派手な競争に終止符
しかし、ここまで続いた競争は16世紀半ばに終わることとなります。なぜかと言うと、当時のヴェネツィア議会が、権力誇示のために派手な装飾などで無駄遣いをすることを禁止したからでした。
そのため、ゴンドラ職人たちは、これから先、派手なものを作るのではなく、実用的なものをつくらなければならなくなりました。ヴェネツィアのゴンドラは、スクエーリという、非常に優秀な職人たちが働く、特別な工房で作られていました。また、ゴンドラは、それぞれの用途に合わせて8種類もの木材を合わせて作られていたというから驚きです。
オール受けを改良
この透明な部分がオール受け(http://tsurisuki.com/)
ゴンドラの中でも非常に重要なのは、オールを支えるためのオール受けだと考えられていました。というのも、オール受けが安定しないと、しっかりと舟をこぐためには、そこを支えておかなければならないから。この位置を調整しながら、スピードの調整や方向転換がしやすいように改良していきました。最初は飾り物でしかなかったゴンドラが、だんだんと使えるものになっていったのです!
そして17~18世紀のゴンドラ全盛期には、なんと8000~10000のゴンドラがつくられ、運河を走っていました!今使われているゴンドラの数がおよそ400であることを考えると、運河を埋め尽くしてしまいそうなくらいのゴンドラが走っていたことが想像できますよね。
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