マルケ州ってどこ?レカナーティの魅力
イタリア中部のマルケ州。イタリア旅行のガイドブックでも見かけない、あまり馴染みのない地名かと思います。イタリアの地図でいうと、フィレンツェから300kmほど東に位置し、アドリア海に面した地域。
レカナーティはそんなマルケ州の中でも小さな田舎町で、人口は2万人ほど。中世の風情を残した美しい城壁や自然豊かな景色が楽しめます。
また、イタリアを代表する詩人ジャコモ・レオパルディや、テノール歌手のベニアミーノ・ジーリの故郷としても知られています。
語学学校Campus L’infinito
今回私が通ったのは、この小さな町にある私立の外国人向け語学学校、Scuola Dante Alighieri Campus L’infinito。イタリアの教育分野に強い出版社ELIが手がける唯一の語学学校です。もともとは同じマルケ州でもカメリーノという町にあった学校ですが、2016年の地震で被害を受けてからは、ここレカナーティに拠点を移しています。
生徒たちは初回のレベル分けテストの結果に応じて、15名程度のクラスに分けられます。レベルはイタリア語を全く勉強したことのない初心者クラスから、CEFRのB2レベル、あるいはそれ以上の学生を対象としたクラスまで幅広いです。
授業は平日に、途中20分の休憩を含めて4時間。先生を中心に、机が円形に並べられた教室で行われるので、先生やクラスメイトとの距離が近く、カジュアルな雰囲気。教科書を使った文法・リスニング・ライティングの練習が中心ですが、教科書以外のアクティビティーをしながらコミュニケーション・スピーキングのスキルを磨ける時間も多いです。
コースは一ヶ月単位で組まれていますが、二週間からの参加も可能。短期留学が基本になります。
私はこの語学学校に、翌月から始まるローマでの長期留学の準備として通いました。この記事では、イタリア各地にある語学学校の中でも、ここCampus L’infinitoをおすすめできる5つのポイントを紹介していきます。
学校のオススメポイント!
その1.充実したスケジュール
私が参加した9月初旬、最初の一週間のスケジュールはこんな感じでした。
2日(日) | レカナーティ到着 |
3日(月) | 10:00 クラス分けテスト 15:30-16:30 オリエンテーションと歓迎会 |
4日(火) | 9:00-13:00 (11:00-11:20休憩) 授業 16:00-17:30 レカナーティ観光 |
5日(水) | 9:00-13:00 (11:00-11:20休憩) 授業 14:30-19:30 近郊の町ロレート観光・レカナーティ港での海水浴 |
6日(木) | 9:00-13:00 (11:00-11:20休憩) 授業 15:30-16:30 マルケ州に関する文化講義 |
7日(金) | 9:00-13:00 (11:00-11:20休憩) 授業 14:00-20:00 近郊の町シローロ観光・海水浴 (オプション) |
8日(土) | サンマリノ観光・海水浴 (オプション) |
9日(日) | フィレンツェ観光 |
平日の午前中にイタリア語の授業、午後はイタリア文化の講義or観光、土日も別の街へ観光、といった様子で、休む暇がないくらい充実しています!「オプション」以外の活動にかかるお金は授業料に含まれているので、短期留学期間に勉強だけでなく様々な体験をしたい!という方にはかなりおすすめです。
9月後半にもボローニャ、ヴェネツィア、ローマへの日帰り観光やカラオケ大会、生徒たちが自国の料理を振る舞うインターナショナル夕食会などなど、さらに充実したイベントが盛りだくさん。授業以外の活動への参加は任意ですが、寮やクラス外にも友達を作るチャンスが多いです。
その2. 面倒見が良すぎる
私立の語学学校だけあって、対応はとても丁寧だと言えるでしょう。私は以前にも、イタリアの某国立大学のサマースクールに参加したことがあるのですが、なかなかスケジュールが送られてこない、メールの対応が遅い…など戸惑ったことか多くありました。
ですので、イタリアへの短期留学がはじめて、という方には面倒見の良い私立学校は安心かもしれません。Campus L’infinitoは授業のスケジュールや町の様子、待ち合わせ場所の写真に至るまで、とても丁寧に連絡をくれます。質問があれば気軽にメールで尋ねることができ、返信も早いです。
そして、レカナーティの町中の飲食店や生活用品店では、Campus L’infinitoの学生への5-15%の割引が適用され、かなりお得に買い物ができます。寮から徒歩10分圏内に学校、ミニスーパー、食料品店、薬局、郵便局、銀行、タバッキ、レストラン、カフェ、文房具店など一通りの店は揃っているので、生活もしやすいです。
また、レカナーティは日曜日にはバスの運行がないほどの小さな田舎町で、決して交通の便やアクセスがいいとは言えないのですが、
- ローマ・フィウミチーノ空港
- ローマ・テルミニ駅
- マルケ州・アンコーナ空港
のいずれかから、学校が有料の送迎を実施しているので行き帰りも安心です。
その3. 日本人が少ない
学生の多くはアルゼンチン、ブラジル、ペルーなどの南米出身。季節にもよるそうですが、ヨーロッパやアジアからの学生は少数で、私はおそらく唯一の日本人学生でした。「せっかく留学したけど、現地で日本人とばかり話してしまって語学が上達しなかった」なんていう留学あるあるも、ここでは起こりません!
イタリア語を共通言語として、様々な国の学生と交流できます。日本人が珍しいということで、先生や他の学生に興味を持ってもらえ、顔と名前を覚えてもらいやすいのもメリットと言えるでしょう。
また、友達を作るのが苦手!という人も心配は要りません。学校から徒歩10分圏内にある寮では、バスルーム・キッチン・リビングを数人の学生でシェアします。学校が終わった後も多国籍の学生たちと交流する時間があり、友達が作りやすいと言えます。
学生の年齢層や職業も幅広く、例えば私のハウスメイトはドイツの大学生とブラジルの大学教授でした。同年代の学生が集う大学のサマースクールとは異なり、違う世代の人々と近い距離で接することができるのも良い経験でした。
その4. 施設が新しい
イタリア留学あるある…学校や寮が古く、エアコンなどの設備がない!これもここ、レカナーティでは心配いりません。学校、寮ともに新しく、快適に過ごすことができます。
学校は全教室にエアコン完備、フリーWi-Fiあり。休み時間に飲み物やスナックを買える自動販売機もあります。
寮にはトイレ・シャワー・キッチンの他、冷蔵庫・電子レンジ・電話・テレビ・アイロン・洗濯機(無料)、そしてフリーWi-Fiが揃っています。キッチンには調理用具と食器一式が用意されているので、到着した日から生活できます。
その5. 美しい町に住める
留学生活を送る町は、言い換えれば短期間でも住む町。どんな町に住むかは重要。ここレカナーティは、住む町としてもおすすめできます。
レオパルディ広場を中心に、30分もあれば一周できてしまう小さな町での暮らしは、日本やイタリアの他の町のものとは全く違う体験でした。放課後町を歩いていると学校の友人たちに出くわし、挨拶を交し合います。町の住民たちも外から来た私たちに優しく、治安も良いので、落ち着いた暮らしができるでしょう。
中世の町並みが残っているので、歩いているだけで非日常を味わえるのも魅力。イタリアでダンテ以後最大の詩人と呼ばれるレオパルディが詩に描いた風景や、彼が思いを馳せた自然の中の果てしない静寂を感じながらイタリア語を勉強するという、贅沢な時間がここレカナーティでは叶います。
さいごに
いかがでしたか?マルケ州・レカナーティにある語学学校Scuola Dante Alighieri Campus L’infinitoに実際に通ってみた体験談をご紹介いたしました。皆さんも中世の風を感じられる町で、イタリア語を学んでみませんか?