噴水に癒される絶景庭園 ヴィッラ・デステの歴史・見どころ・アクセスを完全解説

噴水に癒される絶景庭園 ヴィッラ・デステの歴史・見どころ・アクセスを完全解説

ゆうさん

学生時代にローマ・サピエンツァ大学に留学し、シチリア出身マンマが統べる大家族にてホームステイ。今は日系企業で国際提供業務に従事する社会人3年目。イタリアで仕事をする機会を細々と狙っています。サザンオールスターズとサンドウィッチマンが大好き。

ヴィッラ・デステとは

ヴィッラ・デステ(Villa d'Este)とは、ローマ郊外ティヴォリにあるヴィッラ(別荘)です。見尽くせないほどの噴水があるヴィッラには、どことも違う独特な雰囲気と時間が流れています。

2001年にはユネスコの世界文化遺産にも登録されています。

そんなヴィッラ・デステの簡単な歴史や見どころ、特徴、アクセス、オススメルートなどを紹介していきたいと思います。

歴史

ティヴォリはかつて古代ローマ帝国時代の貴族に愛された別荘地。ですが、このヴィッラ・デステの計画が始まったのは16世紀の1563年のこと。時代がかなり違いますよね。

実はこのヴィッラ、もともとは質素な修道院でした。そこに中部イタリアのフェラーラ出身イッポーリト・デステ2世がやってきたことから全てが変わります。

彼は枢機卿でしたが、ローマ教皇後継争いに破れ、ローマ近郊のティヴォリに隠居しながら再起を伺うことを決めたのでした。彼はティヴォリにやってきた時、同じ町のある古代ローマの庭園ヴィッラ・アドリアーナの素晴らしさに感銘を受け、自らも壮大な庭園を作ると決意しました。

結局のところ、彼の存命中には完成せず、その後はデステ家の経済的な事情などもありヴィッラ計画は頓挫しかけましたが、最終的には17世紀初頭に完成します。

見どころ

その1 楕円の噴水

庭園に下って右手に歩いて行くと、最初に出会う噴水が楕円の噴水です。最もシンプルながらも壮大で、個人的には一番写真映えする噴水だと思います。

楕円形に象られた噴水の縁には、ヴィッラ・デステの紋章のかわいいタイルが貼られています。

その2 ロメッタの噴水

楕円の噴水の反対側にあるロメッタの噴水は、庭園の噴水の中では最も豪華かもしれません。奥を取り囲むようにして配置されていて、どこを写真に収めたらいいか分からなくなってしまうほど。

ロメッタは古代ローマ帝国の街並みをイメージして作られたことから、きっとこれほど様々な工夫が凝らされているのでしょう。

噴水付近からの景色

その3 100の噴水

左右に配置された楕円の噴水とロメッタの噴水を繋ぐ小道にあるのが、100の噴水です。どれも小さいながら本当に100個の噴水が永遠と続いていて、名前のインパクトに負けない素晴らしさがありましたよ!

苔むした彫刻から出る噴水に、時間を忘れて心奪われてしまいます。

その4 オルガンの噴水

楕円の噴水をさらに奥に進んだところに、オルガンの噴水があります。嗜好を凝らした大理石の彫刻は、なんだかトレヴィの泉の様式にも少し近いかもしれません。

そして名前の通り、この噴水の手前にある小さな祠のような小部屋にはパイプオルガンが収められていて、2時間に1度水力を利用したオルガンの演奏が行われます!

普段は小部屋はドアが閉じられているので、演奏中しかオルガンを見ることができません。音もなく開閉するので、ぼーっとしている間に演奏が始まらないよう、カメラを構えておくといいかも?

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噴水の演奏時間:10:30から2時間ごと

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その5 左右対称な庭園

ヴィッラ・デステの庭園は、どこも左右対称になるように設計され、非常に統一感のある印象を受けます。たくさんある噴水だけでなく、中心の池や雰囲気のある緑の生い茂った場所をゆったり歩いてみましょうね。

ベンチなども設置されているので、のんびり景色を眺めながらまどろむ、なんてのもオシャレですね。

その他 邸宅や景色、小さな噴水も

大きな噴水のイメージが強い場所ですが、それだけではありません。

庭園に入る前にはエステ家の邸宅を通るのですが、そこのフレスコ画も耽美的で素敵です。

加えてそこの窓から見えるティヴォリの山間の景色は、思わず声が出るほどです。ちなみに庭園の左手にも絶景が広がっていて、夕暮れ時にはロマンチックな雰囲気が広がります。

そして、ヴィッラ・デステはとにかく噴水の数が多いです。小さいものを数えればキリがないほど。入ってすぐ右手の噴水の水は飲むこともできますよ!

ヴィッラ・デステの紋章

ヴィッラ・デステのマークは百合の花と鷲によって構成されています。これはフィレンツェのマークとしても使われている百合の紋章、そしてローマ帝国の象徴である鷲を表しています。

これは彼の出身であるフェラーラやトスカーナのルネサンス文化と古代ローマの文化を合わせた素晴らしい庭園を作るということの表れだとされています。

解説

所要時間

このヴィッラは地図上でみるとかなり小さく感じるのですが、あらゆる場所に見所が散りばめられていて、意外と時間がかかるかもしれません。1時間半くらい時間を取っておけば良いでしょう。

基本情報

開館時間:

5-8月:8:30-19:45/9月:8:30-19:15/10月:8:30-18:30/11-1月:8:30-17:00/2月:8:30-17:30/3月:8:30-18:15/4月:8:30-19:30

※チケット購入は1時間半前に終了(2017年1月現在)

料金:€8

定休日:1/1、5/1、12/25

行き方・アクセス

ヴィッラ・デステへのアクセスは

  1. ローマ郊外を走るバス
  2. 電車Regionale線

の2種類が代表的でしょう。詳細に紹介していきます。

1.ローマ郊外を走るバス

地下鉄B線Ponte Mammoio駅からTivoli行のプルマンに乗車し、Villa d'Este/Largo Nazioni Uniteで下車します(€2.5、約30分に1本、所要時間約1時間)。

2.電車Regionale線

中距離バスなどは時間が変わりやすく(1月はダイヤ変更あり)、予定を立てづらかったのです。その点電車はTrenitaliaのホームページでも確認できるため、私はこちらの方法を使いました。

ローマRegionale・FR線Tiburtina駅で乗車し、終点のTivoli駅で下車します(€2.6、約1時間に1本、所要時間1時間)。そこから徒歩(約15分)かバスでたどり着くことができます。バスに乗る場合の注意点を解説しておきます。

よく分からない土地で大切なことは、とにかく現地の人に聞いてみることです。何が何だか分からなくても辿り着けてしまうことはたくさんあります。

チケット

タバッキなどでCATと呼ばれるバス会社のチケットを買いましょう。念のため往復分の2枚買うと良いです。値段は1枚€1.3(2017年1月現在)。

2枚チケットを買う時の尋ね方は「Due biglietti per Villa Adriana per favore(ドゥエ・ビリエッティ・ペル・ヴィッラ・アドリアーナ・ペル・ファヴォーレ)」です。

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チケットの購入場所

町中でタバッキお馴染みのTマークを見つけるのは難しかったのですが、バス停の近くに「チケット販売してます」という記述のあるバールを見かけたのでここで購入しました。

バスの路線

LINEA4か4Xに乗ることになります。

バス停の表示

バス停には「TIVOLI地区のバス停」としか書かれておらず、どこに向かうかも時刻も分かりません。そのため、バス停で待っている人、もしくはバスの運転手に「このバスはヴィッラ・デステへ行きますか?」と尋ねるのが最も正確だと思います。

尋ね方は「Questo autobus passa Villa d'Este?(クエスト・アウトブス・パッサ・ヴィッラ・デステ?)」です。

オススメルート

ティヴォリまで来たのなら、ヴィッラ・デステだけではなくヴィッラ・アドリアーナも訪れてみましょう。こちらも世界遺産に登録されている広大で美しい庭園です。ですが2つの世界遺産を1日で見るとなるとやや大変です。計画的な旅行をオススメします。

ルートとしては、朝にティヴォリに着き、最初にヴィッラ・アドリアーナを目指し、その後ヴィッラ・デステへ向かう順序です。

というのも、ローマへの帰りの電車・バスは1時間に1本程度しかなく、もし郊外のヴィッラ・アドリアーナを後回しにすると、こちらもバスが3.40分に一本しかない(しかも遅れる)ため、電車を逃してしまう可能性があります。

その点ヴィッラ・デステを後回しにすれば、徒歩15分程度で駅まで辿り着けるためある程度自分で時間を読みながら行動することができます。なんにせよイタリアは色々なものが遅れるので、遅延前提で計画を考えると良いでしょう。

さいごに

いかがでしたか?ヴィッラ・デステに関するあらゆることを徹底的に解説いたしました。同じ町のヴィッラ・アドリア―ナについても詳しく知りたい方は「ヴィッラ・アドリアーナの歴史・見どころ・アクセスを完全解説」の記事を参照してください。

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