ダヴィンチ、ラファエロ、ミケランジェロなど、ルネサンスの巨匠たちに隠れ、日本人にとって決して有名とは言えないカラヴァッジョ。ですが、彼の、黒をベースとした大胆な画法、暗い背景によって引き立つ光の使い方など、独特な趣を与えてくれます。
バロック時代の巨匠・カラヴァッジョを解説
カラヴァッジョとは?
本名ミケランジェロ・メリージ(Michelangelo Merisi)はルネサンス期後のバロック期に登場した画家です。1571年にミラノで、3人兄弟の長男として生まれました。ペストの流行をキッカケにもともと住んでいたミラノからカラヴァッジョという街に移り住んだと言われています。
つまり良く知られているカラヴァッジョという名前は、街の名前からとられています。
そのためその後は、ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジョ、つまりカラヴァッジョのミケランジェロ・メリージという名前で知られていくようになったのです。
どんな絵を描くの?
彼の絵は、黒で塗られている面が非常に多く、一見すると暗い印象を与えます。しかし、それと同時に彼は、スポットライトのように光を当てるのが非常に上手く、明暗がくっきりとした絵画が際立っています。
彼が一躍有名になったのは、『マタイ三部作』でした。
今日では、ローマのサン・ルイージ・デイ・フランチェージ教会で、出会うことができます。
また、こんな絵も有名です。
この『病めるバッカス』は、カラヴァッジョ自らがモチーフと言われています。バッカス(別名:ディオニッソス)は、顔色も悪く、とてもお酒の神様とは思えないような雰囲気です。また、顔の表情ばかりに注目してしまいがちですが、彼は静物、つまり動かないものを描く技術が素晴らしく高いのです。たしかにこのブドウは本物にそっくり。
ちなみに、彼の描いたもう一枚の『バッカス』はこちら。
こちらのバッカスのワイン瓶には、室内の景色が反射しているのだとか。いかに彼の技術が高いかがわかりますね。
波乱万丈の人生
彼の人生は、決して順風満帆なものではなく、乱闘や拘留など、波乱に満ちていました。彼はデル・モンテ枢機卿なども有力なパトロンを持ちながら、自らの行動をキッカケに教皇に死刑(破門?)を宣告され、追われる身となってしまいました。
その後渡ったナポリやマルタ島(彼は騎士団に入り、教皇からの破門を解いてもらおうと考えていたようです)でも、乱闘騒ぎを起こし、マルタ騎士団からも命を狙われる身となります。
その後、志半ば(半ばだったかは本人しかわかりませんが)の38歳で亡くなりました。
カラヴァッジョの評価
彼の絵画自体は非常に評価が高かったが、彼の素行の悪さを問題視する人は多くいたそうです。
また、彼が描くマリアのモデルは、高級娼婦や近所のおばさんだったこともあり、マリアのイメージとはかけ離れた彼女たちをモデルにしたことも、かなりの批判を浴びました。
ですが、彼は逃亡中の身になった後も絵を描くことをやめず、様々な名画をのこしました。
カラヴァッジョは来日していた!
もちろんカラヴァッジョ本人が来日していたのではありません(笑)ですが彼の作品が実は2016年に日本に来ていたのをご存知ですか?3/1~6/12の間、国立西洋美術館で『カラヴァッジョ展』が開催されていました。
どのような絵画が来ていたか、代表となる絵をいくつか載せておきます。
次は、カラヴァッジョの絵画を解説
いかがでしたか?次の記事「日本にも来ていた!バロック時代の巨匠・カラヴァッジョの絵画を解説」では、カラヴァッジョの代表となる作品たちを詳しく解説しながら紹介していきたいと思います。
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