イタリア政府、憲法改正へ踏み切る
”イタリア政府は26日、議会制度を事実上の一院制に変える憲法改正の是非を問う国民投票を12月4日に行うことを決めた。改正案は2年の審議の末、野党の反対を押し切って今年4月に議会を通過。レンツィ首相はかつて「国民投票で否決されれば辞任する」と発言しており、結果次第で政権の命運が左右される可能性がある。”
2016年9月27日10時27分 朝日新聞デジタル「イタリア、12月に国民投票 憲法改正の是非を問う」より
イタリア共和国憲法においては上院下院はそれぞれ任期も等しく、その権限も同等であることから、議決の難しさや不安定な短命政権などが問題になっていました。
レンツィ首相は「今回の国民投票で否決されれば辞任する」とも発言しており、レンツィ政権の存続をかけた大きな転換点になるかもしれません。
以下イタリアの新聞『レプッブリカ』紙の日本語訳になります。誤訳等の可能性もありますので悪しからず。あくまで参考程度に。
国民投票、政府が決定「12月4日には賛成を」
内閣は下院における発議においての投票と民主党内の内部分裂の後、憲法に関する国民投票の日程を決定した。レンツィ首相によって提案され、政府が彼にゆだねて決められた日付は12月4日(日)である。
下院民主党エットレ・ロザート党首はTwitter上で「12月4日には賛成と投票を。憲法改正のため、国を変えるため。」と記しました。
「首相は(投票日を)12月4日に決定した。もしクリスマスに国民投票を行えたなら。しかし、2ヶ月あまりの宣伝で結果は変わらない。どちらにせよ反対派が勝利する」
形勢を変え、対立する賛成派から勢力を回収すべく12月の日程に異議を申し立てていた下院イタリア左派のアルトゥーロ・スコット党首はこのように述べている。
反対派の動向
5つ星運動党
『五つ星運動党』(以下M5S, Movimento 5 Stelle)はこれを激しく非難している。
「適切ではない日程で、レンツィ首相は反対派に意見を求めなかった。三枚のトランプの手品師だ。反対派との協議も一切なく首相が憲法改正の国民投票の日程を決定してしまったことは遺憾である。
不適切な時間稼ぎをしながら、長期間に渡って国民がこのように扱いの難しく重要なテーマについて自らの考えを表明する機会を奪ってしまったことも同じく耐えがたく恥ずべき行為だ。
その上、首相はできることなら、結局パネットーネ(ミラノのクリスマス用フルーツケーキ)を食べさせようと考え、反対派の大多数のイタリア国民の投票への意欲を削ごうとして、クリスマスかあるいは元日に、我々に投票させようとしただろう」
と、下院憲法委員会の下院M5S党員は断言している。
SNSなどでも反対運動は活発化
またFacebook上において、ディ・バッティスタは以下のように述べている。
「ゴリアテを打ちのめすため、より多くの国民にレンツィ・ボスキ・ヴェルディネ・ナポリターノの改革における考えられる危険性を説明するため、
そして社会構造の中心に位置したために南欧各国の憲法に優先するように要求されているJPモルガン等の銀行の公文書をすべての人々に公開するために、我々には70日しか残されていない」
それでも引かないレンツィ首相
しかしレンツィ首相は自身の姿勢を曲げず、さらに出身地のフィレンツェに関しては、賛成の声を引き出すために9月29日を選んでいる。また自身の官報には「勝負は今この時であり、後戻りはできない。他には機会などない。私はそれを無駄にするつもりはないと確信している」とも記している。
そして、賛成への一つの広告となるかもしれない投票カードにある表記内容について反論する者に対して応答しながらこのように付け加えた。
「国民投票の質問は法律で定められたもので、マーケティングではない。しかしそれをより単純な考えに落とし込むことはできるかもしれない。
より安定し、より簡潔な国家を目指し、アレマ‐ベルルスコーニの二院制に立ち返り、ミラノの有限責任社会がこの国における最も大きな党のうちの一つの内地の民主主義を管理する、直接民主制の奇妙な制度に従うことを目指す。
人々は払うべき多額の債務を伴った私的な契約書を持った行政役人たちと関係を持つだろうか?勝負は全てここにある。今こそその時だ。
変化を望むなら、我々に手を貸してほしい」