外出制限下のイタリアの市民生活の実態とは

外出制限下のイタリアの市民生活の実態とは

Kanba

イタリアの海沿いの小さな町に住んでいます。イタリアの大学を卒業後、日本の企業のために働いています。天気が良い週末は砂浜で筋トレしたり、庭でオーガニック野菜を作ったりしています。主に穀物・野菜・果物・ナッツ類を食べて暮らしています。

はじめに

イタリアのコンテ首相が、4月1日に新型コロナウイルスの感染拡大を受けて出された移動制限などの措置を4月13日まで延長すると発表しました。

3月10日からイタリア全土で原則外出は禁じられており、当初この措置は4月3日までの予定でしたが、新型コロナウイルスの感染状況を鑑みて4月13日まで適用されることになったようです。

4月12日がイースターで13日がイースター・マンデーに当たり、多くの市民が親類を訪問する目的等でイタリア国内を移動し感染がさらに急激に拡大するのを防ぐためという意図もあるようですが、今後の状況次第では更なる延長もあるかもしれないということです。

そんなロックダウン下のイタリアの市民生活の一部を在伊の筆者の状況と合わせてご紹介していきます。なお、写真は、すべて筆者が撮ったものです。

通行人も車も全くない通り 3月16日撮影

ロックダウン下の市民生活

1.人が疎らになったローマの玄関口 テルミニ駅

3月10日にイタリア全土に行動制限が出された時点では、基本的に職業上、健康上の理由であれば移動は許可されていました。

ローマの玄関口であるテルミニ駅の構内にあるレストラン、バール、ショップ等も開いており、いつもよりはやや少なめでしたが通勤客の姿も見受けられました。この時点では、レストランやバール等に関しては夜間営業が停止されていたようです。

それでも外出の理由等を記載した移動許可のための自己申告フォームを携行するようにしていました。テルミニ駅でも警察によるコントロールを受けている人々を目撃しました。なお、この自己申告フォームの日本語訳を在イタリア日本国大使館のホームページから見られるようです。

3月11日には商業活動の規制に関するコンテ首相の会見があり、3月12日からは多くのレストランやバールも休業になったようです。下記の写真は、3月11日のテルミ二駅構内の様子です。これほど人がいないテルミニ駅を見るのは初めてでした。

ローマの玄関口 テルミニ駅の様子 3月11日撮影

知人が撮った下記の動画のように一部の列車の中に消毒液が設置されるようになったようですが、この動画の撮影時は消毒液を補充していなかったのか押しても全く何も出なかったようです。

(列車内に消毒液を設置 3月9日撮影)

その後さらに外出制限が厳しくなり、幾度となく自己申告フォームも変更になりました。また、警察によるコントロールも頻繁に行われ、違反者には罰金3,000ユーロ(約35万円)が科せられることもある状況になっているようです。

3月21日にはコンテ首相がイタリア全土で必須の生産活動を除くその他全ての活動の休止を発表しました。この首相令は、4月3日まで有効ということでしたが、前述のように4月1日の首相会見で4月13日まで延長されました。

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2.公共交通機関の状況

公共共通機関は必要不可欠なサービスになりますので運行しているようですが、1メートルの対人距離を確保するためにバス等では運転手に近い座席には座れないようにプラスチックチェーンが張られているようです。また、前方ドアから乗り降りすることも禁止されているようです。

下記は、4月1日に撮ったバス車内に張られた立ち入り禁止のプラスチックチェーンの写真です。乗客も数名だけでした。

バス車内に張られた立ち入り禁止のプラスチックチェーン 4月1日撮影

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3.スーパーマーケットの様子

スーパーマーケットに買い物に行く時も警察のコントロールを受ける可能性がありますので常に自己申告フォームを携行するようにしています。ラツィオ州では、スーパーマーケットの営業時間も制限されているようで、月曜日から土曜日は19時にクローズ、日曜日は15時に営業終了となっているようです。

スーパーマーケットにもよるかと思いますが、入店できる人数に制限を設けているようでスーパーの外には買い物客の列が見受けられます。下記の写真は、買い物客の長い列の様子です。皆、マスクをしており、中にはゴム手袋をはめている人もいました。列に並んで20分後ぐらいにようやくスーパーの中に入ることができました。

なお、スーパーによっては、店内に入る前に買い物客の検温を実施しているところもあるようです。ちなみに、今のところ食料品は品薄状態ではないように感じますが、マスクは不足しているようです。

スーパーマーケットの買い物客の長い列 3月21日撮影

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4.どう自宅で過ごすか

子どもも大人も自宅待機を余儀なくされていますが、都市封鎖が始まった当初は、イタリア国歌をバルコニーで一斉に歌う人々のフラッシュモブの動画や医療従事者への感謝のメッセージがSNS上にあげられたりしていました。

子どもたちの多くは、オンライン授業を受けているようですが、実際に聞いた話では自宅のインターネット環境の問題等で受けられない子どもたちもいるそうです。

ちなみに、私は、アンチストレスの塗り絵を時々しています。下記の写真は、最近のアンチストレスの塗り絵です。

アンチストレスの塗り絵 4月2日撮影

今後、外出禁止の長期化への不満やストレスや裂け目がイタリア各地で表面化してくるようにも感じています。

さいごに

4月1日の会見でコンテ首相は、三つの局面という話をしていました。第一局面では、厳しい行動規制等により新型コロナウイルスの更なる急激な感染拡大を防止。第二局面では、新型コロナウイルスの感染リスクがある状況下で段階的に制限を緩和。第三局面でようやく従来の生活に戻ることが可能になる。

現在はいつ第二局面に移行するかを模索しているところのようですが、4月3日付けのCorriere della Seraの記事によると、市民保護局のボレッリ局長は4月13日以降も今の厳しい外出制限措置を継続する可能性に言及しているようです。

第二局面に4月中に移行するのも難しいかもしれない状況のようで、第三局面に到達するまでにはまだかなりの時間を要するのではないでしょうか。

参照

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