イタリア南部の島である、シチリア島
世界遺産シリーズ第2弾は、イタリア南部のシチリア州。このシチリア州は、トスカーナ州と同じく、7か所の世界遺産が登録されています。ヨーロッパ最大級の活火山であるエトナ山が中心に位置し、都市は沿岸部に広がっています。そんなシチリアには、どのような世界遺産があるのでしょうか?!

シチリア州の位置はここ。イタリア本土をブーツに例えるなら、それが蹴っている石ころでしょうか?!
シチリア州の州都はパレルモ。地中海を渡れば、その先にはアフリカ大陸のリビアやチュニジアまで非常に近いことが知られています。ちなみにイタリア最南端は、絶景としても知られているランペドゥーザ島です。
http://www2m.biglobe.ne.jp/ZenTech/
世界遺産の前に...州の旗を紹介
こちらがシチリア州の旗。怪しいことこの上ありません。何とも言えない表情をしています。この何とも言えない顔なのは、ギリシア神話に登場する女神であるメドゥーサ(メドゥーサについての詳しい情報はこちら)が中心になり、この3本の脚はシチリア島の重要な3つの岬(パレルモ・メッシーナ・シラクーサ)を表しています。
では、気を取り直して世界遺産を見ていきましょう!
シチリア島の世界遺産全7つを解説
1.アグリジェントの遺跡地域

神殿の谷のコンコルディア神殿
1つ目に紹介するのは、アグリジェントの移籍地域(または神殿の谷)です!登録は1997年。ギリシャ人による植民地として形成されたアグリジェントは、紀元前6世紀から、古代地中海世界の重要都市の一つに数えられていました。威厳ある、どっしりとした柱造りのドーリア式神殿がいくつも街に建てられています。遺跡群の中でも特に有名なのは7つの遺跡。保存状態が良いものとしては、写真で紹介したコンコルディア宮殿が代表的でしょう!

ライトアップされる夜は幻想的
シチリア島の主要都市である、パレルモ、カターニアからバスでアグリジェントへ。そこからは市バスで神殿へ。
2.ヴィッラ・ロマーナ・デル・カサーレ

遺された壁画・絵画
2つ目に紹介するのは、ヴィッラ・ロマーナ・デル・カサ―レ。日本語に直すと「ローマ式別荘の村落」となります。登録は1997年。時は3~4世紀のローマ帝国時代、多くの土地を持っていた貴族が、田園風景の中に建てた豪華な別荘跡です!
驚くのが、ほぼ全ての部屋の床に、モザイク画が埋め尽くされていること!しかもそのレベルの高さは古代ローマ時代最高峰のものと考えられています。
ちなみに、モザイクには何が描かれているかというと、馬や犬などの動物と人の姿。
また、「10貴婦人の間」と呼ばれている部屋の床には、ビキニの女性のモザイクが描かれています。
3.エオリア諸島

ヴルガーノ島の景色
3つ目に紹介するのは、エオリア諸島です。登録は2000年。シチリア北方のティレニア海に位置するエオリア諸島は、Y字型に連なる7つの火山島から形成されています。そのうちヴルカーノ島とストロンボリ島という2つは、今も活動している活火山島。そのため、温泉も楽しむことができます。
観光地として有名なのは、リーパリ島。シチリアの州都、パレルモの港から、エオリア諸島を巡回しているフェリーに乗りましょう!豊かな自然にも恵まれ、ツアーに参加すればイルカにも会えるかも!

イルカたち
4.ヴァル・ディ・ノートの後期バロック様式の町々
4つ目に紹介するのは、ヴァル・ディ・ノートの後期バロック様式の町々。登録年は2002年。「町々」として登録されているように、シチリア島の東南部にある8つの町の町並みが、まとめて世界遺産とされています。
17世紀末に大地震が起き、この地域は一時全壊してしまいました。ですが、その後都市計画によって驚異的な再建を実現し、見事にバロック様式の建築・芸術を街に花咲かせました。町全体が美術館のようなこちらは、歩いていても飽きません。
5.シラクサとパンターリカの岩壁墓地遺跡

パンターリカの岩壁墓地遺跡
5つ目に紹介するのは、シラクサとパンターリカの岩壁墓地遺跡です。登録年は2005年。切れ目が難しいのですが、シラクサの都市と、パンターリカの墓地遺跡という2つがセットで登録されています。この遺跡群は、まとめてネクロポリスと呼ばれています。また、シチリアの中でもシラクサは特に古くから歴史を持ち、紀元前8世紀ごろにギリシア人が植民を開始しました。
なんと言っても注目は、古代ギリシア時代の劇場跡。ここで様々な劇や演奏が行われました。約1万5千人を収容可能で、今日でも古代をイメージした演劇などが行われることがあります。
6.エトナ山

エトナ山の眺め
6つ目に紹介するのは、エトナ山です。登録年は2013年。標高は3329mで、イタリアの山のみならず、地中海の山の中では最も高いことが知られています。今日でも噴火活動は続いており、昨年の12月には、火山活動による噴煙が標高7000mまで立ち上りました。

こちらは2011年の噴火の模様
ちなみに、標高2900m地点まではロープウェイで訪れることができ、その活動を間近で見ることができるのでオススメです!
7.アラブ=ノルマン様式のパレルモと、チェファル、モンレアーレの大聖堂

パレルモのアラブ=ノルマン様式建造物群 http://tabizine.jp
最後に紹介するのは、アラブ・ノルマン様式のパレルモと、チェファル、モンレアーレの大聖堂。名前がめちゃくちゃ長い(笑)登録年は昨年、2015年です。ノルマン王国がシチリアを統治していた12世紀に遡る、教会や建造物合わせて9か所が遺産されました!
シチリア島は、様々な王朝・民族による侵入を受けており、イスラームやビザンツ、ラテン、ユダヤ、フランス、スペインなど、様々な文化が共存しています。そして、それらを証明する代表が、シチリアということです。
パレルモ市内では2つの宮殿、3つの教会、大聖堂、橋。そしてパレルモ県内のチェファルの大聖堂、モンレアーレにある大聖堂の9か所です。
さいごに
シチリア島は様々なタイプの世界遺産がありましたね。いかがだったでしょうか。イタリアだけに収まりきらない、様々な文化や歴史を体験することができるシチリア、必見ですよ。
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