安い?高い?観光客が利用するシチュエーションから、イタリアと日本の物価を比較してみた

安い?高い?観光客が利用するシチュエーションから、イタリアと日本の物価を比較してみた

ゆうさん

学生時代にローマ・サピエンツァ大学に留学し、シチリア出身マンマが統べる大家族にてホームステイ。今は日系企業で国際提供業務に従事する社会人3年目。イタリアで仕事をする機会を細々と狙っています。サザンオールスターズとサンドウィッチマンが大好き。

海外旅行において重要な要素の一つに「出費」があります。どんなに楽しい海外旅行といえど、湯水のようにお金がある人を除けば、なんでもかんでも食べたり買ったりという豪遊は難しいのではないでしょうか。

そこで、海外での予算や出費を計算する上で、「物価」という視点はとても重要になります。日本と全く同じ製品を購入してもその値段が違うのは、至極当然なことですが、具体的にイタリアの物価水準は、どの程度のものなのでしょうか。

この記事では最初にザックリとイタリアの物価水準に関してお話を進めた後で、具体的な商品や運賃、飲食費などを比較しながら、日本とイタリアの物価の違いについてより詳しく見ていきましょう。

イタリアの物価はどのくらい?

肌感覚:日本と同程度

最初に結論から申し上げてしまい、読み進める気が失せるかもしれませんが、イタリアと日本の物価水準は、それほど大きな開きはありません

特に両国の首都である東京とローマには、旅行で使う費用はあまり変わらないとは思います。ここまでは私がイタリアで留学する中で感じた印象です。

データ:イタリアの方が若干高い?

では次に、具体的なデータを追ってみたいと思います。具体的に活用するのは「ビッグマック指数」と「GDP比較」です。

ビッグマック指数

ビッグマック指数は、イギリスの経済専門誌『エコノミスト』が1986年9月に考案されて以来、同誌で毎年報告されています。Wikipediaによると、理由は以下の通りです。

ビッグマックはほぼ全世界でほぼ同一品質(実際には各国で多少異なる)のものが販売され、原材料費や店舗の光熱費、店員の労働賃金など、さまざまな要因を元に単価が決定されるため、総合的な購買力の比較に使いやすかった。これが基準となった主な理由とされる。

ビッグマック指数 -Wikipedia-

そして、2018年1月に発表されたビッグマック指数によれば、ビッグマック1つを買うためにかかる費用は、イタリアは5.14USドルで世界7位、日本は3.43USドルで世界35位となっています。このデータだけ見ると、イタリアの物価水準は、日本よりも約1.5倍高いと言うことができます。

GDP比較

GDPによる物価水準の比較も、一応ある程度の説得力があります。それによれば、日本の物価水準が、イタリアより約1.06倍ほど高いというデータになっています。

つまり!データによって違いもあることから、イタリアと日本の物価水準には、それほど大きな開きはないようです(2つのデータだけではやや信憑性に欠けるところではありますが...)。

イタリアと日本の物価比較

ここからは具体的に、イタリアと日本の物価を比較してまいります!値段は、円高・円安の両方を想定して、1ユーロ=120円~130円を併記しておきます。

また値段は、一般的な東京とローマの比較、つまり大都市同士の比較とします。安売りやセールなどの要素は省きます。

スーパー

飲料(水・コーラ)

  • 水(500ml):0.7ユーロ(78-91円)
  • コーラ(500ml):1.3ユーロ(156-169円)

水は日本とほぼ同じ、コーラは若干高い印象を受けます。イタリアでは想像以上に甘い飲み物を飲む人を見かけなかったことと、関係しているかもしれません。

酒(ビール・ワイン)

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  • Moretti(モレッティ、330mlボトル):1.4ユーロ(168-182円)
  • Castelli Romani(カステッリ・ロマーニ、750mlボトル):4ユーロ(480-520円)

モレッティは、イタリアで最も有名なビールの1つ。カステッリ・ロマーニは、ローマの属するラツィオ州で生産されるDOCの赤ワイン。どちらも定番のものを選びました。

ビールは日本より若干安い程度です。一方ワインは圧倒的に安いですよね(笑)スーパーでDOCワインを買ったら、1500円くらいかかると思います。これはイタリアならではですね。

ちなみに、イタリアでは非常にビールが流行っていて、日本でもいくつかのブランドが販売されています。詳しくは「ワインだけじゃない!イタリアの美味しいビール3銘柄!」の記事をご覧ください。

果物

  • リンゴ(1㎏):1.8ユーロ(216-234円)
  • バナナ(1㎏):1.2ユーロ(140-156円)

旅行中にふと食べたくなる果物も比較してみました。日本と違いイタリアは、㎏単位での値段が表示されています。日本と比べればかなり安いですよね!リンゴ1玉(300g)で150円前後、バナナ3,4房(500g)で120円前後なのを考えれば、そのレベルが分かるはずです。

外食

食事(トラットリアなど)

  • ピッツァ:6-8ユーロ(720-1040円)
  • パスタ:9-12ユーロ(1080-1560円)
  • ケバブ:4ユーロ(480-520円)

コロッセオ、トレヴィの泉、ナヴォーナ広場など観光地近くの、平均的な飲食店で考えたいと思います。ランチとして食べられる一品料理の代表として、ピッツァ・パスタ・ケバブの3つをチョイスしました。

日本は多くがチェーン店で、牛丼屋・ファミレス・うどん屋などで安く食事ができるのに対し、イタリアだとけっこうお金がかかります。加えてイタリアはテーブルチャージや水代も払う必要があるため、結果的に日本での食事よりかなり費用がかさむケースが多いです。

本当に節約したい場合は、スーパーでパンを買ったり、ケバブを食べたりするのが良いと思います。

軽食(バール・ジェラテリアなど)

  • コーヒー:1.5ユーロ(180-195円)
  • パン:1.5ユーロ(180-195円)
  • ジェラート(アイス):2.5ユーロ(300-325円)

バールにおいてセットで頼まれるコーヒーとパンですが、両方注文しても400円弱。座れないというデメリットはありますが、日本より安いですね。立ち飲みで是非試してみて欲しいです。

またイタリアを代表する甘いもの・ジェラートはけっこう安く、観光の途中に食べるのがオススメ。日本の行楽地でソフトクリームを食べるようなものでしょうか。

移動

短距離(市内)

  • メトロ・バス:一律1.5ユーロ(180-195円)
  • タクシー:平日初乗り3ユーロ(360-420円)

どこまで行っても1.5ユーロと格安です(さらにバスは90分間乗り放題)。日本のように距離が増えるごとに運賃も増えるのと比べれば、市内移動がずっと安くできます。逆にイタリア人が日本に来ると、交通費が高くて大変だと聞きます。

タクシーは初乗りが安く、日本よりも利用しやすいです。疲れた時は、ケチらずにタクシーを活用するのがローマ観光の裏技かも!タクシーの詳しい活用法については、「イタリア移動は完璧!タクシーの乗り方・呼び方・注意点を完全解説」の記事をご覧ください。

都市間(中・長距離)

  • 高速鉄道:40ユーロ(4800-5200円)
  • バス:15ユーロ(1800-1950円)

東京―大阪間と比較するためにローマ―ミラノ間の運賃で計算を行いました。高速鉄道は、早い時期に予約すれば3000円程度で予約できることもあります。一方、日本の新幹線は、いつでも13620円とかなり割高に見えます。

一方バスに関してはそれほど差はありません。

ホテル

ホテル料金の比較は決して簡単ではありません。この記事では、Booking.comを活用し、世界的に有名なホテルチェーン(ヒルトン、4シーズンズなど)をローマ・東京において比べて、同じクオリティのホテルにどの程度の差が出るのかを考えたいと思います。

ヒルトン

  • ローマ:22725円
  • 東京:36707円

シェラトン

  • ローマ:22000円
  • 東京:21000円

メルキュール

  • ローマ:30000円
  • 東京:28000円

4つ星程度のホテルであれば、ほぼ差が出ないことが分かりました。日伊両方にあるホテルチェーンが少なかったため、少し比較できるホテル数が少ないのは残念でしたが。

ちなみに、Expediaが発表した2012年の統計「The Hotel Price Index」によれば、Expedia登録ホテルの平均料金は、ローマが15517円・東京が12282円と、3000円ほどローマが高くなっています。

ランクが高いホテルほど、イタリアと日本では大きな差はありませんが、やはり安いホテル(2・3つ星相当)になると、イタリアの方が高くなっているでしょうか。

さいごに

いかがでしたか?日本とそれほどの大きな物価的な差がないイタリアですが、やはり食事や電車など、細かい要素を調べてみると違いが出てきます。こうした情報が、皆さんのイタリア旅行の参考になればと思います。

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