2026年 冬季オリンピック開催地 コルティーナ・ダンペッツォに関する10の豆知識

2026年 冬季オリンピック開催地 コルティーナ・ダンペッツォに関する10の豆知識

ゆうさん

学生時代にローマ・サピエンツァ大学に留学し、シチリア出身マンマが統べる大家族にてホームステイ。今は日系企業で国際提供業務に従事する社会人3年目。イタリアで仕事をする機会を細々と狙っています。サザンオールスターズとサンドウィッチマンが大好き。

2022年 北京オリンピックの激戦がついに終わりました...。日本は歴代最多のメダル18個(金3・銀6・銅9)を獲得するなど、アスリートの皆さんの活躍が目立ちましたね!

そして、早くも、次回の冬季オリンピックを楽しみにしている人も多いのではないでしょうか?そして次回は、ミラノ& コルティーナ・ダンペッツォ というイタリアの都市で開催されるということをご存知でしょうか?

この記事では2026年冬季オリンピック開催地のコルティーナ・ダンペッツォ(Cortina d'Ampezzo)について紹介いたします!

コルティーナ・ダンペッツォにまつわる10のこと

1.イタリア・ヴェネト州の小さな町

コルティーナ・ダンペッツォはヴェネト州に位置し、人口約6,000人の小さな町です。

ヴェネト州、と聞くと「お、ヴェネツィアと同じ州にあるのか?」と勘の良い方はすぐに分かるかもしれません。確かに同じ州なのですが、この町はかなりの山間にあり、ヴェネツィアからは車で2-3時間程度の距離にあり、ほとんどトレンティーノ=アルト・アディジェ州と言っても差し支えないほどです。

2.ドロミーティの山岳地帯

ヴェネト州北部は、険しい山岳地帯。このコルティーナ・ダンペッツォも、あの世界遺産「ドロミーティ」の山岳地帯に属しており、とても風光明媚な山々を抱く町です。ドロミーティには私も滞在したことがありますが、非常に寒いところ。空気が非常に澄んでいていて気持ちよく、ドライブや森林トレッキングをするのに打ってつけの場所です

実際、アルペンスキーやウィンタースポーツの聖地としても知られています。

3.1956年にも冬季オリンピックの開催経験あり

Photo by Nolde/AP/Shutterstock (7317176a) A view of the stadium at Cortina, Italy, during the women's figure skating event, in the seventh Winter Olympic Games, on . Carol Heiss of USA is on the ice, and she won the silver medal in the event. These games would be the last time that the figure skating competition would be held outdoors 1956 Winter Olympics, CORTINA, Italy

聖地となるに至ったのには、過去の歴史を振り返る必要があります。実は、コルティーナ・ダンペッツォは、既にオリンピック開催都市になったことがあり、それは1956年のこと。

山間の小さな町でしかなかったこの町は、オリンピックを契機に世界中のウィンタースポーツファンから知られることとなり、世界中からたくさんの観光客が訪れることとなります。そして、多くのホテルが立ち並ぶことになったほか、夏は避暑地、冬はウィンタースポーツの地として知名度を高めました。

4.歴史的に複雑?

ヴェネト州北部は、オーストリアとも国境を接しており、また険しい山岳地帯であることから、「イタリア」という一括りでは語れないような文化的背景をもっています。16-19世紀はオーストリア・ハプスブルク帝国の領土下でしたが、その統制は強くなく、また第一次世界大戦後には敗戦国のオーストリアから奪取される形でイタリア領となりました。

そのためか、言語的にも独自の発展を遂げており、ラディン語、いわゆるドロミテ語と呼ばれる言語が話されています。

5.食文化も面白い!

そんなコルティーナ・ダンペッツォですので、パスタやピッツァなどの典型的なイタリア料理とは趣の異なる郷土料理を楽しむことができます。そもそもイタリアの食文化は、南北、島、細かい地域でも異なるほど。

代表的なのが「ジャガイモのスープ」「グラーシュスープ」「ライ麦パン」などオーストリアやドイツらしい食事でありながら、北イタリア特有のニョッキなども愛されています。やっぱり主食は小麦よりも芋かもしれませんね。

私がドロミーティに行った時、うっかりピッツァばかり食べてしまったので、惜しいことをしました...笑 似た食文化を持つトレンティーノの食事は食べたことがありますが、いわゆるイタリアらしいものとは少し異なっていて、楽しかったですよ。

6.崖のトレッキング?

この町で有名なのが、ヴィア・フェラータ(Via Ferrata)と呼ばれるワイヤーやはしごなどを伝って岩場を進んでいく登山のことです。他の場所ではなかなかできない経験が楽しめるとともに、危険も伴うアクティビティですが、非常に人気があります。

この辺りの道は、第一次世界大戦中に、軍事目的でつくられたものでした。険しい山岳を軍隊がなるべく早く移動し、敵に気づかれないように奇襲や移動を行うのに活用されたそうです。

日本では楽しめないトレッキングスタイルかもしれません。一度トライしてみたいですね!

7.山だけでなく”黄金の盆地”にも注目

ついつい周囲の1000-3000m級の山々やそこでのアクティビティに気持ちを奪われてしまいますが、コルティーナ・ダンペッツォは非常に整備された盆地で、ショッピングなどにも最適。

特に第一次世界大戦後より多くの観光客を集めてきたことから、高級感漂うブティックも立ち並び、ミラノやローマなどにはないアイテムを扱うセレクトショップにも出会えるはずです。

周りを山に囲まれ、きれいにぽつんと佇むこの町は「黄金の盆地」の愛称で親しまれてきました。ショッピングデーをつくるのもありですね。

8.複数都市での共同開催

2026年のオリンピックは、史上初、複数都市にまたがって開催されます。

ミラノ/コルティーナ・ダンペッツォの2都市かと思いきや、実際にはロンバルディア州最北部のヴァルテッリーナ(Vartellina)やトレンティーノのプレダッツォ(Predazzo)などでも競技が行われる予定。

今のところ、コルティーナ・ダンペッツォォで開催される競技は、カーリング、アルペンスキー、ボブスレー、スケルトン、リュージュなど。恐らく類似競技は1か所で行われるものの、開会式はミラノ、閉会式はヴェローナなど、全体的に選手の移動にやや負担が大きそうなのが気になります。

この開催方式での成功は、今後のオリンピックの開催方式を決める意味でも、非常に重要な意味を持ちそうです。

9.アクセスはヴェネツィア・ミラノから

魅力的な町・コルティーナ・ダンペッツォへのアクセスは、基本的には車かバスになります。

バスの場合、ヴェネツィアおよびミラノからの便が出ており、それぞれ2時間、3時間ほどで到着できるため、思ったより近く感じるはずです。Flexbusなどを利用する場合は、約9ユーロ~と、非常にオトクに旅行できますよ。

10.いつ訪れても楽しいところ!

紹介してきたように、コルティーナ・ダンペッツォは、春夏秋冬さまざまなアクティビティが楽しめるなど、年中訪れる価値がある場所です。また歴史的に観光産業が強く、旅行慣れしていない観光客にもやさしく、過ごしやすいと言えるでしょう。また独自の文化が発展しているため、この土地でしか食べられない伝統的な料理にもありつけるはずです。

以上、2026年オリンピックが開催される、コルティーナ・ダンペッツォの紹介でした!

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学生時代にローマ・サピエンツァ大学に留学し、シチリア出身マンマが統べる大家族にてホームステイ。今は日系企業で国際提供業務に従事する社会人3年目。イタリアで仕事をする機会を細々と狙っています。サザンオールスターズとサンドウィッチマンが大好き。

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