”美味しい”に国境はない!イタリアの生活に根付いた日本食

”美味しい”に国境はない!イタリアの生活に根付いた日本食

mina

学生時代のイタリア旅行を機に、イタリアの虜に。食べること、飲むこと、自然が大好き。なにより明るいイタリア人が大好きです。独学でイタリア語を学び、フィレンツェへ短期語学留学。現在も子育てしながらイタリア語学習継続中。

日本とイタリア、言葉や文化は違うけれど唯一共通しているのは”美食”という点ではないでしょうか?どちらの国も世界中で高い評価をされています。日本の”和食”はユネスコ無形文化遺産に登録された素晴らしい食文化です。

一方、イタリアはピザ、パスタを始めとする”イタリアン”。どこの国へ行ってもほぼ100%食べることのできる世界中の人に広く知られる食文化です。地中海料理は、こちらもユネスコ無形文化遺産に登録されています。美食家の多いイタリアですが、訪れてみると日本食のお店が多いんです。今回は”イタリア人と日本食”についてご紹介します。

きっかけ

ミラノ万博

イタリアでの日本食ブームのきっかけとなったのは2015年のミラノ万博でしょう。日本のブースは大人気で6~9時間待ちなんて報道もあり、展示部門では金賞を受賞しました。食品サンプルの展示もあり、味だけでなく、細かいところまでこだわる日本職人の技に驚いた人も多かったのではないでしょうか?ミラノ万博は、”日本食”の魅力がイタリアで幅広く認知され始めたきっかけとなりました。

アニメ・漫画の影響

日本の新しい文化といえば、アニメ・漫画なしでは始まりません。世界的に見ても日本のアニメ・漫画のシェアは断トツ1位です。多くのアニメや漫画を通して日本を好きになった人はとても多いです。その中の食事のシーンで日本食を知った方も多く、たい焼きは日本アニメの影響で人気になりました。

これって日本食?!

イタリアの観光地を歩いていると日本食レストランを見かけることが多いと思います。”SUSHI"と大きく書かれた看板が目に入り、私は「こんなに日本食って人気あるんだ」と肌で感じました。数が多いことも日本食の人気を表していると言えます。ですが、大半のレストランは中国人が経営しており、調理場に立っている方で日本人は少ないです。食べ放題のお店が多く、価格は3000円ほど。ツアー客で満席のお店もありました。お寿司が売りというよりは、中華料理の中にお寿司があるという印象でした。日本では見ない海藻のお寿司や、ピンクに染まったお寿司など、日本人からすると驚く料理もあります。

要因のひとつ?

南イタリアでは昔から生魚を食べる文化がありました。もちろん醤油はなかったので、レモンで食べていたそうです。その影響もあり生魚に抵抗が無かったのでしょう。また、生で食べられるマグロやサーモンをスーパーで気軽に買えるようになったのも、日本食(お寿司、刺身)が受け入れられた要因の一つかもしれませんね。ただ、アニサキスなど寄生虫がいる場合もあるので知識がないと難しいかもしれません。

 

生活の中の日本

多くの催し

ミラノでは2019年に”LA FESTA DEL GIAPPONE"( 日本のお祭り)が開催されました。日本の食文化や伝統文化を広める催しです。お寿司だけでなく日本酒や日本のビールが楽しめたり、書道や太鼓、紙芝居、盆踊りまで披露されたそうです。ミラノで盆踊りが見れるなんて斬新ですよね。驚いたのは苔玉。マニアックですね。

大きいものから小さいものまでたくさんの日本に関わる催し物がイタリアで行われています。子供が楽しめるように、折り紙やけん玉で遊べる催しもあります。多くのところで、日本・日本食を知ってもらう機会があるのは嬉しいですね。

お昼も

最近はデリバリーの需要が日本でも増えてきていますが、イタリアでも多くのレストランがテイクアウトを始めています。

会社でのお昼ごはんもデリバリーを使う人が多くなっていますが、なんとお寿司が大人気!お昼からお寿司なんてうらやましいなぁと思いますが、ヘルシーで食べやすいため、人気が高いようです。

スーパーでも

また、スーパーでも気軽に日本の食材を購入することができるようになりました。焼きそばやラーメンなどもありますが、健康食品として人気なのがお豆腐。日本のお豆腐より水分が少なく、固めなので揚げたり、焼いて食べることが多いそうです。

その他

イタリア人の楽しみ方

私が訪れたラーメン屋さんにはビールを始め、日本酒や梅酒も多く置いてありました。カップルで食べに来ている方が多かったですが、驚いたのは最初に頼んだビール1杯。おつまみから〆のラーメンまで最初の1杯だけでおかわりしていませんでした。日本人の感覚だと、ビールは冷たいうちに!ではないですか?

ただ、これもイタリアと日本の文化の違いがあってラーメン屋さんは基本、ラーメンを食べるところ。飲むのはBar(バール)やDiscoteca(ディスコ:クラブ)と目的によってお店を使い分けています。

特別な日にも

大切な人との記念日やバレンタインデーにも日本レストランは人気です。やはり、お寿司は根強い人気です。お寿司は色鮮やかで盛り付けが映えるからでしょうか?バレンタイン用のコースを用意しているレストランも多いです。

 

さいごに

こんなにも日本食がイタリアで身近になっているとは驚きですね。私たちが当たり前に食べている和食が海外で受け入れられていることは、とてもうれしく思います。美味しいものに国境はないということでしょう。

イタリア滞在中に和食が恋しくなったら、是非日本レストランへ足を運んでみてください。異国で食べる日本食はさらに美味しく感じられますよ。

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