私がイタリア人の子どもに言われて本当に悲しくなった2つのこと

 2017/04/18

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イタリアにいる以上、差別という話は避けて通れない、ということは以前もお話したかと思います。一見すると何にでもオープンに見えるイタリアでは、想像以上の保守的な思考と、人種主義が横行しています。

今回は、その根深さを説明するのにきっと役に立つであろう、イタリア人の子どもを通した人種差別について考えてみたいと思います。

私が何とも言えない気持ちになった2つのお話

ケース1:突然のニーハオ

私がローマ郊外ティヴォリへ日帰り旅行に出かけた時のお話です。私はティヴォリにある2つの世界遺産ヴィッラ・デステとヴィッラ・アドリアーナという2つの庭園を見るためにティヴォリを訪れていました。一通り観光を終え、夕方になった頃、ヴィッラ・デステが閉まる時間になって私が外に出ると、近くの広場で子どもたちが何人か遊んでいました。ちょうどその広場の一角が保育園が面していて、帰る時間になった子どもたちが、そこにいたようです。

「相変わらずイタリア人の子どもはかわいいな」なんてのんきなことを考えていると、その中からある声が聞こえました。「中国人だぞ!(Cinese!)」「ニーハオ!」といった声でした。恐らくティヴォリにはアジア人を見かける機会がローマほどは多くなかったので珍しさを感じた点もあったとは思います。ですが彼らの表情は、明らかに人をからかい、中国人だ!というのを楽しんでいるかのような不敵な笑顔。

思わずちょっとイラっときてしまった私が「俺は日本人だよ」と返すと「ウオォー!」と騒いで笑っています。それ以上は何も言わずにその場を去りましたが、後から何とも言えないイライラと虚しさとが襲ってきました。それは一緒に旅行していた友人も同じだったようで「なんかムカつく」とイライラ模様。

そして印象的だったのが「子どもの近くには親がいた」ことでした。アジア人に対してわざわざ聞こえるように「ニーハオ」と声をかけるというのは、少なからず良いことではありません。観光客狙いのレストランなどでなければ、なおさら声をかける必要はありません。攻撃的な意思表示が見て取れます。ですがそこで大人(恐らく親)がとった行動は「無視」です。子どもたちがアジア人に対してちょっかいをかけ、笑っている様子を眺め、叱るでもいさめるでもなく、何もなかったかのように、まるで当たり前のことであるかのようにしていたのが非常に印象に残りました。

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