次の五輪は2020東京!
日本時間の今月19日、リオデジャネイロのパラリンピックの閉会式が行われ、2016リオ五輪の幕が降ろされました。8月に行われたオリンピックの閉会式では安倍首相が任天堂の看板キャラクターであるマリオに扮し、日本のみならず海外でも大きな話題を呼んでいましたね。
次回は2020年、開催地は東京ということで(数々の問題を抱えつつある状態ではありますが)オリンピックへの準備が進められています。
観客の安全確保、テロ警戒、スタジアム整備等、解決すべき課題は山ほどあるということですし、筆者を含む当ウェブサイト運営者一同、やはり通訳関係の問題には敏感にアンテナを向けつつあります。
少なくとも筆者は、何事もなく安全なオリンピックが開催されることを願うばかりです…。
2024年オリンピック開催地はどこに?
2020東京五輪が始まってもいない今現在ですが、2024年の開催地はどこになるのでしょうか。開催地は2017年にペルーのリマにて行われるIOC(国際オリンピック委員会)の会議にて決定するそうです。
現在その候補地として立候補しているのはフランス(パリ)、ハンガリー(ブタペスト)、アメリカ(ロサンゼルス)とのこと。実はイタリア(ローマ)も2014年より候補地としてその手を挙げていたのですが…
本日はそれに関する新聞記事をご紹介いたします。
(以下、新聞『レプッブリカ』紙の日本語訳となります。誤訳もある可能性がありますのであくまで参考程度に。どうかご容赦ください。)
ローマ市、オリンピック立候補を取り下げ
2024ローマオリンピック ラッジ氏「開催は断念、無責任なものになる」
「候補地として立候補することに賛成するのはいかにも無責任だ」
ローマ市長ヴィルジニア・ラッジ氏は2024年開催のオリンピックに対する立候補をはっきりと取り下げた。
「我々の意見は決して変わらなかった。むしろその立場を明確にした。さらに借金を負うことを、我々は良しとしない」
ラッジ氏の記者会見は喜劇役者で活動家のベッペ・グリッロ氏のブログ上でストリーミングされ、市長がイタリアオリンピック委員会会長のジョヴァンニ・マラーゴ氏と会談する予定であった日に行われた。
カンピドーリオのローマ市役所での会談の1時間前、同じくマラーゴ氏はイタリアパラリンピック委員会会長で2024年ローマオリンピックの副会長でもあるルーカ・パンカッリ氏とともに、チンクエステッレ党の市長に対してテレビ会談を申し込んでいたが、ラッジ氏はそれを拒否した。
ローマ2024、ラッジ氏「迷惑なオリンピックには賛成できない」
会見中止の際、ラッジ氏は飲食店にいた。パンカッリ氏とオリンピック推進委員会のコーディネーターであるディアナ・ビアンケーディ氏による代表団は、会見予定時刻の14時30分に市役所に到着したが、35分後には上院議会を後にした。
「ラッジ氏はいない。彼女は現れなかった。35分も待っているのは無駄であり、我々はここを離れる。時間通りにするために我々は予定を変えた。そして30分以上も我々は待ったが、もう無理だ」
とマラーゴ氏は明らかにうんざりとした様子で語った。
それに対しラッジ氏は「我々はマラーゴ氏と会合を行ってきた。急に予定を変えられたり、何分か遅れることもあった。私が市役所に到着したまさにその間に、会長が去ることを決めてしまったのは遺憾だ」と例の記者会見中に反駁した。
しかしマラーゴ氏が待機していた際、市長はモビリタの評議員であるリンダ・メレオ氏と共に、ミッレ通りの飲食店”Dino”にて昼食中であった。
「我々は未だに1960年ローマオリンピックに対して借金を返済している。オリンピックやスポーツに反対ではないが、町に新たなセメントを注ぎ込むための口実としてスポーツが使われることは望まない。迷惑なオリンピックには反対だ。
オリンピックの際には多くの契約がなされる。世界水泳がどのように進行したか我々はよく覚えているし、骸骨や殻の如く放置され使えなくなった施設があった。
”オリンピックは開催地がサインする白地小切手である”と、オックスフォード大学のとある論文にはある。オリンピックは悪夢に変わる夢だ。
リオオリンピックのデータは持っていないが、リオの住民の姿は我々の眼にも映っている」とラッジ氏は語った。
「住民投票?それは既に行った」
ラッジ氏は続いて立候補に関する住民投票案を否定した。
彼女は近頃行われた行政の選挙において「オリンピックに関する住民投票に関し、ローマ市民たちは既に投票を行い、彼ら自身の投票で80万票が投じられた。民主党がオリンピックに関する投票を住民投票に変更するところであった一方で、我々はオリンピックに対する意見を変えることはなかった」と述べている。
国庫財政への打撃
副市長のダニエーレ・フロンジャ氏は開催反対の表明後に起こりうる損害賠償請求についての質問に対し
「我々の反対が国庫財政への打撃をもたらすかどうか?確かにそれは存在したが、過去の大規模なイベントの不完全な作業全てに対するものだ」と述べている。
フロンジャ氏はさらに「国家財政への打撃は世界水泳、ヨット世界選手権、そしてローマにて行われた過去の全ての大きなイベントによって生じた。」と付け加えた。
ラッジ氏とマラーゴ氏の中止された会見の間に、ローマ市スポーツ委員会会長のアンジェロ・ディアリオ氏も
「オリンピック候補地立候補の取り下げは組織的な検討作業の欠如による判断ではなく、その上イタリアオリンピック委員会の文書によれば、たとえオリンピックを開催しないとしても、地方自治体からローマのために40億(ユーロ?)は必要である」
とコメントを残している。
終わりに
開催したくても大きく立ちはだかる経済的な壁はそう簡単に崩せるものではないようですね。
世界のアスリートたちが遺跡に囲まれながら、日々の鍛錬の成果を披露するところを見られないのは残念ですが、次の機会に期待しましょう!