過去に日本で大流行した映画「君の名は」。この映画では、新海誠監督が劇中の音楽をRADWINPSというバンドに一任し、一貫した世界観を作り出したことが話題となりました。
このような手法は、イタリアを代表する映画監督ジュゼッペ・トルナトーレと、作曲家エンニオ・モリコーネとの関係と似ているのではないかと思い、この記事を書くことにしました。
二人は黄金のタッグ
トルナトーレ監督とモリコーネがタッグを組んだイタリア映画には、「マレーナ Malena」(アカデミー撮影賞、作曲賞)や「海の上のピアニスト La leggenda del pianista sull'oceano」(ゴールデングローブ賞等各賞)がありますが、最も有名なのはやはり「ニューシネマパラダイス Nuovo cinema paradiso」ではないでしょうか?
今回はこの有名な映画を特集してみたいと思います。
ニューシネマパラダイス(以下この表記)の物語は、簡単に言うならば主人公の少年トトと映画館、それから映画技師アルフレードとの人間模様、そしてトトの成長を描いたものとなっています。また、その中で愛の物語も描かれます。
物語の進行に沿って、エンニオの音楽を追っていきましょう。
①Cinema Paradiso
まずは主題曲であるこの曲から。この曲の一部分がこの先の物語で何度もリフレインすることによって、主題曲としての存在感を際立たせています。
②Maturity
この曲の主題はMaturity、日本語で言うところの「成長」です。様々な事件を通して映画少年トトが少年から思春期の男へと成長することを想起させる曲となっています。
③Cinema on fire
この曲の訳は要らないでしょう。危機的状況を切に伝える名曲です。
④Born to love theme
愛の曲です。トトの切ない初恋、そこには誰もが大人になる過程で体験したことを想起させるようなストーリーが。
まだまだ名曲は数多くありますが、紹介はここまでとしましょう。
あとは皆さんがこの映画を見てどう感じるかがとても楽しみです。その際にストーリーそのものだけでなく、エンニオ・モリコーネ音楽もその素晴らしさに一役買っていることを想ってくれたらこの記事を書いた甲斐があります。
皆さん、ぜひご覧ください。
(ニューシネマパラダイスにはディレクターズカット版と完全オリジナル版がありますが、この二つはまったく違うものととらえたほうが良いかもしれません。個人的には先にディレクターズカット版を見ることをお勧めします。