ローマのお墓を散策!
皆さんはお墓というとどのようなイメージを持つでしょうか。誰かを供養するためだったり、夜に肝試しに行ったり、そのような形でお墓を訪れる人は多いと思います。
ですが、ここローマでは、巨大な墓地を散歩することが一つの選択肢としてあるんだとか!ちょっと日本人からすると想像がつきませんが、本記事では、ローマ最大の集団墓地「チミテーロ・ヴェラーノ」を散歩してきたときのことを書きたいと思います。
チミテーロ・ヴェラーノをゆっくり散策してみる
行くまでの経緯
午前中は大学の講義を受け、昼食を食べるために友人2人と合流した私。それぞれ夕方に用事があったものの、それまでの時間が暇だったので、何をしようか考えていました。すると2人のうちの一人が「お墓に行って散歩でもしよう」と言い始めました。「お墓を散歩?!」と思ったのですが、少し興味があって賛同することに。
聞けば、「暇つぶしや散歩で大きな墓地を散歩することは、けっこう普通だよ」とのことでした。墓地の入り口に辿り着くと、まずびっくりしたのがその大きさ。入り口の門のようなものが大きく、そして中をのぞくとどこまでも墓地だらけ。あまりにも大きすぎて、どちらかというと遺跡のような印象を持ちました。
お墓が大きい!
入ってまず最初に目に見えたのは、とても大きなお墓たち。このような大きなお墓は、かつての有力貴族や騎士・兵士などが埋葬されているんだとか。特に西暦を見てみると、イタリア統一の1861年前後や19世紀のものが多く、非常に歴史を感じました。
また、やはりこの大きいお墓は、裕福な一族ではないと購入できないそうです。その点に関しては日本と同じです。
家のようなお墓も
さらに驚いたのは、小さな家や教会のような形をしたお墓もたくさんあったこと。日本の場合、どんなに大きくても、墓石が大きかったり、面積が広かったりというだけですが、まさかそれを家のようにして囲ってしまうという発想に驚きました。
こちらもお値段はかなり張るようです。ちなみに、先ほどからお話ししているタイプのお墓は、一族で入るのが普通のようで、その点は日本と同じだと思います。
小さいお墓は、棚のように並ぶ
そんな巨大な墓の中に混じって、小さなお墓も多く見かけました。ですが日本のように地面に面して立っているのではなく、棚のようにそれぞれの棺が収納された形で眠っています。
1人当たりの面積はかなり小さく、それほど裕福でなかったり、貧しい家庭の人はこのようなスタイルのお墓を購入するそうです。
ちなみに、このスタイルのお墓が収納された、低いビルのような建物がいくつも建っていて、本当に墓地なのかと疑いたくなるような大きさでした。
道沿いのお墓も
他にも面白い形をしたお墓がありました。例えば、道路に面して垂直に壁にくっついたお墓。
写真を見てもらうとわかりやすいと思いますが、このような形のお墓も日本では見たことがなかったので、かなり興味深かったです。そういえば、アッピア街道の道路沿いにある墓石のスタイルも、若干これに似ているような気がします。
戦死者の墓も
戦死者というと第二次世界大戦などを想像するかもしれませんがそれだけではありません。イタリアは1861年の統一やその前後の様々な運動をはじめ、第一次世界大戦やファシズム時代など、多くの問題や戦争により、多くの兵士の血が流れています。
ここチミテーロ・ヴェラーノにも、彼らを弔うための大きな石碑が置かれています。
さいごに
初めはどんなものだろうと思って訪れたお墓巡り、とても楽しく散策することができましたし、一つの観光地として十分楽しめると思います。皆さんも機会がありましたら、ローマの墓巡りをトライしてみてください。