ついに。あいつらがNetflixにやってきます。イタリアのコメディアンであり、映画、ドラマ、舞台で活躍する2人組コメディアン、Ficarra e Picone(フィカッラ・エ・ピコーネ)が監督・主演を務めたドラマが、Netflix独占で配信です(2022年1月27日予定)。
作品概要
ドラマ情報
- 原題:Incastrati
- 公開年:2022
- シーズン:シーズン1(6話)
- 制作国:イタリア
- 監督:サルヴォ・フィカッラ、ヴァレンティーノ・ピコーネ
- キャスト:サルヴォ・フィカッラ、ヴァレンティーノ・ピコーネ、アナ・ファヴェーラ、マリアンナ・ディ・マルティーノ
あらすじ・背景
ストーリー
あらすじ
機械工であるサルヴォとヴァレンティーノは、幼馴染でありながら今は義理の兄弟。ヴァレンティーノの妹であるエステルと結婚したサルヴォは、大のサスペンス好き。ヴァレンティーノは40手前にもかかわらず、まだ超過保護のお母さんと一緒に住んでいる。
いつも通り、機械工としてのお仕事でテレビ修理を依頼され、アルベルト・ガンビーノという人物の家を訪れていました。なぜか家の鍵が空いていましたが、あまり気にせずテレビ修理を開始する2人。すると、部屋のどこかから聞こえる水の音を頼りにバスルームに入ると、なんと男性の死体を発見してしまいます!
事件には一切関与していない2人ですが、「この殺害現場を見られたら、確実に自分たちが濡れ衣を着せられ、刑務所に入ることになる!」とビビった2人は、部屋に自分たちの痕跡を残さぬように掃除をし、なんやかんかありつつもその場を立ち去ってしまいます。
ここから先、映画を観る前にネタバレしたくない方は、見出し「制作秘話・小話」までスキップしてください。
そして家を出る前に聞いた留守番電話で、なんと!サルヴォの妻であるエステルは、実はガンビーノと不倫関係にあったことを知ってしまいます!
衝撃的な関係を知ってしまいつつも、この殺人事件に自分たちが見てしまったことをバレないように普段通りの生活を送ろうとするのですが、ガンビーノはマフィアの一味であることが発覚。そしてついにマフィアの仲間に見つかって捕らえられてしまう!
拷問された2人は、この状況を打開するために、つい「自分たちがガンビーノを殺した!」と嘘の自白をし、命はないかと思われたものの、実はガンビーノは改悛者(Pentito、マフィアを裏切って警察に情報提供をする者)だったと分かり、結果的に2人は殺されずに済みました。
これで一安心...と思いきや、何とか濡れ衣を被らないためにウソにウソを重ねてきたことが徐々に家族や警察にバレてしまい、2人は警察署に連行されることに。そこで全ての事実を洗いざらい白状した2人は、警察とマフィアどちらにもつながりがあるという板挟みの状況を逆手に取り、一般人でありながら、マフィアに従うふりをしつつ警察に情報を提供する潜入捜査に協力することに!
色々な情報を集め、ついにマフィアのボスまでたどり着けるだけの情報を集めた警察は、サルヴォとヴァレンティーノを尾行し、ここでもなんやかんやあってついにマフィアのアジトにたどり着く!激しい銃撃戦の後、アジトを制圧したものの、ついぞボスを取り逃がしてしまった。
事件後、サルヴォとヴァレンティーノは解放され、これまでのように機械工として悠々自適な暮らしを送っていた。2人は次の仕事場に向かうべく、車を走らせていたのだが、山道でスピードを出し過ぎてしまい、道に飛び出してきた人を引いてしまう。恐る恐る車から降りて安否を確認しようとすると、なんと引いたのはあのマフィアのボスだったのだ!そして、追いついたボスの手下に銃口を向けられ、絶体絶命のピンチになったところで、シーズン1は終了する...!
制作秘話・小話
Ficarra e Picone
サルヴォ・フィカッラとヴァレンティーノ・ピコーネの2人組コメディアンであるフィカッラ・エ・ピコーネ(Ficarra e Picone)。2人ともシチリアのパレルモ出身かつ1971年と同い年の彼らは、1998年にコンビを結成。2000年から国営放送のRai3にて番組に出演しはじめ、徐々に注目を集めます。
その後2001年よりイタリア版Zelig(カメレオンマン)にて、様々な役を演じるコント劇をつくり、人気を博しました。同時に様々な映画・ドラマの監督・脚本を務め、イタリアのコメディアンとしての地位を確立していきました。
当サイトの記事でも紹介した、2017年に公開された『L’Ora Legale』は近年の彼らの代表作と言えるかもしれません。
Netflixで世界デビュー
このNetflixオリジナルドラマは、イタリアでは2022年1月1日から、また日本を含む190の国と地域では1月27日から配信される予定になっています。
この2人のコメディアンはイタリアをメインで活動しており、国外での知名度はほとんどなかったように思います。そのため、これを機に"世界デビュー"を飾ることになりました。私も、まさかNetflixで彼らの活躍が見れることになるとは思いませんでした。
2人へのインタビューでは、「Netflixからオファーがあった時、これまでにないチャンスだったので、話に飛びついた」と言っていました。
撮影はシチリアがメインで
この映画は、2021年の夏、イタリア南部のシチリア島をメインに撮影が行われました。この映画は架空の村であるカステルモンテが舞台ですが、実際のロケは、カステルマーレ・デル・ゴルフォ、パレルモなどが使われたようです。
ちなみに、彼らが以前監督を務めた映画であるL’Ora Legaleも、シチリアの架空の島を舞台にしていたので、きっと彼らはシチリアの村の雰囲気が好きなんだろうなと思います。彼らの実現したいコメディをより実現しやすい、いい意味でステレオタイプを使いやすい土地と認識しているのかもしれません(まさしくL’Ora Legaleはそうでした)。
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感想・ネタバレなど
ストーリーはシリアス、小ネタを散りばめ
ストーリー展開自体は、想像以上にシリアスというか、普通のドラマ風に進んでいくのがちょっと意外でした。コメディアン2人のドラマなので、もっと笑いまくりかと思いましたが、意外とストーリー自体を楽しませる構成になっています。
一方、キャラクターやステレオタイプを逆手にとって笑いを作るのは、さすがに上手い。
例えば、駐車違反の罰金(30ユーロ)を払わないために、色々と事情を説明するサルヴォとヴァレンティーノ。担当者は「上の階にいる、私の別の課の友達に相談すれば、きっと違反をもみ消してくれる」「私の友達だと言うと解決してくれるだろう」「ただし、私が責任を負いたくないので、私の名前は出すな」というワケの分からない提案をされます。そして紹介料として50ユーロを要求してくるのです。
普通だったら絶対払わない額ですが、「駐車違反として記録が残り、殺人現場にいた記録が残るのがマズい」と考える2人は、これを支払います。2人は上の階に行くと「さらに上の階の友人に相談しろ」と言われ、これを繰り返して結局なんと500ユーロも支払うことになるのです(笑)
イタリア特有の癒着やコネ、そしてお役所の体質をコミカルに扱った、とても笑えるシーンでした。ただ、もう少しこうしたシーンがたくさんあった方が、コメディアンである2人の特長が最大限発揮されたのでは?と思います。
ドラマでなくとも映画でもよかったかも?
完全に好みの問題ですが、6話で各25分前後の尺であれば、映画としてひとまとめにしてもよかったのではないでしょうか。ストーリー自体に飽きることはありませんでした。一方で、ストーリー展開は若干読めてしまうところもあり、無理に6話に分割して「続きが気になる!」風にしなくとも、120分ぶっ続けの映画の方がすっきり楽しく観れるかなとは思いました。
中だるみしないようにする戦略なのかもしれませんね。
刑事 副部長のアガタが超美人
ヴァレンティーノの初恋の人として登場するアガタ。高校まではヴァレンティーノと同級生でしたが、今はミラノで活躍する刑事であり、高校時代に”いい感じ”だったヴァレンティーノとの関係性もシーズン1を通して気になる存在でした。
とても美人なアガタ役は、マリアンナ・ディ・マルティーノ(Marianna di Martino)という俳優。シチリアのカターニア出身でモデルとしても活躍しているようです。柔らかい雰囲気でありながらルックスやスタイルはとてもシャープで、コメディ要素の強いキャラクターたちの中で、とても存在感を放っていました。
2022年時点でまだ32歳ととても若く、これからのイタリア映画界での活躍にも注目したいですね!
さいごに
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2022年1月27日にNetflixで全世界公開されたこの作品ですが、エンディングの雰囲気的にシーズン2もありそうだったので、公開が楽しみです!個人的にはもう少し笑いどころを増やしてくれるとより嬉しいなと思いますが、次回に期待したいと思います。
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