モカ、エスプレッソ、ナポレターナ イタリア式コーヒーが飲める3つのマシン

モカ、エスプレッソ、ナポレターナ イタリア式コーヒーが飲める3つのマシン

ゆうさん

学生時代にローマ・サピエンツァ大学に留学し、シチリア出身マンマが統べる大家族にてホームステイ。今は日系企業で国際提供業務に従事する社会人3年目。イタリアで仕事をする機会を細々と狙っています。サザンオールスターズとサンドウィッチマンが大好き。

この記事のまとめ

イタリア式のコーヒーを飲めるのは「モカエクスプレス」「エスプレッソ」「ナポレターナ」の3種類。

日本で定番のドリップコーヒー以外のイタリア式コーヒーを飲んでみたい方の願いをかなえる3つのマシンを紹介する。どれも特徴があり、飲んでいてとても楽しいからオススメである。

イタリア式コーヒーが飲める3つのマシン

モカ・エクスプレス

左が2人用、右が6人用。

日本でもよく知られているモカ・エクスプレス(Moka Express)。別名はマキネッタ。イタリアの家庭では1,2つは用意されており、誰もが手軽に使いこなしている。

基本構造はシンプルだ。下の部分に水を入れ、上からフィルターを被せてそこにコーヒーの粉を入れる。火をかけると、沸騰した水がフィルターを通って噴水式に吹き上がる。コポコポと音がすれば完成だ。

直火で使えるので、キャンプにももってこい。

あまりにもビアレッティ社製のモカが有名だが、一応他にも扱っているメーカーは存在する。このモカ・エクスプレスという名前は、ビアレッティ(Bialetti)社が商標登録をしている。

エスプレッソの定義が分かっていないと、モカで淹れたものもエスプレッソと呼んでしまうが、厳密には違う。エスプレッソは9-10気圧という圧力をかけて急速に抽出したコーヒーを指す。もちろん、ドリップコーヒーで淹れるよりはずっと濃いものが出るのは確かだろうが、気圧は2-4くらいと低いため、モカで淹れたコーヒーはあくまでもモカと呼ばれることの方が多い感触だ。

コーヒーにうるさいイタリア人ならではかもしれない。

エスプレッソマシン

自宅にあるエスプレッソマシーン、デロンギ・マグニフィカ

エスプレッソ(Espresso)は、「急速に」という意味で、コーヒー以外では鉄道の特急電車などの意味で使われる。

最も一般的なのが、金属式のバスケット、取っ手付のカートリッジ兼コーヒーフィルターの中にコーヒー粉を入れてからタンパーでギュッと圧縮してはめ込み、レバーなどで強い気圧を与えて一気に抽出するマシン。

提供に時間のかかるドリップ式などと違い、30秒前後で提供可能なことからこの名で呼ばれることとなった説が有力である。

エスプレッソには、かならず極細挽き〜細挽きの粉を使う。細かくしないと一瞬でコーヒー全てを抽出し切れないのだ。そして急速にかつ豆を全て抽出するとなりと、油も全て落ちてくる。これがいわゆるクレマというやつで、クレマが立つことが美味しいエスプレッソの証左ともいわれる。

エスプレッソには深煎豆が用いられるが抽出量自体は30ml前後と非常にストロングスタイルだ。一口飲むだけでガツンと来て目が覚めるし、苦味が苦手な人は一瞬で口を曲げてしまうだろう。私が本場のエスプレッソを飲んだのは高校生の時だったが、あの強烈さは今も忘れない。

そんなエスプレッソに使われる豆は、香りが強いアラビカ種と苦味が強いロブスタ種を混ぜるか、もしくはロブスタ種だけを用いる。ここがスターバックスなどのシアトル系との違いで、あちらはアラビカ種だけを使って仕上げるので、同じエスプレッソでもややあっさりした印象を与える。

エスプレッソマシーンはかなり値が張り、安くても2万円くらいからだ。最もポピュラーな自動のエスプレッソマシーンを提供しているデロンギのエントリーモデル「マグニフィカ」でも6万円くらいはするので、決して安い買い物ではない。だが、この手頃さとおいしさは一度使うと離れられない。ボーナスなどの臨時収入が入った際には是非おすすめしたいものである。

ナポレターナ

ナポレターナという名前なのに、実は名前の明確な起源は分かっていないというのだから、少し驚く。二段式になっていて少しスペースを取るがポットの形をしている。

初めて見た時は「これ、どうやって使うんだろう?」と思われるかもしれないが、とても平たく言うと、砂時計のように使う。

下のポットに水を入れて、その上にコーヒー粉をセットし、上のポットで蓋をして火をつける。水は沸騰しながら蒸気を出し、粉を適切な温度に蒸らしてくれるので、この辺りから部屋にほんのりとコーヒーの香りが広がる。沸騰したら、ポットをひっくり返す。こうすることで沸騰した熱湯がコーヒー粉を浸し、徐々に抽出が始まる。

こうしてしまえば、あとはドリップコーヒーと同じ原理で、粉を通過してコーヒーができあがる。モカは水の沸騰する力を使って直接コーヒー粉を通過させ、噴水のように上に噴き上げるのが特徴。ナポレターナも沸騰の力を使うところまでは同じだが、あくまでもそれは蒸らすためだ。その後はドリップ式と同じく重量を使って下に落とす。

ナポレターナで抽出したコーヒーは、ドリップとは一線を画するフルボディでパンチのある味わいになる。理由はペーパードリップの場合、フィルターがコーヒー粉の油を吸収するが、アルミニウム製のナポレターナの場合、油も含めて落ちてくる。エスプレッソやモカも同じ原理だが、ナポレターナはドリップと似ているため、より比較が際立つかもしれない。

残念ながこのナポレターナを提供している日本のお店はないのではないか。もし試したい方は、それほど高くないので、ナポレターナを思い切って購入してみてはどうだろうか。あなたのコーヒーライフも広がると思う。

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さいごに

イタリア式コーヒーと言っても、飲み方は千差万別。そして豆の種類によって楽しみ方はいくらでもひろがるので、あなた流のコーヒーライフをぜひ楽しんでみてもらいたい。

この記事を読んだあなたに

また、さらにコーヒーライフをひろげたければ、以下の映画や本に触れてみてはどうだろうか。

①映画「カフェ・ソスペーソ~優しさがつなぐ一杯」

イタリアのナポリには、自分のコーヒー代に加え、次にバールを訪れた貧しい人、つまりコーヒー代すら出すことができない人、のためにもう1杯分の代金を置いていく、ちょっと素敵な文化がある。あるナポリのバールに訪れる人々の人間模様を追った、Netflixオリジナルのドキュメンタリー作品だ。

Netflixで視聴

完成度がそれほど高い作品ではないのだが、イタリアのバール文化を紐解く上で役に立つと思う。

②書籍「THE COFFEE BOOK」

決して安くはないのだが、たまたま持っていた図書カードを足しにして衝動買いした。イタリアのコーヒー文化とは直接関係ないのだが、今自分が淹れている、飲んでいるコーヒーはどこから・どのように来たのかを知るためのいわば図鑑のようなものだ。

③ラヴァッツァのコーヒー豆

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イタリアを代表するコーヒーメーカーの豆を購入して、エスプレッソを飲んでみるのはいかがだろうか。オススメはイタリア家庭の超定番であるラヴァッツァ。アラビカ種100%で非常に香り高く、かつ苦味を感じる美味しい豆だ。日本でも手ごろな価格で手に入るのもありがたい。

BUONO ITALIAの記事

私がコーヒーにハマりだしたのはここ半年くらいのことだが、それ以前よりイタリアとコーヒーに関する知識はちょっとだけ持っていた。イタリア人にとってコーヒーがどんなものなのか?イタリア人はスターバックス文化をどのように捉えているのか?ポップな文体から堅めの記事まで、いくつか取り揃えているので、時間があれば併せて読んでもらいたい。

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学生時代にローマ・サピエンツァ大学に留学し、シチリア出身マンマが統べる大家族にてホームステイ。今は日系企業で国際提供業務に従事する社会人3年目。イタリアで仕事をする機会を細々と狙っています。サザンオールスターズとサンドウィッチマンが大好き。

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