イタリアが舞台の名作映画紹介!
先日の投稿、「不朽の名作から新作まで。今見たい、イタリア映画5選」は見ていただけましたでしょうか?今日はそれに引き続き、一つの映画を詳しく掘り下げて、紹介してみたいと思います。今回は日本でも人気を博した映画『天使と悪魔』についてです!
『天使と悪魔』と舞台を解説!
『天使と悪魔』とは?
『天使と悪魔』は、アメリカ出身の作家ダン・ブラウンが2000年に刊行した著書で、ベストセラーとなった歴史サスペンス小説です。
2009年には映画化がなされ、主演には前作『ダ・ヴィンチ・コード』でも主人公ロバート・ラングドン教授を演じたトム・ハンクスが据えられました。
フランスを舞台とした前作とは異なりイタリア・ローマとヴァティカン市国を舞台とした本作には、数々の美しい宗教建築が登場し映画版では一つの見どころとなっています。
ストーリー
新しい教皇を選出するための選挙「コンクラーベ」の開催が迫るヴァティカンで、次期教皇の最有力候補である4人の枢機卿(プレフェリーティ:イタリア語preferiti「気に入られた者たち」)が何者かによって誘拐される。
犯人からはコンクラーベの当日午後8時から1時間ごとに枢機卿を1人ずつ処刑し、スイスの欧州原子力研究機構CERNから盗み出した街を破壊する威力を持つ”反物質”でヴァティカンを破壊するという犯行声明が届いた。
ヴァティカン警察から協力を求められた宗教象徴学者のロバート・ラングドンはローマに向かい調査を開始する。かつて教会に迫害されていた秘密結社イルミナティとの関連性に気付いた彼は、盗まれた反物質を探す科学者ヴィットリア・ヴェトラと協力して事件の真相を追うが…
刻一刻と進むタイムリミットと徐々に暴かれていく真相に、あなたもきっと息を呑むはずです。
登場する宗教建築
本作には数々の有名な宗教建築が登場します。どの教会も美しい装飾がちりばめられ、その荘厳な雰囲気によってストーリーを引き立てています。
それらが映画版の見どころであることは前述しましたが、こちらでは作中に登場するいくつかの教会などをピックアップして解説します。映画を観る前にちょっとだけ勉強して、もっと本作を楽しみましょう。
1.サン・ピエトロ大聖堂
ローマカトリック教会の総本山。世界最小の国家であるヴァティカン市国の中にあり、毎年多くの観光客や信者が訪れる観光スポットとしても有名です。創建は4世紀、後期帝政期のローマ皇帝コンスタンティヌスの命によって建設され5世紀中頃までに完成したと言われています。
現在の聖堂は2代目であり、メディチ家出身の教皇レオ10世が建設を提唱し、100年以上の歳月をかけて1626年に完成しました。彼が建設費用を集めるために売りさばいたものがあの有名な「免罪符」であり、ルターによる宗教改革のきっかけとなりました。
2.システィーナ礼拝堂
サン・ピエトロ大聖堂の向かって右側にある礼拝堂です。世界各地からヴァティカンに集った司教たちがこの礼拝堂に集い、教皇選挙であるコンクラーベが行われます。
コンクラーベが行われている間、このシスティーナ礼拝堂の扉は錠前によって封印され、外部とのつながりが一切断たれるそうです。新教皇決定の如何は同礼拝堂の煙突から出る煙によって外部にいる人々に伝えられることになっています。
内部装飾はミケランジェロが担当しましたが、彼自身は教会から依頼される仕事に対してあまりいい感情を持っておらず、嫌々に装飾を手掛けていたとも。装飾は『旧約聖書』の「モーセの誕生の物語」と『新約聖書』の「キリストの生涯の物語」をテーマとしています。
3.パンテオン
初代のパンテオンは初代ローマ皇帝アウグストゥスの側近マルクス・ヴィプサニウス・アグリッパによって建設されましたが、紀元80年ごろの火災で焼失してしまいました。
現存する者は118年から128年にかけてハドリアヌス帝によって再建されたものです。パンテオンとは「全ての神々」という意味で、”全ての神々の神殿”として建設されました。今現在はイタリア王国初代国王ヴィットリオ・エマヌエーレ2世とその子で第二代国王ウンベルト1世が、互いに向かい合って埋葬されています。
パンテオンも有名な観光スポットであり、毎年多くの観光客で賑わっています。
この他にも多数の宗教建築が登場しますが、あまり多くを語ってしまっては面白くなくなってしまうことでしょう。あとは映画の中でお楽しみください!
さいごに
映画『天使と悪魔』いかがでしょうか。歴史好きの方も、教会建築が好きという方も、イタリアが好きという方も、どなたでもお楽しみいただける内容であることは間違いありません。
原作を読んでいない方でも全く問題なく観ることのできる作品になっています。映画を観た後に原作を読むというのもまた面白いのではないかと思います。この週末のお供に『天使と悪魔』をぜひ。
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