ローマ市内の世界遺産
ローマに点在している世界遺産は、どれもローマ帝国時代のもの。今から2000年近く前の時代、ここローマはまさに世界の中心として素晴らしい繁栄を極めていました。
実はローマ、世界遺産はローマ歴史地区として一つにまとめられてしまっていますが、具体的にそれらは7つに分けることができるんです。
本記事では、有名なコロッセオから、ちょっとマイナーな教会まで、ローマにある世界遺産を全てご紹介いたします。
ローマで出会える世界遺産7つを徹底解説!
1.コロッセオ
ローマと言えばコロッセオ、コロッセオと言えばローマ、と言われるほど、超有名な観光地です。ローマ皇帝ヴェスパシアヌス帝の命で72年に建築が始められ、80年に彼の息子ティトゥス帝の時代に完成しました。当時はティトゥスの姓をとって、フラヴィウス闘技場と呼ばれていました。
とにかく大きいコロッセオは、長径が188m、短径が156mの楕円形になっています。高さも約50m!思っていたよりかなり大きい。そして4層構造になっています。今日のスタジアム並の精巧な構造になっていたのですね。
ご存知の方もいるかもしれませんが、コロッセオの欠けてしまっている部分は、コロッセオがとっくに遺跡と化してしまった中世の頃、格好の建築材料として持ち去られてしまいました。
2.フォロ・ロマーノ
古代ローマ帝国の中心地であるフォロ・ロマーノです。フォロとは「集会所、公共広場(フォーラム)」という意味、ロマーノは「ローマの」という意味になることから、ローマの広場という意味になります。その名の通り、古代ローマの政治や集会の中心であったここには、元老院議会(今で言うと国会議事堂)や有力者の別荘などが立ち並んでいました。
また政治だけでなく、市民の生活や商業の中心にもなっていました。最初に建てられたのは、ローマ建国者であるロムルスとレムスの時代であったとされています。
そして、本格的に整備されるようになったのは、ローマ帝国皇帝の中でも最も有名な人物の一人、ユリウス・カエサルの時代でした。その後、彼の養子であるアウグストゥスがこれを引き継ぎ、カエサルを祭ったユリウス神殿、元老院が整備されていくことになります。
夏に訪れる場合は、熱中症に注意してください。非常に日差しが強いので、フォロ・ロマーノ全体を見て回ろうとするとかなり日焼けします。
3.コンスタンティヌスの凱旋門
凱旋門というと、フランス・パリのイメージがありますが、ローマにあるコンスタンティヌスの凱旋門も、非常に有名なものです。
当時副帝であったコンスタンティヌス帝が、正帝マクセンティウス帝に対して勝利したことを記念し、315年に作られました。皇帝というと1人しかいないイメージがありますが、この時代においてはローマ帝国が複数に分割されていたため、同じ時代に数人の皇帝がいたのです。
高さ28m、幅25.7mと、ローマにある凱旋門の中では最大なうえ、保存状態も非常に良好です。首が痛くなりそうですが、上を見上げれば、見事なレリーフが施されているのが見えるかと思います。
4.サンタ・マリア・マッジョーレ大聖堂
4つ目に紹介するのは、「聖母マリア」に捧げられた聖堂の一つである、サンタ・マリア・マッジョーレ大聖堂。7つの丘の1つである、エスクィリーノの丘の上に建つ聖堂です。
時のローマ教皇リベリウスは、夢の中で「夏に雪の降った地に教会を立てよ」と聖母が告げたことから、実際に真夏に雪が降った場所に聖堂を建てたという伝説が残っています。そのことから、この聖堂は別名「雪の聖母聖堂」とも呼ばれています。
毎年8月5日のミサでは、聖堂内部のパオリーナ礼拝堂あたりの天井からは白い花びらがまかれ、私たちの目の前に「真夏の雪」が再現されます。
この聖堂は、サン・ピエトロ大聖堂、サン・ジョヴァンニ・イン・ラテラーノ大聖堂、サン・パオーロ・フオーリ・レ・ムーラ大聖堂と並んで、ローマの4大聖堂の一つとされています。そして、これらの教会の内側は、ヴァチカン市国に属していると言うから驚きです!
5.サン・ジョヴァンニ・イン・ラテラノ大聖堂
こちらもコンスタンティヌス帝が312年に建築した建造物。実はここ、世界で初めての本格的なキリスト教聖堂なのです。コンスタンティヌス帝は313年にキリスト教を容認した皇帝として知られていますから、それと同時期に建てられた聖堂であることがわかります。
初めてというだけあって、ヴァチカンがローマ教皇の本拠地と定められるまでは、この聖堂がカトリック教会の中心的存在とされています。一時期は火災や老朽化によって権威を示すような建物ではなくなっていましたが、17世紀半ばに大幅な改修工事が行われ、現在のような回廊やモザイク画になっています。
また、先ほど紹介したサンタ・マリア・マッジョーレ大聖堂などと並んで、ヴァチカン市国の領域外にありながらヴァチカン市国による特別な権利が認められています。
6.サン・パオロ・フオーリ・レ・ムーラ大聖堂
4世紀、コンスタンティヌス帝により建築された、聖パウロの墓がある聖堂。聖パウロはイエス・キリストの弟子の1人であるとされている人です。
最初は非常に小さなものでしたが、コンスタンティヌス帝の死後の396年、ローマ帝国最後の皇帝テオドシウス帝によって大幅な改修がなされました。
奥行きは131m、幅65m、高さ30mととても奥行きがあり、壮大な印象を与えてくれます。また内部にある80本の柱は全て大理石でできています。
また、フオーリ・レ・ムーラ(fuori le mura)とは、城壁(le mura)の外(mura)という意味で、その名の通り、ローマの城壁から南へ約2kmはなれた場所にあります。
7.カラカラ浴場
次に紹介しますのは、カラカラ浴場です。ローマ帝国では娯楽目的でたくさんの公衆浴場(テルメ)がつくられましたが、その中でも最大級のものと言えるでしょう。
212~216年にかけて、カラカラ帝によってつくられました。およそ1600人が入ることができたとされていて、非常に大きかったことがわかりますね。
これまで度重なる略奪や破壊、荒廃などを受けてきたため、浴場感があるか、と言われれば、なんとも言えないかもしれません。ですが、この素晴らしい建築物跡は、今日の建築のアイデアにも大いに参考にされ、次第に一大観光地へと変わっていきました。
さいごに
いかがだったでしょうか。ローマの世界遺産を全部紹介してみました。どれもこれも歩いて行ける距離なので、古代ローマ帝国の雰囲気を感じに、歩き回ってみてはいかがでしょうか。