日本人にとって、自分の国である日本が、どのように評価されているのかはやっぱり気になりますよね?また、イタリアに来て日本語を勉強している人に会うたびに、彼ら・彼女らはなぜ日本語を勉強しているんだろう、ということにとても興味がありました。
本記事では、日本が大好きで昨年まで1年間日本に留学していた、私の友人のうちの一人に、なぜ日本語を勉強しているのか、日本についてどのようなことを考えているかについてのインタビューをまとめてみました。
協力してくれたのはアレッサンドロさん
今回インタビューに協力してくれたのは、アレッサンドロさん。簡単にプロフィールを紹介したいと思います。彼はサルデーニャ島の出身で、ローマの大学に通うためにローマに出てきました。
そして大学では東洋学部に所属して日本語を勉強し、昨年から今年にかけての1年間、日本に留学していました。ちなみに私と彼はそこで出会いました。
その後帰国し大学を卒業、現在は来年の日本再留学を目指して、就職して留学資金を貯めているところです。
本記事では、彼の日本語をなるべくそのまま掲載する形をとっています(加筆などは行っていません)。
1.日本への興味
なぜ日本語を勉強しているのですか?
日本語を勉強した理由はいろいろです。言語をはじめ、歴史や宗教や音楽や、特に文化が大好きですから。
特に、環境と日本人との関係が、私にとって一番重要な理由です。少年の時、時々いくつか日本のニュースとか、噂とかを聞いて、ゆっくり一歩一歩日本を知り始めました。
私にとって、日本人は他の人や環境に尊敬の気持ちを示していて、いつも優しいですから、私は心を奪われ、日本語を勉強したくなりました。
環境とは具体的にどんなことですか?
私の心を一番奪った日本についての噂は、日本人がゴミを道や歩道に捨てるわけにはいかないという噂でした。
イタリア人の大半、特に若者にとっては、ゴミを捨てるのは普通のことです。一方で 日本人にとっては、ゴミが小さくても、捨てるのが本当に悪いことです。
たくさんの人々にはこの理由が大事ではないかもしれません。ですが私は人々がこのような小さなことにも気を配れるなら、他のこと、環境にでも、他の人々にでも、尊敬の念を抱いているに違いないと思っています。
2.日本に来て感じたこと
アレッサンドロさんは、1年日本の大学に留学していましたよね
はい。私たちはそこで出会いました。
実際に日本を訪れてみて、どのような印象を持ちましたか?
日本に留学する前に、他の国を訪問したことがありました。時々私にちょっと悪い印象を与える国もあれば、いい印象を与えた国もありました。
ですが、これらの国での経験と違って、日本は私が思っていたように素晴らしかったのです。日本は私に、ただいい印象だけを与えてくれました。
何か驚いたことなどはありましたか?
私が一番びっくりした日本についてのことは、安心と安全でした。日本は夜も含め一日中どこでも安全と安心だったし、少し人影のないようなところを訪問しても、いつもいい雰囲気が漂っていました。
イタリアでの夜は、いつも以上の注意が必要になりますよね。それに比べると日本はかなり安全だと言えます。
3.日本語の勉強
アレッサンドロさんは大学で日本語を勉強していますが、日本語は難しいですか?
そうです。子供の時、学校でいつも外国語を勉強しなければならなかったのですが、日本語の勉強は一番難しいと思っています。今まで私が勉強した言語の中では、日本語が一番イタリア語との共有点が全くない言語です。
私は日本語をもう4年間勉強しているのに、私には日本語についての一番難しいことは文法で、イタリア語の文法とは反対だからです。
いつも漢字が難しいと話していますよね(笑)
そうです。その上、漢字も難しいです。たくさんの漢字に音読み・訓読みなど色々な読み方があるから、全てを考えるのは難しくなってしまいます。
そして何かを読む時、知らなくて、ふりがなのない漢字を見つけたら、文章がわかりにくいです。その結果、日本語を身につけるために、まだたくさん時間がかかるような気がします。
日本語で会話をするのはどうですか?
日本語で話すのも難しいです。難しいことは発音ではありません。
幸運にもイタリア語と同じで、難しいのは長い文法を作ることです。イタリア語と違って、日本語は主語を動詞の前に置くから、特に長い文章を作るとき、時々動詞を主語一致させにくいです。
将来のこと
これから先は何をしたいと考えていますか?
私は、日本で働きたいと思っているので、今している仕事は一時的なお金を貯めるための仕事として考えています。
日本ではどんなことがしたいですか?
将来したいことの中で一番大切なのは、日本と関係があることです。まずできれば、大学のマスターなどの修士課程を終えたり、日本に暮らしに移動したりしたいです。
また、観光と関係がある仕事や、教育の仕事、例えばイタリア語の先生になるなどの仕事をしたりしたいと考えています。
さいごに
いかがだったでしょうか。私個人としては「日本人は小さなことにも気を配れるから、きっと人やその他のものに対しても尊重できる」という彼の視点には驚かされましたし、そうあらなければならないなと感じました。
彼の日本への挑戦は、新たに始まったばかりです。これからもお互いの言語を勉強し合いながらともに支え合っていきたいと考えています。