このサイトでは幾度となく取り上げて紹介をしている、BS日テレ放送の番組「小さな村の物語 イタリア」。
ゆったりとした時間が流れるイタリアの小さな村と、そこに住む人びとの半生や営みを丁寧にひも解いた、時にはほっこりして、時には涙してしまう、温かみのある番組です。この番組に彩りを与える大きな要素の一つは、間違いなく音楽でしょう。
続きを見るBS日テレ 小さな村の物語 イタリアを知らないあなたへ【ミュージックつき】
あらゆる時代のイタリアン・ポップスがBGMとして使われており、とてもセンスが良い。そして私たちをどこか懐かしい気持ちにさせてくれます。ただ番組を観ながら「いい曲だな」と思っても、それを見つけるのはけっこう大変かもしれません。
そんな私たちの苦労?に応えてか、つい先日、ソニー・ミュージックダイレクトさんより『小さな村の物語 イタリア 音楽選集 ~イタリアン・ポップスとカンツォーネ100曲~』が発売されました!
実は今回、ソニーミュージック・ダイレクトさんにご協力いただき、こちらのアルバムを入手することに成功しました!
全100曲を収録した5枚組のアルバム
ソニーさんから届いたアルバムは、普通のアルバムよりとても大きく、まるで単行本のような重厚感があります。アルバムは見開きになっていて、中を開けると全部で5枚!重厚感の理由がよく分かります。
CDはそれぞれ緑・白・赤のイタリア国旗カラー。CDを取り外すと、番組で登場した、印象的な小さな村らしい写真がはめ込まれています。猫が村の広場でごろごろしていたり、ベンチにはおじいさん達が座って何やら話し込んでいたり...。番組を観たことがある皆さんなら、きっとほっこりしてしまうでしょう。
CDにはそれぞれ20曲が収録されています。番組のテーマ曲、Ornella Vanoniの『Appuntamento(逢い引き)』はもちろん収録されていますが、それ以外にも、各時代を彩った歌手たちの様々な楽曲に触れることができます。全100曲のリストはこちらから。
日本にいると、日常的にイタリアの音楽を聴くことさえなかなか難しい中で、これだけたくさんの人気曲やノスタルジアを感じる曲に出会えるこのアルバムは、本当に素晴らしいと思います。
全楽曲の解説書と番組の誕生秘話
全楽曲のぎっしりとした解説書
イタリアの楽曲に触れる、と言っても、どうしてもイタリア語が分からないと、歌詞の意味まで理解して歌を聴くのは難しいこと。普通のアルバムだと「耳障りのいい曲だな」「この曲好きだな」くらいで終わってしまうかもしれません。
しかしこのアルバムは、全100曲の日本語での丁寧な解説が載せられているから、イタリア語を勉強しているかどうかに関わらずオススメ。歌手の出自からヒット曲まで、イタリアのポップスについて満遍なく知識を深めることができます。解説・歌詞の日本語訳などを読み解くと、このアルバムが完成するまでにどれほどの苦労が重ねられたのかが伝わってきます。
イタリアの音楽と言えば、カンツォーネやナポレターナという言葉であらわされますが、カンツォーネはイタリア語で“歌”という意味ですから、イタリアで歌われている歌はすべてカン ツォーネと呼んでも決して間違いではありません。とは言え、地域や時代背景などから、その 呼び名も様々に変わります。特に古代イタリア文化の中心地であったナポリの言語で歌われる ナポレターナは、「オ・ソレ・ミオ」や「帰れソレントへ」、“鬼のパンツは破けない~”の替え歌 で知られる「フニクリ・フニクラ」など意外と日本に浸透している曲も多く、親しみがあるという 方も多いでしょう。
[・・・中略・・・]
本ボックス・セットは、カンツォーネの名曲からイタリアン・ポップスのヒット曲に至るまで、 幅広くイタリア音楽を味わっていただける作品となっています。異文化への想いにふける時間の BGM として、ぜひお楽しみ下さい。
ー冊子から一部抜粋ー
プロデューサーら関係者が語る「小さな村の物語 イタリア」
この冊子には、「「小さな村の物語 イタリア」をもっと楽しんでいただくために」と銘打った、各スタッフへのインタビューが掲載されていて、番組の誕生秘話や収録の舞台裏に迫ることができます。
毎週のようにこの番組を観ていた私にとって、こうした物語が読めることは本当に意義深いことですし、ワクワクさえもしました。制作会社のテレコムスタッフのプロデューサーやディレクター、音響さん、ナレーターの三上博史氏など、あらゆる製作者たちにとって、この番組がいかに大切なものかがよく分かりました。以下の抜粋文はプロデューサー、田口和博氏のコメントのほんの一部です。
ーー番組を始められる時、舞台にイタリアを選ばれたのはなぜでしょうか?
田口:私自身がイタリアという国の文化や美 術や音楽が好きだったということもあります が、例えば別の番組の取材で都会から都会へ 移動する際に通る道沿いの山の中腹にポツンと集落があり、ひとの暮らしがあるんだと実感したり、アンドレア・ボチェッリの歌によ く出て来るパエーゼ(故郷とか風土)という 言葉に惹かれて、大地の歴史にとても興味が 湧いたんです。
特に強く感じられたことは、 イタリアの人々は自分の住む土地にとても誇 りを持って生きているということです。例え ばその土地を代表するものに郷土料理があり、そこには必ずその料理を作る“マンマ" が登場しますが、ただのレシピ紹介ではなく、 その地方の伝統や知恵が料理に現れていると 思ったんです。さらに言えば、テレビが一番苦手としていた“名も無き人々”を扱うことに挑戦したかったということも重要でした。名も無き人なんていないんだ、ということで主張してみたかったんです。
ー冊子より一部抜粋ー
恐らくこうした様々なコメントは、この冊子でしか絶対に読むことができないでしょう。
さいごに
いかがでしたでしょうか。この記事で紹介できたのは、このアルバムの楽曲や冊子の中でもほんの一部。『小さな村の物語 イタリア』のファンの皆さん、是非興味がありましたら、このアルバムを手に取ってみてくださいね!