イタリア人とコーヒーの深い関係
皆さんは、「コーヒー」と聞いた時にどの国をイメージしますか?
スターバックスなどの大手チェーンなどの本家であるアメリカや、コーヒー豆の有名な原産地であるエチオピアなどを思い出すかもしれません。
そして、そういった国と並んでコーヒーにおいて非常に深い文化を持っているのがイタリアです。イタリア人はコーヒーに対するこだわりを持つ人が多く、イタリア人とコーヒーの関係を探っていくと、さまざまなことが見えてきて非常に面白いんです。
そこで本記事では、私が留学中に出会ったイタリア人とコーヒーとのエピソードについてご紹介いたします。なお、本記事ではイタリアコーヒーの歴史や豆、コーヒーの種類などの説明は省略し、「実際に私の目で見たイタリア人とコーヒー」という面のみに絞って取り上げます。
イタリア人とコーヒーの5つのエピソード
1.朝はカプチーノ
一般的にですが、イタリア人の朝はカプチーノから始まります。カプチーノといわれると私たち日本人にも非常に馴染みのある飲み物で、エスプレッソコーヒーに泡だてたミルクを注いで作ります。
朝のカフェを訪れるとだいたい7.8割くらいの人がカプチーノとコルネット(Cornetto,クロワッサン)のような甘いパンを注文している印象です。一方他の2割の人は、通常のエスプレッソやその他の飲み物(オレンジジュースが人気)などを注文しています。
ちなみに家庭での朝の飲み物は全然まちまちで、カフェラテ、エスプレッソ、オルツォ(後述)、などなど...。やはりイタリア人はコーヒーを飲むからといって、全員100%コーヒーを朝飲むというわけではありませんね。
2.昼はエスプレッソ
さて、ランチタイムや昼過ぎなどの時間帯には何を飲んでいるのでしょうか。大抵の人はエスプレッソを飲みます。先ほどもでてきたエスプレッソですが、私たちからするととても苦いコーヒーとして有名ですね。
ランチタイムにコーヒーを飲む理由は色々あるかと思いますが、やはり飲むと口が非常にサッパリしますし、頭もシャキッとしてきます。
特にイタリアでは、ランチからワインを飲むことも多く、そういった意味でも濃いエスプレッソを飲んでスッキリとした状態で午後からの仕事に臨みたいようです。
3.エスプレッソはパパっと
日本人からするととってもにが〜いエスプレッソで、とても一気飲みなんてできなそうなものです。
一方イタリア人は、外のバールで飲む場合、エスプレッソに関しては続けて何口かで一気に飲んでしまいます。ランチの後に口をスッキリさせたり目を覚ましたりするためのコーヒー。あまりダラダラと味わうものではないようですね。
ちなみに家でコーヒーを飲むときは、その辺のルールは特にない様子で、自分のペースで適当に味わっていますよ。
4.カフェインに弱い人は大麦コーヒー
さて、この点はあまり認知されていない点でしょう。
イタリア人に深く根ざしているコーヒーですが、中にはカフェインに弱い人もいます。実際私のホームステイ先でも、お腹が弱いマンマや他の親戚は積極的にコーヒーを飲むことはしませんでした。
代わりによく飲まれているのが大麦のコーヒーであるカッフェ・オルツォ(Caffè d'orzo)。カフェインは非常に少ないため、一日に何杯もコーヒー豆のコーヒーを飲めない人は、ランチの後などに飲むことが多いですよ。
またスーパーなどでの値段も安く、一般的なコーヒーが500gで€6程度なのに対し、オルツォは€1.5程度。味としてはやはり「ちょっと薄いコーヒー」って感じの味ですが、イタリア式の苦いエスプレッソが苦手な方は、意外とこちらの方がお好みかもしれません。
5.アメリカのコーヒーへの評価
さてここで、日本で圧倒的なシェアを誇っているアメリカ式のドリップコーヒー、またアメリカのチェーン店に対するイタリア人の意見を紹介しておきましょう。一言で言うと最悪で、私はアメリカ式コーヒーを評価するイタリア人を1人たりともみたことがありません。
口を揃えるかのように「気持ち悪い」「あんな薄いコーヒーなんて飲めない」とやや過激なまでに語ります。中には「アメリカ式コーヒーは汚れた水(コーヒーが茶色いので)だろ」なんて言う人もいて、驚きを通り越して笑ってしまいました。
また、2017年秋に、イタリア初のスターバックスがミラノにオープンするのでしが、それに対しても多くの人が懐疑的な目を向けています。スタバにはコーヒー以外の飲み物を飲みにいく人はいるでしょうが、興味本位の人を除いて誰がリピーターになるのでしょうか。
もっとも、20年以上前に散々大反対を受けながらもローマに一号店をオープンしたマクドナルドが、イタリア中に広がっているのをみると、スタバも意外と...ということもあり得るのかもしれませんが。
さいごに
いかがでしたか?イタリア人とコーヒーの関係について、皆さんが思った通りの面もあれば、そうでない面もあったのではないかなと思います。コーヒー1つにとっても、様々なイタリア人の様子を見ることができててとても面白いもの。
皆さんも朝やランチの後は、是非バールへ行ってみては?
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