イタリアで会える、レオナルド・ダ・ヴィンチの絵画 TOP5

 2016/08/17

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ルネサンスの巨匠、 レオナルド・ダ・ヴィンチ

『自画像』  |1512年ごろ|33.3 cm × 21.6 cm| トリノ王立図書館、トリノ

レオナルド・ダ・ヴィンチ (Leonardo da Vinci/1452-1519) は、ルネサンス期イタリアを代表する万能の天才画家。『最後の晩餐』、『モナ・リザ』などの精巧な絵画で知られるルネサンス期イタリアの巨匠。

絵画のみならず、彫刻、建築、土木、科学、数学、工学、天文学など種々の技術に通じ、極めて広い分野に足跡を残した万能の天才。

世界各地に散らばる彼の傑作ですが、イタリアにはどのような絵画が遺され、どこで見ることができるのでしょうか。解説とともにまとめてみました。

ミラノ

最後の晩餐ーサンタ・マリア・デッレ・グラッツィエ教会

レオナルド・ダ・ヴィンチの『最後の晩餐』 1495-1497年 | 460×880cm | 油彩・テンペラ | サンタ・マリア・デレ・グラツィエ聖堂修道院食堂(ミラノ)

『最後の晩餐』 1495-1497年 | 460×880cm |
サンタ・マリア・デレ・グラツィエ聖堂修道院食堂(ミラノ)

レオナルド・ダ・ヴィンチの最高傑作の呼び声も高い『最後の晩餐』。

ダ・ヴィンチが生涯に手がけた壁画のうち、現存する最も代表的な作品であり、私たちもモナ・リザに次いでよく知っている絵画かもしれません。

主題

当時のミラノ公ルドヴィーコ・スフォルツァの依頼により、ミラノのサンタ・マリア・デレ・グラツィエ教会の食堂の装飾画として制作されました。

この作品は、キリスト教美術において比較的古くから用いられている『最後の晩餐』を描いたものですが、通常示されることの多い宗教的な教義である「聖体拝受(主によるパンと酒杯の拝受)」を描いたものではありません。

それは、イエスが十二人の使徒に対し『この中に私を裏切るものがいる』と、裏切り者を指摘する、登場人物の複雑な心理描写に重点が置かれています。

解説

この絵画は、新約聖書「ヨハネによる福音書・13章」にある「イエスの愛しておられた弟子」という記述に基づいているとされています。(以下引用)

「イエスのすぐ隣には、弟子たちの一人で、イエスの愛しておられた者が食事の席に着いていた。 シモン・ペトロはこの弟子に、だれについて言っておられるのかと尋ねるように合図した。

その弟子が、イエスの胸もとに寄りかかったまま、『主よ、それはだれのことですか』と言うと、 イエスは『わたしがパン切れを浸して与えるのがその人だ』と答えられた。

それから、パン切れを浸して取り、イスカリオテのシモンの子ユダにお与えになった。」

謎多き絵画

『最後の晩餐』 疑惑の検証 http://manga.world.coocan.jp

この『最後の晩餐』は、ダ・ヴィンチの作品の中でも特に謎多き作品として知られています。

「イエスの左に座っているのは、公式見解では使徒ペテロであるが、実はマグダラのマリアである」という説や、「彼ら2人が作る奇妙な空間は三角形となっており、これが聖杯を表している」などなど。挙げればキリがないほどです。

ダ・ヴィンチ・コード

ダ・ヴィンチ・コード

これらの謎を詰め込んだのが、ダン・ブラウン作「ダ・ヴィンチ・コード」と言えるでしょう。フィクションでありながら、その論理は整然としており、私たちの謎への期待をさらに膨らませるばかりです。

絵画の修復

本作は、壁画で通常用いられるフレスコは使用されず、油彩とテンペラによって描かれているため、完成後すぐに色あせていくこととなります。

サンタ・マリア・デッレ・グラッツィエ教会 By: Anna & Michal

また、食堂がその後馬小屋として使用されたことや、湿気に晒されたこと、第二次大戦での建物全壊などが重なり、今日では原型のまま鑑賞することはできないと言われてきました。

ですが、近年(1977~99年)この絵画の大幅修復が行われ、非常に色鮮やかに美しい姿で私たちの目の前に再び現れました。そして1980年、ダヴィンチ「最後の晩餐」を所蔵する教会とともにユネスコの世界遺産 (文化遺産) 登録されました。

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参照

フィレンツェ

受胎告知ーウフィツィ美術館

受胎告知 (Annunciazione) 1472-1473年頃 98×217cm | 油彩・板 | ウフィツィ美術館(フィレンツェ)

『受胎告知』 | 1472-1473年頃
98×217cm | ウフィツィ美術館(フィレンツェ)

レオナルド・ダ・ヴィンチの作品の中でも初期の作品である『受胎告知』は、ウフィツィ美術館に所蔵されています。

独立していたレオナルドが、画家の師である彫刻家ヴェロッキオの工房で活動していた時期に手掛けられたと推測されており、明確な記録はないものの、真筆(本物)として認められています。

大天使ガブリエル

大天使ガブリエル

『受胎告知』は、神の子イエスを宿す聖なる器として父なる神より選定され、聖胎(神の子を妊娠)したことを告げる、神の使者大天使ガブリエル(左)と、それを厳かに受ける聖母マリア(右)が出会う場面です。

祝福のポーズと共にマリアへキリストの受胎を告げる、ガブリエル。穏やかな表情を見せる聖母マリア。非常に写実的(見たものをそのまま描いた様)に描写される風景や石面、遠近法を用いた表現など、若きレオナルドの才能を読み取ることができます。

建築物や人の配置から補助線を引くと、画面中央の1点(消失点)に集束する。これは「一点透視法」という遠近法を用いている http://koinu2005.up.n.seesaa.net/koinu2005/image/1A1A1A1A1A1A1A1A1A1A1AD1A1A1A1A1A1A1A1A1A1A.jpg?d=a3

建築物や人の配置から補助線を引くと、画面中央の1点(消失点)に集束する。これは「一点透視法」という遠近法を用いているhttp://koinu2005.up.n.seesaa.net

また聖母マリア(右)の右腕が異常に長いことが知られています。それは、「この作品を聖母マリア側(右側)から鑑賞することを前提としている」という説が唱えられています。

聖母マリア

聖母マリア

さらに遠景の最も高い山は『山の中の山』としての、主イエスの象徴であるとの解釈も行われているのだとか。

パリのルーヴル美術館には、かつてダ・ヴィンチの作とされていたものの、現在ではレオナルドと同様ヴェロッキオの工房で学んでいたロレンツォ・ディ・クレディの作とされる『受胎告知』が所蔵されています。

クレディのものと見られている『受胎告知』

クレディのものと見られている『受胎告知』

また、この作品の主題である『受胎告知』は、中世期~ゴシック期に非常に多く描かれてきた宗教主題の一つでした。

ウフィツィ美術館
住所 Piazzale Degli Uffizi 交通アクセス シニョリーア広場から徒歩 1分 料金 €6.5 開館時間 8:15-18:50 定休日 月曜日、1/1...

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