イタリアへ留学する前に
イタリアへの留学を考えていらっしゃる皆さん。あなたはなぜイタリアに留学したいですか?
- 留学には行きたいけど、何をしたいのかわからない
- なんとなくビジョンはあるけど、言葉にするのが難しい
- だけど、なんとなく留学するのは嫌!
というような悩みを持っている方は、留学前であれば多いのではないでしょうか。
そして、こういった方は、是非「留学計画書」を書いてみることをオススメします。留学計画書というと、日本で通っている大学や、奨学金の申請などのために提出するような場合が多いとは思います。そうなると自主的に留学計画書を書く方は少ないとは思うのですが、だからこそ、私はこの重要性についてお話ししたいのです。
本記事では留学に行った後だから分かる、留学計画書の重要性と、実際の書き方などについて、ご紹介いたします。
留学計画書を書く理由
早速ですが、なぜ留学計画書を書く必要があるのでしょうか。
1.頭を整理する
自分の中で、「一体イタリアに行って自分は何になりたいのか」想像がつかない時があります。例えばとりあえず行ってみたはいいけど、語学も成長しなかったし、したいこともできなかった、という風になるのは一番避けなければならないことです。
そして、これらの悩みというのは、誰もが抱いているもので、なかなか頭の中だけで考えても、答えは出すことができません。
そこで、具体的なタームやすべきことを半ば強制的に決めさせられてしまう、留学計画書の作成は、その答えを出す上で一つのカギになるのです。
私がしたいことを書き出してみる、その中でどれが実現可能か考えて、やっぱりできないことは切る。そしてこれらのことをどのくらいの期間があれば自分は達成できるのか。自分がしたいことをするためには、どのように振舞うのが良いのか。そして、留学が終わったら、どうしたいのか...。
このような一連の作業は、自分の考えや目的を明確にする上で、とても大切になります。
2.自分にプレッシャーをかけられる
さて、このようにして自分なりに考えて決めた留学中で頑張りたいことを、おいそれと捨てるわけにはいきません。
「両親からお金を出してもらっている」とか「自分のキャリアを捨てて留学する」という様々な状況下において「だからこそ、こうゆう風にして失敗しないようにしなければ」と計画を立てることで、自分自身にプレッシャーをかけることができます。
「留学を開始する前にどうなっていたら、ベストなスタートを切れる」か考える。それは留学前の生活をより濃密なものにしてくれるはずです。
3.留学中をムダなく過ごす
計画を立てることは留学前よりも留学中に最も効果を表します。自分が設定した「なりたい自分」と今の自分との距離を、目標を使いながら測ることができるからです。例えば自分が少し道にそれそうになったり、だらけそうになってしまった時に「自分は留学中にこうするって決めたじゃん」とふと考えることができれば「もうひと踏ん張りしてみようか」と思いなおせるはずです。
充実感を持って過ごすためにも、目標を持ち、計画することは、とにかく大切なことではないでしょうか。
4.計画は変わってもいいから書く
ですが留学計画書は実際に留学してみると、なかなかその通りにはいかないことが多いです。様々な誘惑に負けてしまうこともあるかもしれません。必要に迫られて、計画の変更を余儀なくされることもあるかもしれません。
ですがそれでもいいんです。留学中にもともと持っていた目標や計画を変更した人と、もともと特に何も考えずにフラフラと好きなことをやっている人とでは、留学中の様々な面で明らかな差が出てきます。前者は何事(それがたとえ遊びや交流であっても)にも熱意を持っているのに対し、後者はいわゆる惰性で時間を過ごします。
以上の点から私は、留学計画書を書いて、自分の留学についてしっかりと考えるべきだと思うのです。
留学計画書の書き方
さてここからは、肝心の留学計画書の書き方についてです。どのような点に注意しながら考え、書けばよいのでしょうか。書いておくべき項目をご紹介します。
ここでは「イタリア語の翻訳家になりたい人」を例にとって考えてみます。
大きな軸
夢
まずは夢を考えてみましょう。次に説明する目標やゴールなどと重なってしまいそうですが、ここでは、自分が今、そして留学した後でも叶えたい「大きな夢」について考えてみましょう。
例えば「日本で一番のイタリア語翻訳家になる!」や「翻訳で絶対に賞を取る」などです。留学に限ったことではなくても構いません(例のクオリティが低く、翻訳家の方がお読みになられましたら、お詫び申し上げます。あくまでも目標設定の一例として考えていただければ幸いです)。
目標・ゴール
そして次に留学中に絞っていきます。ではその大きすぎる夢を叶えるためには、あなたはこのイタリアでの留学で何がしたいでしょうか。さきほどの夢よりも少し細かく考えていきます。
例えば「この1年間で翻訳学の基礎を必ずつける」や「イタリア国内で稼げるように○○出版社とのコネを何としても作る」などが挙げられます。
留学の詳細
この辺りから徐々に具体性が増すような内容にしていきます。留学の目標・ゴールを叶えるために、限られた時間の中で何ができそうか考えるのです。
志望する街、学校・大学を選ぶ理由
具体的にどの街、学校に留学するかなども、留学を考える上で必ず決めなければなりませんが、その時にも「なぜここなんだろう?」と想像し、綴ってみましょう。
例えば文学作品としてイタリア人作家ウンベルト・エーコが好きな場合は、彼が通っていたトリノ大学があるトリノで、同じように授業を受けてみたい、というような「好み」の類でもよいので書いてみます。
とにかく大事なことは、可視化することです。
留学中の計画
では実際に自分の留学生活をどのように使うのか考えます。
1年の留学であれば、最初の半年間は、翻訳論に関する授業を受講しながら、まずは体系学的に学ぶ。そして後期は授業の傍ら、フィールドワークなどとして好きな作品の舞台となった都市や、好きな作家と何らかの繋がりのある人を探してみたり、イベントに参加してみるなど、です。
実際にいかなければ分からないことも多くあるでしょうが、それでも是非やってみて欲しいことです。ついでに、実現可能性なども意識しておいた方が良いでしょう。
実現するためにすべきこと(留学前・留学中)
では実現するために、しなければならないことを逆算しながら考えていきます。
目標と自分との距離が、ここまでじっくり計画を練れば少しずつ明らかになってくると思いますので、その間を埋めるためにすべきことを考えるのです。
例えば留学前の計画であれば、イタリア語力を○○レベルまで上げておく、そのためには○○という教材を使いながら、その空いた時間で好きな作家のイタリア語版書籍を2冊読み終える、など、けっこう具体的でいいかもしれません。
私としては、自分の留学の際、もう少しここの具体性を持たせておけば、留学前にさらにできることが多かったのではないか、と感じております。
留学中も同様に、具体性のある計画を考えておきましょう。
さいごに
いかがでしたか?留学計画書の大切さやポイントについて説明させていただきました。留学の青写真はなかなか描きにくく、難しく感じられるかもしれませんが、その一歩一歩がきっと帰国後のあなたを成長させてくれるはずです。