イタリア語の勉強を始めようとしていても、どの参考書を使ったらいいか困っている方が多くいると思います。特に、英語の教材量に比べればイタリア語は圧倒的に教材が少なく、いいものを探し出すのにも一苦労。
そこで今回は、実際に使ってみて良かった、イタリア語の参考書をまとめてみました。今回は中・上級編ですので、とっつきやすいものからやや挑戦し甲斐のある参考書まで並んでいます!気になるものがあったら是非リンクをチェックしてみてください!
初・中級編はこちら!
続きを見る留学経験者直伝!イタリア語学習に役立つ参考書徹底解説(初・中級編)
1.文法書
中級
Nuova grammatica practica della lingua italiana
イタリア人の留学生が、日本語で書かれた教科書で日本語を勉強していたのを見て、私もイタリア語でイタリア語を勉強してみようと思って、イタリアにいったときに本屋さんで購入。練習問題がとっても多いし、何より実際によく使われるフレーズも身につくのがメリット!半過去と近過去の使いわけも徹底的に問題演習できます。
CDはついていませんが、カラー印刷なのと、会話形式のセクションもあるので、とにかくわかりやすいです。日本の書店では見かけたことはないのですが、Amazonでは取り扱っているみたいです。
この本ではなくても、イタリア語の教科書でイタリア語を勉強してみるのもなかなか良いかもしれません。ちなみに、この本はCILSの A1からB2までカバーしています。
中・上級
一通りイタリア語の文法を全て勉強し終え、さらに「もっと文法的なことを学んでみたい」や「文章を読んでいて時々分からない文法事項につまづいてしまう」という方は、さらにステップアップを目指して中上級レベルの参考書に手を出してみてはいかがでしょうか。
中級へのイタリア語文法
説明自体はシンプルで簡潔なのですが、それに付属した問題集が豊富かつ優秀で、解説を読みながら問題を繰り返すだけで自然と力がついていきます。
イタリア語の参考書においては、文法・演習をセットで取り入れた中級レベルの参考書が少ないため、私たちは文法書一冊と問題集一冊を買わなければなりません。その場合、2冊のレベルが違うと「この文法事項を学んだ後こうゆう演習がしたいのに、似た問題がない」「間違えた問題について徹底的に理解したいのに、参考書にはちゃんと書いていない」などの事態が起こります。
ですが本書は同じ1冊の本の中で全て完結しているので、その心配もありません。中級文法を勉強する上で、購入しておいて損はないでしょう。
本気で学ぶ中・上級イタリア語
残念ながら問題量は豊富ではありません。ですが解説と例文量は、とても多く、イタリア語のABCの、中級向けといった雰囲気の本です。何となくごまかしをきかせて先延ばしにしていた文法事項を一掃するのに役に立つはず。
やや難解な文法に関しての丁寧な説明は、非常に分かりやすいので、同じミスで躓いてしまって解消できない方は、この本を読みながらであればスッキリできるかもしれませんよ。前置詞などの解説は見ておくべきです。
2.問題集
中級
もやもやを解消! イタリア語文法ドリル
「2冊目に最適」と書いてあるように、1冊簡単な問題集を終えた人や、文法書で難しいところまで読みはしたけど、しっかり練習までできていない人のためにピッタリです。分かったような、分かっていないような、そんな状態のときに解いてみると、めちゃくちゃ間違えます(笑)意外と自分がまだまだだということを知らされますが、それでも次へ進むためのステップです。
もしお金に余裕があれば問題集をどちらも購入しても良いでしょうが、ここで紹介した2冊のうち1冊を購入、1冊を図書館などで借りるといいかも。
3.読解
文章教材に乏しいのがイタリア語の残念なところ。初級者向けの読解教材としてはあまり紹介できるものがないので、リスニング教材の「耳が喜ぶイタリア語」が最適かもしれません。そして、やや難易度は高いですが、いくつか教材を紹介します。
中級
名作短編で学ぶイタリア語
読解問題というと難しくてとっつきにくいイメージがあるかもしれませんが、この本はタブッキ、ベンニ、モラヴィア、ブッツァーティなどの、イタリアの有名作家による名作短編小説9編の原文が使われています。そのため、イタリア語で読んでいても、対訳の日本語を読んでいてもとっても面白い!近代イタリアの不思議な世界を味わいながら、イタリア語の構文や文法、独特な表現力まで学ぶことができます。
もっとも学ぶというよりは、楽しみながら繰り返し読んでいる間に、いつの間にか表現が学べてしまう、という方が分かりやすいかもしれませんが。後半になると内容が難しくなっていきますが、ゆっくりと読み解いていきましょう。
中級~上級
Piazza 東京大学出版会
東大出版会の読解用教材。現在出版されているイタリア語の読み物では最高レベルと言われています。最大の特長は、読解力がつくということ。特に読解問題が多くないイタリア語教材において、かなり重宝します。
[metaslider id=7400]
また、現代イタリアの叙述から古典小説の一節(ダンテ『地獄篇』)、映画の原作(ニューシネマパラダイス)などなど、これを一冊やればイタリアに関する幅広い知識が定着するように作られています。左側に文章、右にその解説という構造です。
欠点としては、和訳がないこと。ある程度のイタリア語文法の基本事項や語彙力が頭に入っていないと、辞書とにらめっこし続けて永遠に読み終わりません。また、優秀な教材であるためか、価格が3500円とかなり高め。中古でも最低1500円以上するため、学生には少し手が届きにくいかも。私は図書館で申請を出してコピーをし、利用しています。
4.会話
中級(実践的)
気持ちが伝わる! イタリア語リアルフレーズBOOK
留学を控えていた時期に、偶然手に取った一冊。留学中の実際の生活の中で使われる語彙力や表現力、独特な言い回しなどに不安があった(不安しかなかった)私は、似たような本が多い中でこの一冊を購入しました。
例文量が426種類と豊富な上、それに対しての解説が非常に豊富。日常生活、遊び、ビジネス、恋愛などのシチュエーション別に章が分けられているので、自分の好きな章からスタートしてみましょう。
留学に来てから最初の1か月くらいは、日本で覚えていたこの本の表現を使って、難なく生活をこなすことができました!そしてその後は全くこの本を開きませんでした。ほぼ机に向かってイタリア語を勉強しなかった私でしたが、留学最終期、この記事を書くにあたって、どんなだったかなと本を久しぶりに開いてみました。すると今となっては当たり前のように使っていた表現や熟語がわんさか。やはり非常に役立つ本だったと実感した瞬間でした。
5.作文
中級
どんどん話せるイタリア語 作文トレーニング
作文を進める上で大切なステップを順番に学ぶことで、作文力全体の向上を図る参考書です。大学受験の際の作文学習の際には、まずは構文などをしっかり学び、その中で語彙や表現力を増やす、そしてそれらを使って文章を組み上げるという3手順が必要だったのを思い出しました。
作文は、パッと日本語を見たときに一瞬でイタリア語を思い浮かべられるようになるのが大切です。そしてそれは会話をする上でももちろん同じこと。作文という名目ですが、全体の表現力を鍛え上げていきましょう。
6.資格勉強
さて次は、イタリア語の資格対策のための参考書たちをいくつか紹介していきます。もちろんわざわざ検定などのために問題集を買わなくても実力自体はつくはずです。それでも、やはり試験の傾向などをしっかり把握した上で、時間配分や苦手などを理解することはとても大切です。
イタリア語検定
3級
2級
1級
辞書
イタリア語をしっかり勉強する上で必要不可欠なのが辞書。最初こそあまり必要ないかもしれませんが、勉強を進めていけばいくほど、分からない単語や表現などにぶち当たります。そして、無料のネット辞書などだと、意味が曖昧だったり、わかりにくかったりして勉強の妨げになってしまうことがあります。
そういった意味でも、小学館の伊和中(イタリア語→日本語)・和伊中(日本語→イタリア語)辞典が、辞書の中では最も詳細な辞書です。ですがその小学館の辞書も、今日では紙辞書や電子辞書だけでなく、スマートフォンのアプリ版の辞書も登場しています。
紙辞書
何だかんだ紙辞書がいい!という方にはやはりこちらのタイプ。
電子辞書
電子辞書であれば、カシオのイタリア語バージョンが使いやすいでしょう。値段は3万円弱~4万円程度まであるので、自分の用途にあったものを選びましょう(個人的には一番安いタイプで問題ないとは思います)。
また、すでに電子辞書を購入してしまっていて、追加で購入することは負担的にもできない!という人は、お持ちの電子辞書にSDカードを差すことでイタリア語の辞書が利用できるようになります。私は高校時代からの辞書があったので、このタイプのものを使っていました。電子辞書の方を使いすぎて壊してしまい、今では使えていませんが。
アプリ
iPhoneに対応した小学館のアプリが非常に優秀です。私は電子辞書が壊れてしまったのでスマホ版を購入しました。コスパ的にも使い勝手的にもかなり気に入ったので、留学生活でも非常に重宝しました。
やっぱり友達と話している時に何か分からない単語があっても、辞書使うのってさすがにって感じですよね。そうゆうときにササッと分からない単語を確認できるのもいい点です。詳しい情報はこちらから!
続きを見る知らない人は損してる!今更聞けないアプリ版イタリア語辞書がオススメな10の理由
まとめとして
いかがでしたか?決して参考書の多くない中上級レベルのイタリア語は、様々な角度からのアプローチが必要になります。それでもやはり、しっかりと本を読んだりして学ぶ時間も取ることが非常に大事だと感じることも多いので、是非皆さんも中・上級レベルのイタリア語を目指してみましょう!
初・中級編はこちら!