イタリア語を勉強している人にとって、様々な意味でモチベーションとなる「資格試験」。本記事では、日本で最も有名で、受験者数も多い「実用イタリア語検定」について、徹底解剖していきたいと思います。
イタリア語検定とは?
イタリア語検定とは、特定非営利活動法人 国際市民交流のためのイタリア語検定協会が主催する、日本唯一のイタリア語検定試験です。1995年以来、20年にわたって続いてきた検定で、2018年には外務省の公認事業に定められることになります。
受験概要
受験対象者
外国語としてイタリア語を勉強している人が対象となっています。そのため、受験対象者は、イタリア以外の国籍を持つ人、イタリア以外の国で生活する在外イタリア人(2世、3世など)などです。
受験会場
日本全国各地(札幌、仙台、東京、横浜、金沢、名古屋、京都、大阪、岡山、広島、福岡、宮崎、沖縄)での受験が可能です。また、イタリア(ミラノ、ローマ)においても受験することができます。
受験日・申込み期間
年2回開催です。3月受験では、準2級から5級のみ受験できます。また、10月受験においては、1級から5級全ての級の受験ができます。1級と2級において実施される2次試験は、例年12月初秋の日曜日になっています。
2018年春の予定が既に掲載されているので、参考にしてください。
2018年の試験日程
春季
- 試験申込期間:2017年12月14日(木)~2018年1月16日(火)
- 試験日:2018年3月4日(日)
秋季
- 試験申込期間:2018年8月中旬まで
- 試験日:2018年12月第一週の日曜日予定
試験内容
試験のレベル
イタリア語検定のレベルは6段階に分かれています。5級、4級、3級、準2級、2級、1級と、順にレベルが上がっていきます。各レベルの目安は、以下の通りです(イタリア語検定のページ参照)。
レベル | 学習の目安 |
---|---|
5級 | 初歩的なイタリア語を理解することができる。初歩的な挨拶・紹介・質問への返答などができる能力が要求される。 |
4級 | 平易なイタリア語を聴き・話し・読み・書くことができる。自己紹介・簡単な道案内・買い物・バールでの簡単な注文などの平易なコミュニケーションができる能力が要求される |
3級 | 日常生活に必要な基本的なイタリア語を理解し、表現することができる。大学2年修了程度。日常的な範囲の紹介・伝言・簡単な電話・手紙などの基本的な表現ができる能力が要求される。 |
準2級 | イタリア語の基本文法について総合的な知識を持ち、日常生活全般に必要なイタリア語を理解し、表現することができる。大学の専門課程2年修了程度。日常的な範囲の会話やテレビ・ラジオの内容を聞き取り、一般的な文章を読み、様々な出来事・状況・自分の意見を書くことができる能力が要求される。 |
2級 | 日常生活や業務上必要なイタリア語を理解し、一般的なイタリア語を読み・書き・聴き・話すことができる。4年制大学のイタリア語専門課程卒業程度の学力を備え、一般的な説明・報告・通訳がある程度できる能力が要求される。 |
1級 | 広く社会生活に必要なイタリア語を十分に理解し、かつ自分の意思を的確に表現できる。4年制大学のイタリア語専門課程卒業程度以上の学力を備え、新聞・雑誌などを読み、ニュース放送や映画などを聴き、要約できるイタリア語の能力と知識が要求される。 |
試験の意義
イタリア語検定は、日本国内において、イタリア語能力を証明するための最も有効な手段です。また、年に2回行われているかつ、検定料はそれほど高くないので、継続的に受験していくことができるかと思います。
ですが、日本国内のみの試験であるため、イタリアにおいて自分の語学力を示したい場合は、やや難しいかもしれません。
試験の構成・合格点
試験は、主に2.3セクションに分けられています。
- Comprensione Auditiva:リスニング
- Parte Scritta:文法・語彙・読解・作文
- 口頭二次試験(1・2級のみ)
具体的な配点や構成は、各級によって非常に異なるため、級ごとにまとめていきます。
レベル | 試験時間 | 回答形式 | 合計点(リスニング=リ、筆記=筆、作文=作) | 2次試験 |
---|---|---|---|---|
5級 | 80分 | マークシート | リ:20点 筆:36点 | 無し |
4級 | 80分 | マークシート | リ:26点 筆:36点 | 無し |
3級 | 100分 | マークシート | リ:28点 筆:57点 (作文20点を含む) | 無し |
準2級 | 100分 | マークシート+記述式 | リ:22点 筆:57点 (作文20点を含む) | 無し |
2級 | 120分 | マークシート+記述式 | リ:22点 筆:35点 作:20点 | 二次試験:試験時間40分(準備時間20分を含む) 40点 二名の面接官による評価点(満点40点)の60%(24点)が合格基準。 |
1級 | 120分 | マークシート+記述式 | リ:22点 筆:37点 作:20点 | 二次試験:試験時間40分(準備時間20分を含む) 40点 二名の面接官による評価点(満点40点)の60%(24点)が合格基準。 |
全分野における合計点、及びリスニング、筆記、記述式のそれぞれに合格基準点が設定されます。
また、もし2次試験で不合格だった場合、1年後まで1次試験を免除され、2次試験のみを受験することができます。
試験の受験料
イタリア語検定の受験料は、以下の通りです。
レベル | 検定料 |
---|---|
5級 | 4000円 |
4級 | 5000円 |
3級 | 7000円 |
準2級 | 8000円 |
2級 | 10000円 |
1級 | 12000円 |
試験対策本
さて、資格勉強には継続的な勉強が不可欠です。どのような問題集を使えばいいか、紹介します。
過去問
1.イタリア語検定公式問題集
一番定番なのが、公式問題集を購入することです。1年分2回の過去問が収録されており、それぞれ複数級を収録しています。まだ受験する級を決めていない人は、1冊買って問題を解きながら、級を決定できるかもしれませんね。
1・2・準2級
3・4・5級
2.コンビニ印刷
受験する級が決まっている場合や、何年もの過去問で対策したい場合は、コンビニ印刷を利用すると最もお得!
全国のコンビニのマルチコピー機で各レベル、開催回ごとに過去問題集を印刷することができます。問題冊子と解説がプリントされるほか、印刷されたURLからリスニング音源も再生できるので、CDを持つ必要がありません。
対応ストア | ローソン、ファミリーマート、サークルKサンクスの各店舗 |
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配信講座 | 第38回 2014年春季 準2級、3級、4級、5級 第37回 2013年秋季 1級、2級、準2級、3級、4級、5級 第36回 2013年春季 準2級、3級、4級、5級 第35回 2012年秋季 1級、2級、3級、4級、5級 第34回 2012年春季 3級、4級、5級 第33回 2011年秋季 1級、2級、3級、4級、5級 第32回 2011年春季 3級、4級、5級 第31回 2010年秋季 1級、2級、3級、4級、5級 |
価格(消費税込み) | 1級 36ページ 720円 2級 36ページ 720円 準2級 36ページ 720円 3級 36ページ 720円 4級 32ページ 640円 5級 28ページ 560円 |
3.E-Learning
月額料金を払うことで、パソコンやスマホでイタリア語検定の過去問を解くことができます。詳しくはイタリア語検定のページを参考にしてください。
問題集
1.イタリア語検定○級突破
過去問対策をする中で「関係代名詞が苦手だな」「長文読解がなかなかできない」というような悩みも出てくるかもしれません。そうゆうときは、本シリーズの問題集を購入することをオススメします。
それぞれの級に合わせて、受験者が引っ掛かりやすいミスを詳しく解説しています。くわえてとにかく問題量が豊富なので、繰り返し解き続けるうちに、自然とイタリア語の実力をつけることができます。
2.単語集
語彙力にまだまだ不安があるという人は、単語集を購入し、日頃から勉強するのがよいでしょう。3・4・5級についてはイタリア語検定の単語帳があります。
まとめ
いかがだったでしょうか。CILSの特徴について紹介していきました。試験勉強は語学のモチベーション向上に有効です。是非、CILSやイタリア語検定などを受験をしてみるのがいいでしょう!