンバルディア州では毎日50-120人前後と、日本と比較しても到底考えられないようなスピードで感染者数が増えてしまっています。

特に、2月26日以降の感染者数の増加が特に著しいです。もちろん、政府や州が積極的な検査を行って、キチンとした数値を発表しようと心掛けているからこその結果なのかもしれませんが、いかに急速に拡がっていったかがお分かりいただけると思います。

その他、トスカーナ州やリグーリア州、マルケ州などへと徐々に感染が拡大していき、既往症を持っている方、ご高齢の方などを中心に、多くの人びとの命を奪うことになります。

3月2日...モリーゼ州で初めての感染者

 
 
 
 
 
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これまで感染者が一切出ていなかったイタリア中部の小さな州・モリーゼ州においても、ついに感染者が出てしまいました。感染者は60歳の女性ということで、濃厚接触者への感染や、重症化などが心配されています。

2020年3月2日時点で、まだ感染者が確認されていないのは、ヴァッレ・ダオスタ州、バジリカータ州だけです。サルデーニャ島でも1人の感染が3月2日に確認されてしまっているため、本当に安全な場所がなくなってしまっていますね。

3月3~5日...脅威の感染者数増加

3月3日以降、感染者数がある種異常なほどに増加しています。3日には466人、4日には587人、5日には769人の感染が新たに確認されています。そして、高齢者を中心に死亡者が増え続けています。傾向としては、やはり60代以降の方がとにかく多いです。

また、ついに、ヴァッレ・ダオスタ州(2人)とバジリカータ州(1人)でも、それぞれ感染者が確認されました。この時点で、イタリア全ての州に新型コロナウイルスの感染者が生まれてしまったことになります。

一方、もとから感染者が非常に多かったロンバルディア州では感染者数が2,200人を超えています。感染者の3分の1以上がロンバルディア州。ミラノは経済・産業・観光の面でイタリアをリードする大都市ですので、その打撃は相当なものと想像されます。

3月6日...ヴァチカンでも初の感染者

イタリア国内の独立国・ヴァチカン市国にて初の感染者が確認されました。そのため、市国内の医療施設への外来診察を中止しました。また、ローマ教皇への感染については、特に言及されておりません。

また、同盟・レーガ(Lega)の党首、マッテオ・サルヴィーニ氏の護衛の警察官から、新型コロナウイルスの陽性反応が出たことが発表されました。ここ数日間は、サルヴィーニ党首との濃厚接触は一切なかったこと、また車への同乗などもなかったとしています。サルヴィーニ氏もこの発表を受け、自身が接触をしていないことと、健康状態は良好であることを強調しています。

3月13日....関節炎の薬が効果ありか

ナポリのコトゥーニョ病院にて、トシリズマブ(Tocilizumab)という関節炎の治療に用いる薬が、新型コロナに効果があることが発見されました。投与された2人の重症患者は、24時間以内に症状の改善が見られたとのことです。この病院のパオロ・アシェルト教授の説明は、このYouTubeの動画で視聴できます。

また、この教授の同僚である中国人医師は、21人に対して同様の処方をし、20人に対して効果が出た、と説明しているそうです。あくまでも一つの病院で出た一つの結果ではありますが、今後の動向が注目されます。

3月21日...感染者数が5万人越え

イタリアの感染者数がついに5万人を超えてしまいました。この1週間で約2倍の増加となっています。ウイルスの発生源となった中国を抜いて、世界で一番感染者数が多い国となってしまいました。高齢者を中心に非常に死亡者も増えていますが、全く収まる気配がないというのが率直なところでしょう。

さいごに

現時点で発表されている、イタリアにおけるコロナウイルスの状況を簡単に時系列でまとめさせていただきました。今後も新しい情報などについては、随時更新していきたいと思っております。

イタリアでの感染状況(日本時間3月22日時点)

感染者死亡者
ロンバルディア25,5153,095
エミリア・ロマーニャ6,705715
ヴェネト4,617146
ピエモンテ3,752238
マルケ2,153154
トスカーナ2,01272
リグーリア1,436152
トレンティーノ・アルト・アディジェ1,40348
ラツィオ1,19050
カンパーニャ84422
フリウリ・ヴェネツィア・ジュリア79042
プッリャ67529
アブルッツォ52922
シチリア4906
ウンブリア46210
サルデーニャ3304
ヴァッレ・ダオスタ3138
カラブリア2355
モリーゼ660
バジリカータ617
合計53,5784,825
サンマリノ共和国19714
ヴァチカン市国10

イタリア国内の感染者数(3月1日~)

イタリア国内の死亡者数(3月1日~)

3月8日以降のイタリア国内の感染者数・死亡者数の増加率

参照:Covid-19 - Situazione in Italia

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