フィレンツェで学ぶ
見どころたくさんのフィレンツェがイタリアの中で屈指の観光地であることは有名です。
メディチ家の栄華と共和国の権威が町の至る所で感じられ、ルネサンスを彩った芸術家たちの作品を心行くまで堪能できます。
各観光スポットが徒歩圏内にあるということも魅力的でしょう。
そんな中世にタイムスリップしたようなフィレンツェで、イタリア語を勉強してみたいとは思いませんか?
今回は筆者が通ったフィレンツェ大学付属の語学学校について、実際の体験も含めてご紹介します。
どんな組織?
正式名称は「UNIVERSITA DEGLI STUDI DI FIRENZE - Centro di Servizi Culturali per Stranieri(フィレンツェ大学外国人向け文化部門センター)」です。
実際に授業を受ける施設は、フィレンツェ大学の本キャンパスより徒歩10分ほどの位置にあります。
創設は1907年と古く、既に1世紀以上にわたってイタリア語の文法指導とイタリアの文化を紹介する授業を展開しています。
どんな授業があるの?
センターで行われる授業は主に2つに分けられます。
①イタリア語文法
この授業ではイタリア語の文法を学習します。
コース参加者は各タームの初日にプレイスメントテストを受け、その結果によって配置されるクラスが決定します。
クラスはElementare(初級)→Medio(中級)→Medio avanzato(中上級)→Superiore(上級)の4つで構成されています。
文法の授業は09:00~12:00で行われますが、途中には30分の休憩があり、ここで友達と話したり先生と雑談をしたりするのも楽しいです。
タームの最終日にはリスニング、リーディング、ライティング、スピーキングの能力を確かめる試験があります。
②イタリアの文化
イタリアの歴史、文学、料理、音楽、地理、美術など、様々な分野についてイタリア語で実施される授業です。
一方的な説明だけではなく、意見を交換する機会も少なくないので、会話の練習にもなるかもしれません。
ちなみに筆者は、偶然「芸者」についてイタリア語で説明をする場面に遭遇しました。
各分野の講師は平易なイタリア語で授業を行い、必要に応じて英語を使った説明もしてくれます。
文法の授業終了後、12:15~13:45に行われます。各授業で80%の出席率があれば、任意で試験を受けることが可能です。
この2つの他に課外授業という形で、ツアーや見学があります。
フィレンツェの美術館や教会、またはフィレンツェ付近の町などを解説付きで巡ることが出来ます。
タームによって行先は変わりますが、モザイク美術で有名なラヴェンナや、パリオ競馬で有名なシエナに行くツアーがありました。
実施の2~3日前に、センター内の事務所の前に張り紙が張り出され、目的地と集合場所が掲示されます。
別途費用が必要になる場合もあり、その場合は事前に事務所で支払いをするように連絡がきます。
費用はどれくらい?
タームによって変化します。2017~2018年は夏期コース(CICLO ESTIVO)が650ユーロで、春期・秋期・冬期は800ユーロです。
これにツアーや見学の費用、教科書代等を含めれば750~900ユーロくらいを見積もっておくといいでしょう。
その他詳しい情報は公式ホームページを参照してください。(英語あり)
http://www.ccs.unifi.it/changelang-eng.html
コースに参加して
私自身はこの語学研修のうち、春期タームのみに参加しました。
期間にして約3カ月と他の編集員と比べても格段に短かったです。
就職活動のことや経済的な理由もあっての決断でしたが、とても貴重な体験になりました。
イタリア語のB2レベルの授業と公認試験を受験する機会があり、語学を上達させることができたのは勿論のこと。
観光の短い期間では分からなかったフィレンツェの魅力をたくさん発掘することもできました。
「イタリアに留学してみたいけど、そこまで長い期間ではなくてもいい」
「他のことに挑戦する期間も残しておきたい」
「ちょっと節約してイタリアに留学したい」
フィレンツェの語学コースはこんな風に考えている人におすすめだと思います。
興味のある人はぜひイタリア語をフィレンツェで!