イタリア "モリーゼ州をプレゼント"1週間宿泊無料プロジェクト

イタリア "モリーゼ州をプレゼント"1週間宿泊無料プロジェクト

Kanba

イタリアの海沿いの小さな町に住んでいます。イタリアの大学を卒業後、日本の企業のために働いています。天気が良い週末は砂浜で筋トレしたり、庭でオーガニック野菜を作ったりしています。主に穀物・野菜・果物・ナッツ類を食べて暮らしています。

モリーゼ州の町サン・ジョヴァンニ・イン・ガルドの宿泊コストゼロ・プラン

イタリア南部のモリーゼ州カンポバッソ県にあるコムーネ(基礎自治体)サン・ジョヴァンニ・イン・ガルドで地元の文化団体『アミーチ・デル・モッルット(Amici del Morrutto)』が、同コムーネとともに"モリーゼ州をプレゼント(Regalati il Molise)"という観光促進&過疎化対策プロジェクトを発表しました。

文化団体『アミーチ・デル・モッルット(Amici del Morrutto)』の公式サイト

サン・ジョヴァンニ・イン・ガルドは、人口600名ほどの小さなコムーネで、文化団体『アミーチ・デル・モッルット(Amici del Morrutto)』の公式サイトによると、同プロジェクトをモリーゼ州の典型的な小さな一つの村で生まれた大きなイニシアティブとして立ち上げたそうです。

この゛モリーゼ州をプレゼント(Regalati il Molise)゛という企画は、観光客へのアピールや地域再生を目的として2020年7月4日から10月3日までの期間、1週間の宿泊(計40か所)を無料提供する試みだということです。

"モリーゼ州をプレゼント(Regalati il Molise)"プロジェクトの申し込み条件

無料提供される宿泊施設は、すべてサン・ジョヴァンニ・イン・ガルドにあり、ホテルではなくて個人の家屋になるそうで、このプロジェクトへの参加条件や規定等はおおよそ下記のようになります。

1.利用可能な滞在期間

2020年7月4日から2020年10月3日までの期間で計40か所の宿泊施設で1週間の宿泊を無料提供。

2.同プロジェクトの宿泊施設

ジョヴァンニ・イン・ガルドにある個人の家屋に宿泊。各宿泊場所にはベッド(2台から4台)、家具、キッチン用品、リンネ完備。

3.到着と出発

すべての宿泊は、土曜日から始まり、翌週の土曜日に終了。15時にチェックイン、10時にチェックアウト。

4.参加資格条件

モリーゼ州在住者、または、親類がモリーゼ州に在住しているか、モリーゼ州に家がある者はこのプロジェクトへの参加不可。

5.損害補償

宿泊者は、宿泊場所を元通りの状態で後にすること。宿泊提供された家屋の損害等は、宿泊者が補償すること。

6.宿泊の取り消し

地域社会の生活に害を及ぼす行為、または、市民生活の規則に反する行動を発見した場合は、家屋提供者が利用者の宿泊を取り消すことができる。また、申し込み時に記載された名前以外の者は宿泊不可。

7.リクエストの受け入れ

主催者側が、モリーゼ州から遠く離れた場所からの申し込みやモリーゼ州を訪問したい動機などを勘案して参加リクエストの受け入れを決定。

8.無料宿泊提供

このプロジェクトへの参加者は、宿泊する家屋を無料提供される。食事と旅費は宿泊者負担。

9.証明書と連絡先

到着時に身分証明書を提示し、これらの規定への同意に署名が必要。

"モリーゼ州をプレゼント(Regalati il Molise)"への応募が殺到

このような条件のもとでプロジェクトが正式に発表されるや否や、申し込みが殺到したということです。トリノ、フィレンツェ、ボローニャ、パルマ、ジェノヴァ、パドヴァ、ナポリなどイタリア国内からの参加リクエストはもちろん、フランス、アイルランド、ポーランド、ウクライナなどイタリア国外からの申し込みも多く寄せられたようです。

写真:文化団体『アミーチ・デル・モッルット(Amici del Morrutto)』の公式サイトから

また、イタリア国内外のメディアがこのモリーゼ州の小さなコムーネの取り組むを取り上げて、全世界に向けてプロジェクトを発信することができたということです。

申し込み殺到で2020年度の受け付けは終了へ

参加フォームに必要事項を記入してこの1週間宿泊無料プロジェクトに2020年6月22日から9月20日まで申し込みできるようになっていましたが、文化団体『アミーチ・デル・モッルット(Amici del Morrutto)』の公式サイトによると、数多くの応募があり2020年度の申し込みは締め切られたということです。

写真:文化団体『アミーチ・デル・モッルット(Amici del Morrutto)』の公式サイトから

なお、このプロジェクトは、特に宿泊施設を持たないことが多い小さな村を価値づけるためのパイロット・プロジェクトになることも目指して企画されたそうです。

2021年度からは、モリーゼ州の他のコムーネの村々にも協力を依頼して、地域全体で無料で宿泊を提供するホスピタリティのネットワークを構築することも視野に入れているということです。

サン・ジョヴァンニ・イン・ガルドでも過疎化のために何年もの間ずっと放置されたままになっている家が何百軒も旧市街地などに存在しているようです。

地域活性化に向けて

過疎化に苦しむイタリア南部のコムーネ(基礎自治体)サン・ジョヴァンニ・イン・ガルドの1週間宿泊無料プロジェクト。イタリア国内外のメディアにも取り上げられ応募殺到で締め切らたということですが、2021年度にはどのような企画が発表されるでしょうか。

地元の文化団体『アミーチ・デル・モッルット(Amici del Morrutto)』の公式サイトに記載されているように、モリーゼ州の他のコムーネの村々と協力してもっと大規模な観光客を迎えるホスピタリティのネットワークを作り出し一大観光地の創生へと向けて進んでいくことになるでしょうか。

地域活性化のモデルとしても゛モリーゼ州をプレゼント(Regalati il Molise)゛プロジェクトが今後どのような展開を見せるか注目されています。

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