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あのジローラモが登壇!『家族にサルーテ!』の魅力と試写会イベントの様子を大公開

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6月21日(金)に公開される映画『家族にサルーテ!イスキア島は大騒動』に先立ち、試写会イベントが開催され、あのちょい悪オヤジのパンツェッタ・ジローラモさんが登壇したトークショーが行われました。

この記事では、トークショーの様子を紹介しつつ、この映画の概要や魅力をお伝えしたいと思います。

映画について

あらすじ

乾杯のグラスに注がれたのは、美しき家族19人の甘い嘘と苦い真実。

家族って、最高の味方で、最高の敵。

世界屈指の美しさを誇るイスキア島に暮らすピエトロ&アルバ夫妻の結婚50周年を祝うために、親戚一同19名が集まった。教会で金婚式を挙げ、自宅の屋敷でパーティも開催される。久しぶりに再会したファミリーの楽しい宴もお開きとなる頃、天候不良でフェリーが欠航に!思いがけず、二晩を同じ屋根の下で過ごさなければならなくなった、それぞれの家族たち。今まで抑えていた本音が見え隠れし始め、次々と秘密が暴露されてゆく――果たして、この嵐の結末は?

浮気、借金、嫉妬・・・ワケありの大人たち。家族だからこそのストレートな感情をぶつけ合う姿に「私の親戚にもいる!」と、誰もが笑って泣いて共感せずにはいられない人間賛歌!

INTRODUCTION & STORY より

監督・キャスト

この映画の監督を務めたのは、ガブリエーレ・ムッチーノ(Gabriele Muccino)監督。ウィル・スミス主演の映画『幸せのちから(2006)』『7つの贈り物(2008)』などハリウッド映画でもメガホンをとった経験をもつイタリア人です。

ピエルフランチェスコ・ファビアーノ(右)とヴァレリア・ソラリーノ©2018 Lotus Production e 3 Marys Entertainment

ちなみに、俳優陣もとっても豪華。『修道士は沈黙する』『暗黒街』などのピエルフランチェスコ・ファビアーノ、『はじまりは5つ星ホテルから』のステーファノ・アッコルシ、『いつだってやめられる』シリーズのヴァレリア・ソラリーノ、

サンドラ・ミーロ(左手前)©2018 Lotus Production e 3 Marys Entertainment

さらにはイタリア映画史の中でも重要な作品と位置付けられる『8 1/2』のサンドラ・ミーロなどが、それぞれ個性溢れる(溢れすぎるほどの)登場人物を演じています。

感想

この映画は、イタリアらしい家族間の強い絆や愛情を描いただけのコメディではなく、そうした「典型的なイタリア像」から垣間見える、家族が抱える様々な問題や真実までにも迫ったものです。

©2018 Lotus Production e 3 Marys Entertainment

この映画の原題は『A Casa Tutti Bene』、「家ではみんないい感じ」という意味。一見すると、イタリアらしい幸せで素敵な大家族。ですがその裏側には、真っ黒な偽善や憎悪など清濁併せた感情が渦巻いています。皆が幸せの仮面をかぶっていた楽しいひと時は、「フェリーの欠航によってイスキア島から出られなくなった」という偶然によって少しずつ剝がれだすのです。

これはまさに、監督のムッチーノ氏もこの映画における重要なポイントとして挙げている点でもあります。

――この映画の重要なポイントは何ですか?

様々な年代における人間の精神や絆の複雑さです。それは一種の岩石標本採取みたいなもので、私たちの人生のあらゆる局面を引き出して見せています。善人のように振舞えるのは、社会の規範やマナーによって行動を制御しているにすぎないということへの反省です。

もしこの行動の制御が長時間に渡り、“予定外の状況”ともなれば、秩序は崩れ、いとも簡単に喧嘩や争いを生じさせ、激昂やあらゆる局面での感情に基づく素の行為が露出します。そしてそれは予期せぬ恋にまで至るのです。この映画は家族を通じて人間同士、つまり社会全体という大きな関係性のエネルギーを物語っています。

[・・・中略・・・]

彼らは自分のことだけを考えて前を見つめ、やり直したい気持ちを抱え、過ぎ去った時間や修復不能の過ちを取り戻そうと、今なお可能性を信じ未来へと向かうのです。

INTERVIEWS ガブリエレ・ムッチーノ監督インタビュー より

国内では動員150万人を超えるヒットを記録し、イタリア版アカデミー賞であるダヴィド・ディ・ドナテッロ賞の各部門に複数ノミネートされるなど、本国イタリアでもとても注目を集めた、そして多くの観衆の賛同を集めた映画だったと言えるのではないでしょうか。

©2018 Lotus Production e 3 Marys Entertainment

私は、ローマ留学中、シチリア生まれのマンマのもとにホームステイをし、まさにこの映画に登場するような大家族と一緒に暮らしてきました。週末になれば親戚15人でランチをする、なんてことも普通。そうした時間はいわゆる「家族の絆」をそれぞれが感じる時間であり、私にとってもかけがえのない時間になりました。

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しかし、そうした大家族の中には、やはり多くの問題が隠れていたのは事実です。特にお金が絡んだ問題は、本当に複雑で、親戚同士での約束事の不履行や、借りたお金をいつまで経っても返さない息子、各家庭の所得の差による嫉妬など、色々な感情が渦巻く様子を時々見たことがありました。

私はこの映画を観て、こうした自分のイタリアでの経験を思い出し、家族の大変さを痛感するとともに、それでもやはり切っても切れない家族同士の深い絆や愛情を見つけなおしました。

この記事を読んでくださっている皆さんが、この映画を観た後に、どのような感情を抱くかは分かりませんが、単なる「イタリア」という文脈から離れ、「家族」という存在に思いをはせるいい機会になるのではないでしょうか。

また公式ホームページには、ヤマザキマリさんや石丸謙二郎さん、渡辺えりさんなどのコメントが掲載されていますので、そちらも是非ご覧ください。

ジローラモのトークショー!

この映画の日本での公開に先立ち、6月11日には試写会イベント(@東京・渋谷)が開かれ、イタリア人ちょい悪オヤジとして有名なあのパンツェッタ・ジローラモさんが登壇しました。

トークショーでは、イスキア島の観光情報・豆知識、ジローラモ氏の好きなシーンや、彼らしいイタリア像への考え方などにも話が及び、映画を鑑賞する前に聞けば、もっとこの映画を楽しめるのではないかと思うことが多かったです!内容を抜粋します。

イスキア島

映画の舞台となったイタリアのナポリから近いイスキア島は素敵な避暑地ですよね、幼い頃にヴァカンスに行かれていたとのことですが思い出はありますか?

8月に行くと原宿みたいに、すごく混雑していて、車も制限されたりしていますね。イスキア島は実は温泉が有名なんですよ。ドイツの首相のメルケルさんも夏は来るらしいです。昔はお金持ちが滞在していましたけど、今は庶民的なイメージですね。

古代ローマからある温泉が海沿いにあって、日本の温泉と違って、水着で入るんですが、最初は冷たいですよ。そして、どんどん温度があがっていく。イタリアの温泉はそもそもぬるいんですね。日本だと、温泉は遊びに行くイメージですけど、イタリアでは治療をしに行くイメージ。

ホテルがあってデトックスしながら滞在する場合が多いですね。島には山も海もあるのでお魚も美味しいですが、名物はウサギの丸焼きですね。そしてイスキアワインは地元の人が飲むものでなかなか手に入らないので、昔は農家でワインを買って飲んでいました。白を冷たく冷やした飲むのが美味しい!

ジローラモ

イタリア人と家族

©2018 Lotus Production e 3 Marys Entertainment

本作では家族とはいえ、ここまで辛辣に言うのかと、ちょっと日本人が見ると驚くようなセリフもありますが、イタリア人にとって家族とはどのような存在ですか?
イタリアはキリスト教なので、家族を守ることが大事です。でも映画は、とても現代らしさも出ていると思いました。昔の人はほとんど離婚しなかったんです。女性は家族を守らなければいけないから我慢するんですね。私の父はもう亡くなったのですが、母は今になって「あなたのお父さんは悪いひとだったのよ。」というんです。

父は家では家族の面倒をしっかり見るひとだったから、我慢していたんですね。でも、最近は若い人たちは我慢できないので離婚します。もしくは結婚しないカップルが増えていますね。イタリアの失業率は30パーセントなので、子供はだいたい一人っ子。

ジローラモ

映画の本編について

映画には様々なタイプの夫婦が出てきますが、夫婦円満のコツはありますか?

私は今57歳で、妻と結婚して30年ですが、年をとれば取るほど丸くなりますね。妻に対して、ありがたいの気持ちがあるから、今までの愛を超えています。愛を楽しんでいますね。
ジローラモ
映画で印象に残ったシーンはどこですか?
最後のシーンです。(家族や親戚が帰り、がらんとした家で夫婦で静かに食事をするシーン)。夫婦で「やっと帰った!」と一息つくところです。イタリアでは「お客様は魚と一緒。二日置くとだんだん臭くなる。」という諺があるんです。映画でもまさしくそうでしたね。
ジローラモ
映画の見どころは?
イタリアに行かなくても、イタリアらしい家族を経験できるのは面白いと思いますね。そして、美しいイスキア島にバカンスで行ってみたくなるところ。是非いって、ウサギを食べてみてください!
ジローラモ

さいごに

いかがでしたか?『家族にサルーテ!イスキア島は大騒動』は6月21日(金)から、Bunkamura 渋谷をはじめとする全国の映画館でロードショーされます!この記事を観て、少しでも興味が出たら、是非映画館に足を運んでみてくださいね。

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  • この記事を書いた人

ゆうさん

『BUONO!ITALIA』代表をしています。 1年間ローマ大学に留学し、シチリア出身マンマが統べる大家族にてホームステイ。卒論では、『1980年代以降のイタリア中小企業論』について考えました。社会人1年目。サイトSNSはこちら↓より。

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