イタリア大地震から2週間
8月24日にイタリア中部を襲った大地震について、国営放送RAIによれば死者数は294人になったと報じました(8月31日)現地では国葬の式典も行われた一方で、依然として行方不明者の捜索が続き、復興にはかなりの時間が必要であるとの見方が多数を占めています。
アマトリーチェの悪天候と水不足
被災地の中心部アマトリーチェにおいては、悪天候と水不足という新たな問題が浮上しています。地震によって脆くなった地盤や建造物が雨などで崩れ、二次災害となりうる可能性も否定できません。現地ではそれらに対する措置が急務となっています。
以下はイタリア大手新聞『レプッブリカ』紙の9月4日付の紙面の和訳になります。誤訳等の可能性もありますので、あくまで参考程度に。
震災、行方不明者の身元判明
クルチョ局長"できる限り早くキャンプ場移動"
明日より天候に警戒が必要死者数は296名に上り、マルケ州首脳、ヴァスコ・エッラーニ代表、首長らとの会合を経て市民保護局長が介入
アマトリーチェの飲料水は不足2016/09/04
アルクアータ・デル・トロント(アスコリ・ピチェーノ州)
消防局によって、アマトリーチェの自宅で瓦礫の下に埋もれていたセイドさんの遺体の身元が判明し、アフガンからの難民であったことが分かった。遺体収容所は整備されたが、専門家たちは、家に留まる人々も気持ちを押さえつけているのだから、感情を押し殺した作業が大切であると指摘している。死者数は296名に増えた。本日を以て消防局はこれ以上の遺体捜索は難しいとしてホテル・ローマの瓦礫の探索を正式に打ち切った。地球物理学・火山学国立研究所の国家地震ネットワークによれば、イタリア中部では8月24日から今日に至るまで、5,000人以上の負傷者が確認された。「我々はできる限り早くテントの張られた区域を封鎖しなくてはならない。一週間後には天気予報が変わり、天候がより悪化する恐れがある。負傷者やお年寄りなどを一刻も早く移動させなくては」
市民保護局ファブリツィオ・クルチョ局長はマルケ州首脳、ヴァスコ・エッラーニ代表、マルケ州窪地の自治体の首長らとの会合の後にこう語った。
一方でヴァスコ・エッラーニ代表は土地の”固有性を尊重すること”がどれほど重要かについて言及している。
「住宅のように、一つ一つの解決策は復興を行うための一時的な措置だ。ここマルケ州には価値ある場所、シビリーニ国立公園、復興すべき経済、これらの場所の良さと美しさがある」
マルケ州の天気予報に警戒
しかしながら、懸念すべきは被災地区が悪天候に見舞われるということだ。
マルケ州市民保護局は、明日以降の悪天候と土砂災害臨界点警戒の警報を発表した。
8月24日の地震で被害を受けた地域である内陸南部地域において、雷雨が特に激しくなる見込みである。
土砂災害や地盤のゆるみ、氾濫の危険を伴う水路の水位上昇も考えられる。アマトリーチェの飲料水不足
また地震の影響によって水が飲める状態ではないとの問題も浮上している。
セルジオ・ピロッツィ市長は人々に対し、布告を通じて水のいかなる使用・消費も禁止した。
「ソジェアに対してはタイミングを計って飲料水復旧のためのすべての作業と、それを確実にするための新たな包括的税収を行う準備ができた。詳細な調査は様々な結果の出たすべての判断基準が含まれなくてはならない」
市民に対する通告を目的として、そのための貼り紙が貼り出される予定だ。学校、通常通り開始
イタリア中部地震の被害を受けた地域の学校の再開に関して、教育大臣のステファーニア・ジャンニーニ氏は以下のように述べた。
「前向きな新しい情報があるが、天候にも左右される楽観の慎重さを常に伴っている。今は空模様との勝負所だ」
大臣はアマトリーチェにトレントのモジュールが組み立てられる素案があったことに言及しつつ、学期は「通常通り開始する予定で、可能な限り早くかつ時間通りになることを願う」と語っている。