【初心者さん向け】ドラマ顔負け!? オペラを楽しむポイント6つ

【初心者さん向け】ドラマ顔負け!? オペラを楽しむポイント6つ

大学でイタリアの言語および芸術文化を専攻する傍ら、声楽も学ぶ。関心はイタリアの芸術、文学、食、モードなど幅広い。 2018年秋よりローマに留学中。

イタリア発祥の舞台芸術、オペラ。17世紀のフィレンツェで誕生してから今日まで、世界中の人々を魅了し続けています。

そんなオペラですが、存在は知っていても、オペラについてはよく知らない、聞いたことがない、という方も多いのではないでしょうか?

今回はオペラ初心者さん向けに、オペラを楽しむポイントを6つ提案したいと思います。音楽と一緒に紹介しているので、実際に聴きながらお楽しみくださいね。

① ドラマ顔負けの恋愛模様

小難しい、退屈だ、なんてイメージを抱かれがちなオペラ。でもストーリーを追ってみると、実は昼メロ顔負けのドロドロした恋愛模様や、月9のような恋の駆け引きが満載なんです!

音楽の授業でお馴染み、モーツァルトが作曲したオペラ『コジ・ファン・トゥッテ』は、男子2人が恋人の愛を試そうと、変装してお互いの彼女に近付き誘惑する、という突拍子もないストーリー!

恋人への忠実さを見せるフィオルデリージに対し、相手が友だちの彼氏と気付かずに心を揺らすドラベッラ。2人の女子の対照的なキャラクターが印象的です。

あなたはどっち派? 2人が(自分たちの彼氏とも気付かず)遊び相手を選ぶシーンを覗いてみましょう。

♪あの黒髪のほうにするわ

ドラベッラ「あたしはあの黒髪のほうにするわ!彼のほうが面白そう」

フィオルデリージ「じゃあわたしは金髪のほう!ちょっとからかっちゃおうかな...」

このとんでもない2組のカップル、一体どうなるのでしょうか!? 見逃せませんね。

② どこから声出てるの!?超絶技巧の数々

同じ音楽劇でも、オペラがミュージカルと絶対的に異なるポイントがあります。それは、マイクを使わないということ。オペラ歌手たちは特殊な発声方法を駆使し、マイクがなくても大きな劇場の後ろの席まで美声を届けます。

ここではそんな超絶技巧を使ったパフォーマンスを2つご紹介。

まずはヴェルディ作曲『椿姫』から、恋の喜びを知り、舞い上がるヴィオレッタが歌います。

♪花から花へ

「快楽に身を任せるには自由でないと...」

高い音で声を自在に操る「コロラトゥーラ」という技法で華やかに歌います。ラストの高音は、生で聞いたら鳥肌が立つこと間違いなし!

お次はドニゼッティ作曲『ランメルモールのルチア』からの一曲。愛する恋人がいるにもかかわらず、政略結婚で別の男性と結婚させられたルチアは、恋人を失った悲しみから発狂してしまいます。

♪彼の優しい声が

錯乱し、政略結婚相手を殺害してしまったルチアの衝撃的なシーン。憔悴しながらも、恋人エドアルドを思い、幻聴を聞きます。

「婚礼の歌が聞こえない?私たちの結婚式の準備だわ!幸せだわ、言葉にできないくらい!」

感情を爆発させながら歌う、圧倒的な演技力からも目が離せません!

③ そんなのアリ?モダンすぎる演出

古典的なイメージのあるオペラですが、現代ではかなりモダンな演出も受け入れられるようになっています。

こちらは、モーツァルト作曲『ドン・ジョヴァンニ』からの一場面。女好きのドン・ジョヴァンニが歌うシーン、衣装もモダンながら、演出は最先端!映像を駆使した目にも楽しいパフォーマンスです。

♪シャンパンの歌

「頭がアツくなるまで飲もう!広場に良さそうな女の子がいたら連れてこいよ」

若者にもオペラを広めたい、との意図から、プロジェクション・マッピングなどの最新技術を使った演出も増えています。今後も大注目です。

④ 聞いたことある!キャッチーなメロディー

大作曲家たちが手掛けた壮大なオペラの音楽は、現代を生きる私たちが聴いても印象に残るものばかり。これから紹介する曲も、きっとどこかで聞いたことある!はずです。

ヴェルディ作曲の『椿姫』は、パリの華やかな社交界のパーティーシーンから始まります。いかにもお金持ちそうな殿方と、きらびやかなドレスで着飾った女性たち。お酒が入ればテンションも上がりますね!グラスを手にとって、さあ乾杯!

♪乾杯の歌

「飲み干そう、喜びのグラスを手にとって!」

「人生短いんだから、楽しい時間をシェアしましょ!」

同じくヴェルディ作曲のこちら。サッカー好きの方にはお馴染みですよね?

♪凱旋行進曲

実は古代エジプトを舞台にしたオペラ『アイーダ』で、エチオピア軍に勝利したお祝いのシーンで演奏される曲なんです。堂々たるメロディーは、スポーツの勝利のイメージにもバッチリ合いますね。

⑤ 笑える!コメディ要素

オペラが作曲された時代の人々も、現代人と同じ。つまらないものをわざわざ作ったりしません。オペラにも、現代の漫才並みに笑える要素がたくさんあります。

こちらはロッシーニ作曲『セビリアの理髪師』からの一曲。町の便利屋フィガロが元気に歌います。軽快な歌に乗せた台詞と、お芝居の入ったコミカルな動きがとても面白いですね。

♪私は町の何でも屋

「フィガロ!フィガロ!何でも屋のお通りだ!カミソリ、櫛、針、ハサミ、なんでもお望み通り」

⑥ 劇場は非日常!

オペラは歌、芝居、踊り、オーケストラの生演奏を楽しめる総合芸術。そのため、壮大な演出が可能な大きな劇場で上演されます。これが一般にチケットが高額な要因です。

しかし、学生割引のある劇場も多く、オペラをリーズナブルな価格で楽しめる方法もあります。 開場20周年を迎えた東京・渋谷の新国立劇場では、25歳以下・39歳以下を対象に、お得なチケットを提供しています。

例えば25歳以下なら、舞台の目の前S席・A席が¥5000!通常は3万円近くする座席なので、人気の公演ではすぐに売り切れてしまうことも。情報はこまめにチェックしましょう!

また、劇場は普段はなかなか行かない非日常ですので、ちょっぴりお洒落をして向かうのも楽しみです。お気に入りの靴を履いて、劇場を訪れてみてはいかがでしょうか?

おわりに

 いかがでしたか?

今回紹介した6つのポイントをおさらいすれば、オペラを楽しめること間違いなしです。

敷居が高い、難しい、退屈、などのイメージを一掃し、この夏は是非、オペラデビューしてみてくださいね。

  • この記事を書いた人
  • 最新記事

-トラベル全般
-, , ,