イタリア、ジェンツァーノの花祭り『インフィオラータ 2020』の状況

イタリア、ジェンツァーノの花祭り『インフィオラータ 2020』の状況

Kanba

イタリアの海沿いの小さな町に住んでいます。イタリアの大学を卒業後、日本の企業のために働いています。天気が良い週末は砂浜で筋トレしたり、庭でオーガニック野菜を作ったりしています。主に穀物・野菜・果物・ナッツ類を食べて暮らしています。

ジェンツァーノの花祭り『インフィオラータ(Infiorata)

ローマ近郊の都市ジェンツァーノ・ディ・ローマ(Genzano di Roma)で毎年開かれている盛大な花祭り『インフィオラータ』。

ジェンツァーノ・ディ・ローマ市の公式サイトによると、2020年度の花祭り『インフィオラータ』は6月13日~15日に開かれる予定だったそうですが、ソーシャル・ディスタンスの確保など新型コロナウイルスの感染防止のために中止になったということです。

ジェンツァーノの花祭り『インフィオラータ』は、1778年から続く伝統行事で、この花祭りの期間、ジェンツァーノの大通り(イタロ・ベラルディ通り / Via Italo Belardi)が花びらのカーペットで覆われるようです。

ジェンツァーノの花祭り『インフィオラータ』 通常開催時の様子 / L'INFIORATA DI GENZANO DI ROMA Facebook

2000平方メートルほどにも及ぶ大通りに花で14枚の絵が描かれるそうで、宗教的、歴史的、民俗的にも重要なイベントになっているようです。この素晴らしい花の絨毯を一目見ようと多くの観光客が毎年イタリア国内外から訪れるそうです。

ジェンツァーノの花祭り『インフィオラータ』 通常開催時の花びらで描かれた絵

ジェンツァーノの花祭り『インフィオラータ』の開催日は、毎年変わるようですが、キリスト聖体祭の行事の一部として基本的に6月に開かれているようです。

ジェンツァーノ・ディ・ローマ市の公式サイトによると、イベントが行われる週の木曜日に花びらを花から切り取って市役所に設置されている箱に色ごとに分けて花びらを保管するということです。

そして、金曜日に大通りに花びらで描くデッサンの準備をして、土曜日の夜と日曜日の朝に花びらをスケッチに沿って敷き詰めていくようです。

また、日曜日の午後には、花の絨毯で覆われた道を聖体の行列が通り、月曜日には、ブラスバンドと民族衣装などを身につけた地元住民の行進がフラワーカーペット上で行われるということです。

ジェンツァーノの花祭り『インフィオラータ』 通常開催時の花びらで描かれた絵

花祭り『インフィオラータ』は、サンタ・マリア・デッラ・チーマ(Santa Maria della Cima)教会前の階段を子どもたちが駆け出し、花で敷き詰められた大通りを゛元通りに戻して゛終了となるようです。

花祭り『インフィオラータ』の年間スケジュール

200年以上も続く歴史あるジェンツァーノの花祭り『インフィオラータ』ですが、おおよそ下記のような年間スケジュールのもとで毎年開催されているようです。

年間スケジュール

1月~2月:図案の構想と準備

3月:実際に描かれるスケッチの決定

4月:花祭りに必要な花や植物などの準備

5月:花祭り用の作業場のオープン

6月:花祭り『インフィオラータ』の開催

7月~8月:翌年の花祭りのための花や植物の在庫管理

9月~10月:教会とともに翌年の花祭りの日程調整

11月~12月:翌年の花祭りのテーマ選び


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新型コロナウイルスの影響でバーチャルに

2020年度のジェンツァーノの花祭り『インフィオラータ』は、新型コロナウイルスの影響のために残念ならが開催されなかったようですが、ジェンツァーノ・ディ・ローマ市はこの伝統を絶やさないためにもバーチャル・アート・プロジェクトを立ち上げたということです。

2020年度の花祭り『インフィオラータ』のテーマは、゛芸術、美、自然の中の神聖さ゛だそうですが、゛繋がり゛も重要視されているようです。

実際、花祭り『インフィオラータ 2020』のための予算の一部が、新型コロナウイルスの影響で困難な状況に置かれている市民を援助するためにも使われるということです。

なお、ジェンツァーノ・ディ・ローマ市は、今回のバーチャル・アート・プロジェクトの一環として花祭り『インフィオラータ 2020』のオマージュ映像をYoutubeの公式サイトにアップしているようです。

ジェンツァーノの花祭り『インフィオラータ2020』 / オマージュ映像 Youtube

親から子へと受け継がれる心

ジェンツァーノの花祭り『インフィオラータ』では、多種多様な花や植物を織り交ぜて彩り豊かな模様や人物や動物や風景などが道に描かれるようですが、花や植物などの選び出し、色の組み合わせ、花びらの処理、道路に花びらを敷き詰める技芸などは、200年以上に渡って上の世代から下の世代へと目、手、頭、そして心を通して受け継がれているということです。

2020年度の花祭り『インフィオラータ』は新型コロナウイルスの影響で開催できずにバーチャル・アート・プロジェクトとなってしまったようですが、ジェンツァーノの住民にとっては欠かすことができない大切な年中行事で今後もずっと続いていくことになるようです。

ちなみに、ジェンツァーノ・ディ・ローマ市のサンタ・マリア・デッラ・チーマ教会付近からネミ湖が見渡せるそうです。

ジェンツァーノ・ディ・ローマ市から見たネミ湖

ネミ湖辺りは、古代から避暑地とされていたようで、ローマ皇帝カリグラによって造られた2隻の船が湖の底から発見されているそうです。また、湖付近にはジェームズ・フレイザーの『金枝篇』に描かれているディアナ神殿の遺跡があるようです。

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