シチリア州とは?
シチリア州とは、イタリア最南部に位置する州であり、州都はパレルモ。州というより、島としてよく認知されています。シチリア島は広く、パレルモ以外にも、アグリジェント、トラパニ、カターニア、メッシーナ、タオルミーナなどなど、名前を挙げていけばキリがないほどの観光地を有しています。ローマやナポリなどから飛行機・船・寝台列車などで移動するのが一般的かもしれません。
シチリア州のお土産
さて、そんなパレルモやタオルミーナがあるシチリア州は、海に囲まれており、夏は非常に暑いことが知られています。またエトナ山などの活火山なども知られ、様々な特徴を持つ場所。そんなシチリアの町々ではどのような特産品があるのでしょうか?シチリアという非常に大きいくくりにはなってしまいますが、本記事ではシチリア州の都市を訪れたら買って帰りたいお土産を10個紹介してみたいと思います。
食料品
1.赤・白ワイン
DOCG、DOCワインをいくつも輩出するワインの名産地シチリア。広大な土地を持つシチリアで、「お土産」という一括りでワインを語ることは難しいほど、地域それぞれに特色のあるワインが生産されています。
西部トラパニであればマルサーラ(Marsala)、パレルモ周辺はアルカーモ(Alcamo)、南部沿岸であればアヴォラ(Avola)やモスカート(Moscato)、カターニア周辺はエトナ(Etna)、メッシーナ周辺はファーロ(Faro)と、本当に枚挙にいとまがありません。それぞれの産地でオススメされたワインを購入して帰りたいものですね!
シチリアだけでなくイタリア全土に言えることでしょうが、無理にお土産屋さんなどで買わなくとも、スーパーに行くだけでかなりの種類のワインから選ぶことができます。なおかつそちらの方が安いです。
2.デザートワイン
赤・白ワインと別項目で設けるべだと思うほど、シチリアのデザートワインは有名です。特にその中でも、パッシート・ディ・パンテレッリア(Passito di Pantelleria)が、格別な味を誇ります。シチリア出身のマンマも、「私はワインはあまり飲めないけれど、パッシートだけは本当に美味しい」と嬉々としながら話します。
パッシートとは、干した、という意味で、干しブドウを使っています。生のブドウを食べるよりも、乾燥させた干しブドウの方が甘さが凝縮されているのは、何となくお分かりいただけるかと思います。
使われているブドウの種類は、ズィビッボ(Zibibbo)という、独特な甘みを持つ品種。名前にもなっているアフリカに近い島・パンテレッリアで盛んに生産されています。そして、この干したズィビッボを、ワイン熟成の過程で加えることで、最高の味と香りが生まれます。
3.乾燥ハーブ
シチリアならではのお土産といえるかもしれない、ハーブ系の製品も非常にオススメ。実はこれは私自身が購入したのではなく、私のホームステイ先のマンマの親戚にプレゼントしてもらいました。
彼女はシチリアのアグリジェントで暮らし、家にはなんと広大な自家菜園を持っているのです!彼女からプレゼントしてもらったシチリア産オレガノは、非常に香りが強く、マンマも「シチリアで採れるハーブは本当に薫り高くて素晴らしいの」と笑みをこぼしていました。
オレガノ以外には、ローズマリーなどもイタリア料理に使われるため、生産が盛んです。
4.リキュール
上記2種のワイン以外にも、味わうべきリキュールがシチリアには存在します。その最たる例がリモンチェッロ。今では知名度も上がったレモンからできたお酒で、シチリアでは購入しやすい商品の一つとして知られています。
その他にはアーモンド(Mandorla)を使ったリキュール、イチゴを使ったローゾリオ・フラゴリーノ(rosolio fragolino)などもオススメ!
ちなみにリキュールは、ワインと違ってすぐに飲み切ってしまうものではない上、スーパーなどではバラエティがあまりなかったり、大味だったりするのが常。お土産屋さんなどの方が多く種類があるはずですので、少々高いですが、手に取ってみては?
5.ピスタチオ
イタリア語ではピスタッキオ(Pistacchio)と呼び、こちらもシチリアの名産。その中でも特にエトナ山麓町であるブロンテが名産地として知られています。
日本に比べてピスタチオのお菓子などは非常に安い!他のイタリアでもお土産としてピスタチオ製品はよく見かけるのですが、やはり質も値段もレベルが違うというのが私の印象です。
ヌテッラ(Nutella)のようなピスタチオのペースト、チューブや瓶に入ったピスタチオクリーム、さらにはピスタチオのお菓子など、お土産は多種多様で、きっと日本で食べたくなる味です。
6.アーモンド
イタリア語でマンドルラ(Mandorla)と呼ぶアーモンド。ここシチリアでは特に南部の町アグリジェントが有名で、毎年3月にはアーモンドの花祭りが開かれているほど。
日本で食べられるアーモンドやその製品は一般にアメリカ産ですが、イタリア産のアーモンドは全くの別物と考えてもいいかもしれません。アーモンドエッセンスのような香り、つまり杏仁豆腐の香りが嚙むたびに漂います。食べるたびに杏仁豆腐のような香りがするほど、非常に強い味わいを持っています。
そのままアーモンドを買っても良し、お菓子などを買っても良し、スーパーなどで売られているアーモンドジュースを買っても良しと、色々な楽しみ方があるはずです。
食料品以外のお土産
7.陶器
シチリア最大のリゾート地・タオルミーナなどを歩いていると、非常によく見かけるのが陶器。マヨルカ焼きと呼ばれていますが、マヨルカ島の出身ではなく、シチリア発祥で、イタリア全土に広まっていった焼き物の一種です。
なぜマヨルカという名前がついているのでしょうか?これは12世紀以降のイスラム帝国がシチリア島を支配していた時代、アラブ諸国が作っていた陶器はシチリアに運ばれる際、一度マヨルカ島を経由してシチリアにやってきました。それを現地の職人たちが模倣し、さらに発展させた結果、色鮮やかな陶器が今日まで残る伝統として誕生しました。つまり陶器がやってきた場所を指してマヨルカと呼んでいたのですね。
スーツケースなどで帰国する際に割れるのが気になりますが、キッチリと包装してもらえます。それをさらにタオルなどで包めば確実に割れることはないはずです!非常に伝統的な商品であり、お値段は決して安くはありませんが、店それぞれに異なったかわいらしいデザインがあるので、もしイタリアでお皿や置物などのお土産を買いたい方は、マヨルカ焼きが本当にオススメです。
8.シチリアの州旗グッズ
皆さんはシチリアの州旗を見たことがあるでしょうか?大学1年の頃、イタリア語を勉強し始めた時、ふと気になってGoogle検索をかけたら、出てきた画像が衝撃的でした。
なんか、ちょっと気持ち悪い(笑)この旗はトリナクリア(ギリシア語で3本足という意味)と呼ばれています。中心にいるのはギリシア神話の女神メデューサで、ギリシアの影響を色濃く受けたシチリア島を反映しています。そこから蛇の代わりに生えているのは、シチリアの豊饒さを讃えるための小麦。そして顔から出ている3本脚は、シチリアを代表する3つの岬(メッシーナ、マルサーラ、パキーノ)を指しているのです。
特徴的な旗ということだけあって、シチリア各地どこでも様々なお土産が売られています。旗、ロゴをプリントしたシャツ、陶器のお皿、マグネットなどなど...。見ているうちにだんだん「キモカワイイ」と思えるものもあるかもしれません。
9.ゴッドファーザーのグッズ
誰でも知っているであろう、あのBGM。イタリアを舞台にしたハリウッド映画『ゴッドファーザー』は、イタリアのパレルモやタオルミーナ近郊の村々で撮影が行われており、それらのロケ地を訪れようとする観光客は後を絶ちません。
そんなシチリアでは、よくゴッドファーザーのパロディグッズのようなお土産を見かけました。お土産屋さんなので写真は撮れませんでしたが、「Io sono Padrino(私がゴッドファーザーだ).」と主人公のドン・ヴィトー・コルレオーネ(マーロン・ブランド)の写真とセットでプリントされたシャツなどが、特に面白かったです。
ゴッドファーザーのファンの方は是非。
10.コッポラ
シチリア生まれの伝統的な帽子コッポラ(Coppola)は、こちらも映画ゴッドファーザーを契機として有名になった、いわゆるハンチング帽です。
映画のせいで「マフィアの象徴」のように捉えられがちだったコッポラも、今ではシチリアのみならずイタリアのファッションのワンポイントとして注目され、親しまれてきています。
日本でもイタリアでも、比較的高齢の方は好んで身に着けているような印象ですが、若者への浸透度は、まだイマイチといったところでしょうか。流行を先取りしたい人は、オシャレな帽子を探してみては?
さいごに
いかがでしたか?歴史的にも様々な地域の支配を受けてきたシチリア州のお土産は、他の州に比べても本当にバラエティに富んでいるなと考えさせられることが多くあります。楽しい旅行には嬉しいお土産がつきもの。あなたも自分に会った素敵なお土産を見つけてみてくださいね!
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