ワイン関税の撤廃
日本が2013年から推し進めてきたEUとの経済連携協定(EPA)の閣僚会議が2017年7月に行われました。
ブリュッセルで行われたこの会議では、9割強の品目での関税撤廃の大枠合意に達しました。
これにより、EUから日本へと輸出されるワインにかかっていた関税が即時撤廃される予定です。
現在のワインへの関税は?
EPA発効前の現在、ワインにかかる関税はどうなっているのでしょうか。
EUからの輸入ワインには、輸入価格の15%か1リットルあたり125円のうち、安いほうが関税として価格に上乗せされています。
特に1,000円以下の「デイリーワイン」については、小売価格に占める関税の割合が高く、その影響が大きく表れます。
この関税が撤廃されることで、より気軽にワインを楽しめるかもしれません。
輸入ワインのシェアは?
ここで気になるのは、日本に輸入されるワインの生産国とそれらのシェアについて。
私たちが飲んでいる輸入ワインは、どこで生産されているのでしょうか。
以下は財務省統計を基につくられた、数量・金額ベースのグラフです。
数量ベースでチリが1位となっているのには理由があります。
日本とチリの間では2007年に既にEPAが発効し、徐々にワイン関税率が低下しており、2019年にはゼロになるとされています。
しかしEUとの間でもワイン関税が撤廃されれば、同じようにイタリアやフランスからの輸入量も増えてくるかもしれません。
ワイン以外の関税も…
実は、関税が軽減されるのはワインのみではありません。
イタリアが誇るパスタ、それにワインのお供チーズについても関税が軽減される予定なんです!
現在1キロあたり30円かかっているパスタへの関税は、段階的に12円以下に引き下げられます。
そして原則29.8%の関税がかけられているチーズについては、カマンベールなどのソフトチーズを中心に、低関税枠3~6万トンが新設されます。
EPA発効はいつ頃?
紹介してきたように、品目と撤廃・軽減される関税については確定しつつあります。
しかし、関税以外の分野に残された課題があるため、EPAの発効には1年以上かかるとの見込みも示されています。
イタリアの食材が、次々と手軽に手にできるようになるのが待ち遠しいところですね!