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【2019.03版】イタリアの滞在許可証"ペルメッソ・ソッジョルノ"の返却方法を解説

投稿日:2019-03-25 更新日:

当サイトでは、「イタリアの滞在許可証ペルメッソ・ソッジョルノ申請徹底解説」という記事の中で、滞在許可証の取得については丁寧に説明しておりました。しかし、留学を終えて帰国する際に、この滞在許可証をどうしたらいいのかについて、多くの方が困っているようです。

そこでこの記事では、「留学終了の帰国時に滞在許可証は返却するのか・しないのか」「正しく返却できなかった場合、どうしたらよいのか」という2つの点について、具体例や体験談などをもとに考察してみたいと思います。

滞在許可証の原則と現状

原則1:本来は返却

失効する(した)滞在許可証は、原則、返却しなければなりません。なぜならば、滞在許可証の更新をしないまま期限が失効した場合、例えあなたが日本に帰国していても、不法滞在者と見なされる可能性があるからです。

ちなみに、滞在許可証の期限以上にイタリアに滞在する方は、クエストゥーラなどで手続きを行う必要があります。そのため、延長申請がない、さらに許可証がクエストゥーラに返却されていない、となれば、その人が滞在期間を過ぎたままイタリアにいる、と捉えられてしまうかもしれません。

ここで、イタリアに滞在されていた方のブログを、2つほど引用させていただきたいと思います。

彼女の友人が滞在許可証を返さずに日本に帰国、帰国から2年後イタリアを旅行で訪れた際、泊まっていたホテルに警察がやってきて、不法滞在の咎で逮捕、強制送還されたそうです。

1度強制送還されると当然ブラックリストに載るし、数年間(3年とも10年とも聞くけどそこらへんは曖昧)イタリアだけでなく、シェンゲン協定を結んでいる国には入国できないとか。

イタリアの泉 - gooブログより

ロビーにおりてみると、そこには、警察官が2人。「いつ来たんだ?」と質問され、よくよく話を聞いてみると、問題は2年前に取得した滞在許可証。そう、私はそれを返却しなかったために帰国したことにはなっておらず、期限が切れてからの2年間、不法滞在していたことになっていたのです。しかも、今回は10日間で帰国する予定だったため滞在許可の申請をおこたっていたことが発覚し、そのまま警察署に連れて行かれてしまったのです。

イタリア留・遊学記 より

こんな方の事例を見ると、なんだかとても怖くなってしまいますね。

原則2:出国時に返却

では、本来滞在許可証を返却するタイミングはいつでしょうか。それは、イタリア出国時です。具体的には、出国時に空港警察に返却する必要があります。ちなみに、空港警察の事務所を探してそこに返却するよりは、出国審査時に返却する方が、複雑にならないで済むと思います。

別のしっかりしていそうな人に聞いたら、そうそう空港警察に返却しなければならないのだよ、といい、連れて行ってくれた。そこで偉そうな人が出てきて私の許可証を受け取り部下に何か命令。部下はコピーを持ってきて、その上司と思われる人がサインし、私に渡してくれた。で、曰く、パリで警察にいろいろ聞かれたらこのコピーを見せれば大丈夫だよ、とのこと。

ボローニャにて 11 より

この方は、滞在許可証を返却した後、空港警察からその旨が記載されたコピーを渡されたようです。これであれば、トランジットやストップオーバーの際にも安心ですね。

現状1:厳格な取締りはない?

ただし、実際にはこうした取り締まりは特に厳格に行われているとは思えません。

というのも、2018年時点では、イタリア全国で不法滞在者が約50万人いるとされています(参照記事)。そのため、いちいち滞在許可証が失効した人を、丁寧に調べあげることは実質的に不可能だと推測されます。

現状2:返却していない人がいる

しかし、滞在許可証を返却せずに帰国してしまう人が一定の割合で存在しています。実は、私もローマから帰国する際に、特に何も考えずに出国してしまった人の1人です。私の周囲でもほとんどの人が、日本に滞在許可証を持ち帰っていました。

なぜ返却していないのか

次に、私のような人が、どうして日本に滞在許可証を持ち帰ってしまったのかという理由について、いくつか説明したいと思います。

「お土産にして」と言われたから

私の友人でよくあったパターンです。出国審査時に、滞在許可証を返却したいことを伝えても、「持ち帰っていいよ」「お土産にしてよ」と言われてしまうのです。

「それ、どうゆうこと?」「そんなことあり得るの?」と思われるかもしれませんが、出国審査時のスタッフが、滞在許可証について十分に理解していない場合、もしくは現状では失効しても帰国するなら問題ないと考えている場合に、こうしたことが起きるのかもしれません。

出国後にシェンゲン圏に滞在するから

私がまさにこのケースでした。私は、ローマを発った後、ドイツのフランクフルトに3日ほど滞在してから帰国する予定でした。そのため、もし滞在許可証をローマで返却した場合、ドイツでの身分証明に困ってしまうという不安があったのです。

それは常日頃から、イタリア滞在の大原則である「滞在許可証は常にパスポートと一緒に携帯しなければならない」という、強迫観念にも似たものに囚われていたからかもしれません。

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結局、フランクフルト空港の出国審査時に、イタリアの滞在許可証のことについて説明したのですが、受け取ってもらえませんでした。本来は、先ほど取り上げた方のように、イタリアの空港警察に色々と話をすべきだったのかもしれません。

空港を利用していないから

例えば帰国の際に、「ミラノー(陸路)ーパリー(空路)ー東京」などのルートを利用した場合です。こうしたケースは珍しいかもしれませんが、ユーロ圏内の場合は、バスや電車を活用した陸路移動もかなりスムーズなので、起こる可能性もあります。

その場合、パリの空港でイタリアの滞在許可証を返却することは難しいので、日本に持ち帰るしかありません。

日本に滞在許可証を持ち帰ってしまったら

大使館に聞いてみた

大使館のビザセクション

次回のイタリア滞在で色々と不都合を被るのは嫌なものです。どうしたらいいか分からなかった私は、思い切って、在日イタリア大使館に電話をしてみました。もうほんとに、びっくりするほど電話がつながらなくて、非常にもやもやしましたが、電凸3日目にして、やっと担当者に繋いでもらうことができました。以下、担当者の説明を簡単にまとめたものです。

  • 滞在許可証は、大使館を含む外務省の管轄ではなく警察の管轄である
  • イタリアに当分行く予定がない場合は、大使館から返却することもできる
  • その場合は、郵送でイタリア大使館のビザ課に滞在許可証を送付してほしい
  • もし近年中にイタリアに行くなら、イタリア入国の際に直接返却するのが望ましい
  • なるべくイタリア入国の際に返却するのが望ましい(強調)

つまり「次回イタリアに行くときにちゃんと返してね」ということでした。外務省は警察とは違うので、なるべくその辺の仕事はしたくないのかもしれません。その雰囲気が、電話口から何となく伝わりました。

直接返却はオススメしない

以前で、イタリア大使館・領事館を直接訪問して、返却をすることもできたようです。しかし2019年時点で、イタリア大使館・領事館の訪問は、完全予約制となってしまっており、これまでのように、ビザ申請の人と同じ列に並べば、オーケーというわけではない可能性が十分に考えられます。

せっかく行ったのに「予約していないからダメ」と帰されてしまっては、意味がないので、事前に必ず電話で確認すべきだと思います。

私はどうしたのか?

ヴェネツィアのサン・マルコ広場

私は、イタリアから帰国した1年後に、今度は旅行目的でイタリアに行きました。ヴェネツィア・マルコ・ポーロ空港の到着ゲート出口に、2人の出国審査官のような人が座っているカウンターがあります。

通常の人は、無視して素通りできるような場所です。私は滞在許可証を返したかったので、彼らにその旨を伝えました。すると彼らは、一瞬「この場合どうするんだっけ?」的な感じで顔を見合わせた後、私のパスポートと滞在許可証のコピーをとって、「しっかり預かったから大丈夫だよ」とパスポートを返してくれました。

根掘り葉掘り聞かれることを想定して、色々と言い訳を言う準備をしていましたが、案外あっさり済んで、拍子抜けしました。

さいごに

こうして、1年以上に渡って私を悩ませてきた滞在許可証の返却というタスクが、あっさりと終わりました。滞在許可証について、色々と心配されている方にとって、この記事が少しでも参考になれば、嬉しく思います。

皆さんの体験をお聞かせください

この記事は、滞在許可証の返却という、申請時と比較すると、編集部メンバーの体験や、更新日がかなり古いブログの引用など、やや不確定要素の多い事実を基に執筆されていることを認めなければなりません。そのため、制度の変更や、空港や職員ごとの差異には、どうしても対応しきれない可能性があります。

そこで、読者の皆さんが滞在許可証を返却した際の、「こうしたらスムーズだった!」「○○が大変だった!」などの経験を、是非私たちに教えていただければと思っております。そうした皆さんがお持ちの最新情報を反映しつつ、より質の高い記事にしていきたいと思っております。

情報提供は、各SNS(Twitter/Facebook)のダイレクトメッセージ機能、もしくはメールinfo★buono-italia.com(★を@に変えてください)にてお待ちしております。よろしくお願いいたします!

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  • この記事を書いた人

ゆうさん

『BUONO!ITALIA』代表をしています。 1年間ローマ大学に留学し、シチリア出身マンマが統べる大家族にてホームステイ。卒論では、『1980年代以降のイタリア中小企業論』について考えました。社会人1年目。サイトSNSはこちら↓より。

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