先日、毎年恒例となっている世界大学ランキングの2016年版が発表され、イタリアの大学の多くがランクインしていましたので、ご紹介したいと思います。
日本のような熾烈な受験を勝ち抜いた先の大学、というよりも、学生時代の成績や勉強したいことで大学が決まることの多いイタリアですが、一体どのような大学が優秀な教育・研究機関としてランキングされているのでしょうか。
評価基準は様々であるため、ホームページで参照してみてください(日本語版・英語版)
1-2位、3-8位、9-11位、11-19位は、同ランクとされているため、英語表記時のアルファベット順で並んでいます。
目次
1位-2位
世界151-200位相当
ローマ・サピエンツァ大学

正面から見たローマ大学
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パドヴァ大学
ローマ大学とパドヴァ大学が1.2位の大学と位置づけられています。昨年のランキングでも世界151-200位とされており、順位はキープしたものの、先進国第一位の大学としては、やや物足りなさが残ります。
3-8位
世界201-300位相当
ミラノ・ポリテック大学
ボローニャ大学
フィレンツェ大学
ミラノ大学
ピサ大学

ピサの斜塔と大聖堂
トリノ大学
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ミラノ、ピサ、トリノ大学が昨年に比べてやや順位を落としました。その他の3つの大学に関してはキープしています。
9-11位
世界301-400位
- ミラノ・ビコッカ大学
- ナポリ・フェデリコ2世大学
- パヴィア大学
こちらもあまり変わりはありません。ミラノ・ビコッカ大学が、昨年の順位からやや上げています。
12-19位
世界401-500位
- ピサ高等師範学校
- フェラーラ大学
- パレルモ大学
- パルマ大学
- ペルージャ大学
- ローマ・トールヴェルガタ大学
- サレルノ大学
- サン・ラファエル大学
サレルノ大学やサン・ラファエル大学は、昨年のランキング圏外から躍進しました。反対に、ジェノヴァ大学やトリエステ大学は500位圏外まで追いやられてしまっています。
大まかなまとめ
やや物足りない
イタリアは例年に続いてランキングは全体的に低め。先進国としてはやや物足りない結果と言えるのではないでしょうか。こればかりは一朝一夕の努力で向上するものではないので、継続的な教育・研究分野への投資が必要になると推測されますが、国家全体を覆う財政難がそれを許していないところは大いにあります。
ローマ大学の凋落
特にローマ・サピエンツァ大学の凋落が著しいようです。イタリア国内を見れば、ずっと1位を維持し続けていますが、世界全体から見れば150位。また、こちらのグラフを見ていただけると分かるように、ここ10数年で少しずつランキングを落としているようです。
他のイタリア国内上位大学は横ばい推移であることを考えれば、ローマ大学だけのランクダウンは単純に不思議なこととして理解できるはずです。
イタリアを代表する「サピエンツァ」として知られるローマ大学ですが、ここ数年ではとても代表するような成果を挙げられていないと言えるのではないでしょうか。サピエンツァに留学中の私としては、何とか盛り返して欲しいと思うのですが...。
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