経営破綻の続報は?
今年の5月に報じました通り、イタリアのフラッグキャリアであるアリタリア航空が経営破綻に陥り、今後の経営主体は他者に委ねられることが決定されていました。
その続報としまして、アリタリア航空は、現在傘下のエティハド航空ではなく、ヨーロッパ大手LCCのライアンエア―やイージージェットが入札を目指して動き始めているようです。
アリタリア航空経営破綻までの流れは、こちらの記事を参照していただけると幸いです。
続きを見る【2017年】アリタリア航空、10年で2度目となる破産手続き
現在の入札企業
現在入札を検討している企業はLCCから大手キャリアまで多岐に渡っており、ヨーロッパLCCの古参であるイージージェット(Easy Jet)や、アメリカの航空会社デルタ航空(Delta)、フランスのフラッグキャリアであるエールフランス(Air France)などが挙げられます。
現在のところ、アリタリアの株を49%所有しているエティハド航空は、引き続きの資金注入は検討していない模様。それを受けて多くの企業が様々な動きを見せていたようです。日本では5月以来全くといっていいほど放送されていませんでしたが。
成長株ライアンエア―が参入?
CEOも乗り気
そして先週新たな報道として、ライアンエア―がアリタリアに入札する意志を見せています。ライアンエア―のボスであるマイケル・オルレー氏は、「ライアンエア―は入札に参加する。ライアンエア―によって、アリタリアは落とされたブランド力を回復させるだろう。」と述べています。
アリタリア=ライアンに?
では、仮にライアンエア―が買収した場合、アリタリアは完全にライアンエア―と名前を変えることになるのでしょうか?
同氏は「そうするつもりはない。アリタリアという名前は残す予定だ。長距離路線に関しては、アリタリアを維持したまま続けていきたいと思っている。EU内路線に関してはライアンとして編入させるかもしれない」という経営の趣旨も述べています。
ライアンは初の長距離路線を見据える
これまで、幾度も計画がありながら、最終的には立ち消えていた、ライアンエア―の長距離路線運航。現在ヨーロッパで圧倒的なシェアを誇る彼らにとっては、アリタリアの買収を契機として、長距離まで就航を拡大することができるという利点があります。
2008年、2014年と計画が立ち消えになっていたところへ、ニューヨークや日本など世界的な航路をもつアリタリアの路線は、低予算でそれらを実現する上では最適解とライアンは考えているようです。
LCC長距離は1社のみ
ちなみに現在LCCで長距離路線を飛ばしているのは、恐らくノルウェーエアシャトルの一社だけです。長距離路線にはまだまだLCCは参入していませんので、仮にこの入札が成功した場合、世界的な航空会社の価格競争がさらに熾烈を極める可能性もあります。
入札は10月2日まで
そして、入札に関しては10月2日までにされなければならないので、今後さらにどのような企業に参入可能性があるのかにも注目していきたいところです。現在のところ、イタリアメディアにはライアンエアーとエールフランスなどが有力視されています。
さいごに
日本では最近ぴたりと報道されなくなってしまったアリタリア航空の動向。今後も続報があれば、この記事や別記事で取り上げさせていただきます。