スーパーに100人以上が詰めかける
新たに開店したスーパーが、新たな店員を募集したところ、そこに集まった募集者が何と100人以上。彼らが店の前で長蛇の列を作ったことが話題になりました。コモや、コモ湖周辺の地域に関する情報サイトであるQuiComoが報じています。
新スーパーの開店
QuiComoによれば、コモにできる新たな大型スーパーチェーン「'Iperal(イーペラル)」の開店に際して、新たに10人の店員を募集することになりました。そしてそこに詰めかけたのが、何と100人以上の応募者。老若男女問わずあらゆる年代の人々が履歴書を手に列を作り、その数はなんと100人を超えたのです。
その姿には「大蛇のようだ」と説明するQuiComoの記述も、納得できるほどです。
イタリアの失業率
欧州統計局ユーロスタッドによると、2017年現在でイタリアの失業率は11.4%と、高い数値を持っています。特に若者の失業率は約25%にものぼり、例え大学や大学院を卒業したとしても、安定した職に就けないというような状況が当たり前のようにあるのです。
ちなみに、イタリアでは大学卒業は、社会的にはあまり認められておらず、大学院修了程度からが勝負という考え方がされています。日本とはやや違いますね。
アルバイトはあまり存在しない
実は、イタリアには、あまりアルバイト制度が存在していません。特に何でもアルバイト店員が行う日本とは異なり、イタリアは多くの場合正規雇用、もしくは契約社員のようになっています。
大学生の友人で仕事をしている人はあまりおらず、たとえいたとしてもベビーシッターなどに従事する場合が多いように見受けられます。
競争率の高さ
例えスーパーのレジ打ちや品出しなどであっても、競争率が高いのが事実です。実際このコモのスーパーでも、100人以上の応募者がいるものの、まずは45人まで絞り、最後には10人程度までに絞られてしまいます。
すると当然90人以上の人はそのまま職に就くことができない、もしくは今の職に甘んじることになってしまうということです。
イタリア人の友人は
大学で知り合った日本語を勉強している友達たちの中には、何としても日本に来たい、と意気込んでいる人もいます。私が彼らに「けど最初はアルバイトとかの店員しかできないし、そう簡単にはいかないんじゃないかなあ?」と伝えたこともあります。
ですが彼らは「日本にはアルバイトがあるじゃないか。そうゆう形で働けて、仕事に溢れているなら、少なくともイタリアで仕事がないよりは、生きていけるんじゃないか」と言います。もちろん、日本に夢を見すぎている点もあるでしょう。ですが、彼らの言うことが一理あるとも言えます。
さいごに
いかがでしたか?コモのスーパーのニュースを補足する形で、仕事について考えてみました。
日本の雇用制度、イタリアの雇用制度どちらがより多くの人に職を提供できるのか、一概に論じることはできないにせよ、何にせよ仕事について考えさせられる、そんなニュースでした。
参照:Super fila a ComoSuper coda per un posto di lavoro all'Iperal di Monte Olimpino