【5/4更新】【じっくり解説】イタリアの航空会社アリタリア、破産

 2017/05/02

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イタリアのフラッグキャリア、また...

イタリアを代表する航空会社であるアリタリア航空は、ここ10年で2回目となる破産手続きを開始しました。様々なニュースなどでも報道されていますが、本記事では簡単な時系列、アリタリアの今後の動向などをゆっくり見ていきたいと思います。

2008年の経営破綻から...

2008年にも経営破綻していたアリタリア航空。一時は国の下に置かれながらの再建を進め、その後の2014年には中東の航空会社エティハド航空が株式を49%購入する形での資金注入を行いました。

そのため、同社の大株主はアラブ首長国連邦(UAE)・アブダビのエティハド航空やイタリアの銀行。何とか復興の道筋を歩み、再建に取り組んだものの、慢性的な赤字を改善することはできませんでした。

LCCに負けたフラッグキャリア

再建が想像以上にうまくいかなかった要因として、LCCキャリアの台頭を挙げることができるでしょう。ヨーロッパLCC最大手のライアンエアーやイージージェットなどは、破格の値段で就航し、多くの顧客を獲得しています。競合相手に敗れる形になったアリタリア航空。

その後はイタリアの外を出て、日本への就航便を増やしたり、アフリカの会社とコードシェアをしたり、リゾート島などへの直行便を飛ばしたりと色々な改善策を行いましたが、その不透明な方針などが影響を与えたことは言うまでもないでしょう。

最後の手段だった資金注入

相当な経営危機に陥っていたアリタリア航空は首が回らなくなり、最終的にはエティハド航空からの資金注入話が出るように。そしてエティハド航空からの€20億(約2500億円)にもなる支援の提案がありました。

ただそれを受け取るためには、アリタリア航空はエティハド航空に対して、明確な再建案を提示しなければなりませんでした。これまでの赤字状況を考えれば、エティハド航空からのこの条件は当然ともいえるでしょう。

労働組合との交渉は白紙

筆頭株主であるエティハド航空からの資金注入を得るためには、前述の通りアリタリアは明確な再建案を提示しなければなりませんでした。そのために最も重要だったのが「従業員1500人を解雇する」という項目。労働組合と協議が重ねられましたが、結果的に組合側がこれを全面拒否。

そして、エティハド航空からの支援を受けられなくなったアリタリアは、支払い能力・会社維持のためのあらゆる選択肢を使い果たしたとされ、破産という道を選ぶほかありませんでした。取締役会は発表資料の中で「アリタリアが置かれている経済、財務面の深刻な状況を認めた」とコメントしています。

拒否は想定内?

イタリア全体の財政難と重なるように、アリタリア航空もかなりの危機に瀕していたということは、そこで働く社員たちも苦しい生活を強いられていたということ。何にせよ、2017年に入ってから2月23日と4月4日の、既に2回もストライキが行われているほど。いかに社員が現状に不満を感じているかわかるはずです。

実際のところ4月14日には、再建案に対しての合意報道が出ましたが、やはり最終的には飲み込むことができず、拒否という結果になったと考えられます。

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