そんな法律があったとは!イタリアのお魚事情

そんな法律があったとは!イタリアのお魚事情

mina

学生時代のイタリア旅行を機に、イタリアの虜に。食べること、飲むこと、自然が大好き。なにより明るいイタリア人が大好きです。独学でイタリア語を学び、フィレンツェへ短期語学留学。現在も子育てしながらイタリア語学習継続中。

日本と同じく海に囲まれているイタリア。緯度や気温がかなり違うアフリカやインドでは、食べ物は日本と全くと言っていいほど違うものが多いです。

では緯度も年間の気温も同じくらいのイタリアはどうでしょう?日本食が好きなイタリア人は多いと聞きますが、私たちが食べているような魚介類も食べているのでしょうか?今回はイタリアのお魚事情についてご紹介します。

魚の種類

地中海と日本海で獲れる魚の種類は同じなのでしょうか?

確認されている海水魚の数は地中海で約500種類日本海でなんと約3,700種類!!まさかの桁違いでした。ここまでなぜ差があるのかというと、寒流と暖流がぶつかるところは良い漁場と言われ、太平洋側で黒潮と親潮がぶつかり、日本海側では対馬海流とリマン海流がぶつかります。

よって魚のエサであるプランクトンが多く発生するのでたくさんの魚が集まってきます。他にも魚が育つ要素はたくさんありますが、日本海は世界的にも良い漁場と言われています。

ちなみに、世界では約15,000種類の海水魚が確認されておりそのうちの約25%が日本海で確認されているということになります。なので、世界のダイバーに日本はとても人気だそうです。

驚きの法律?!

イタリアのお魚に関する驚きの法律があります。それは、冷凍すること。新鮮な獲れたての魚は、そのままさばいて食べるのではなく冷凍しなければいけません。これはイタリアの法律で決まっているのです。

理由は寄生虫のアニサキスを殺すためと言われています。なので、スーパーなどで並んでいる魚介類は解凍後のものになります。日本のように獲れたてが美味しいという感覚とはまた違うようです。

食べる魚 食べない魚

では、イタリアでよく食べる魚、食べない魚とは何でしょうか?

良く食べる魚だと、マグロイワシタラなど。私たちと馴染があるものばかりですが、食べ方が違います。イタリアではオイル付けや塩漬けで食べることが一般的です。イワシは塩漬けでアンチョビマグロはオイル漬けでツナとしてイタリアの食卓に並びます。また、バッカラと呼ばれるタラを乾燥させたものもイタリアに根付く国民的保存食です。

食べない魚だと、高級魚のフグはEUが輸入を禁止している背景もあり食べられていません。お隣のフランスが食べていないタコは、イタリアでは食べられています。実は日本と食べている魚はほぼ同じなんです。旬の時期に食べたくなるカツオもサンマもイタリアで獲れます。食べ方が日本と違い生ではあまり食べられていません。

魚料理の定番って?

日本で魚料理の定番と言えば、お刺身、お寿司ですよね。イタリアでも日本料理は人気で、お寿司が好きなイタリア人はとても多いです。スーパーで売っているのも見かけるので、イタリアでもポピュラーな食べものになってきているようです。ですが、イタリアの家庭でお魚をさばいてお刺身が食卓に並んでいる光景は思い浮かびません。

まず代表的なの料理はアクアパッツァです。南イタリアの郷土料理で白身魚を水や白ワインで煮込む料理です。その時期の旬の魚介類と真っ赤なトマトを入れて作るので、コンソメやブイヨンを入れなくても旨味たっぷりのアクアパッツァが出来上がります。

引用:Italian food forever

続いて、ナポリへ行ったことがある人はきっと食べたであろうクオッポ。筒状の紙の中にシーフードのフリットが入っており、食べ歩きにぴったり!イワシや小さいイカ、エビが定番です。

引用:amalfi notizie

ちなみに日本のイタリアンなどで出されるカルパッチョですが、日本発祥の料理だということをご存知でしょうか?イタリアで言うカルパッチョとは牛肉の生肉のサラダを指します。ただ日本では牛肉を生で食べる習慣がなかったので、お刺身とサラダ(野菜)を合わせた料理を作りました。今ではお刺身の乗ったカルパッチョはイタリアでも食べられるので珍しくはありません。

さいごに

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いかがでしたでしょうか?私は獲れたての魚を冷凍する驚きの法律があることを知りませんでした。イタリア人が日本の獲れたての魚を生のまま食べている光景を見たらカルチャーショックでしょうね。

先ほどご紹介したアクアパッツァ以外にもパスタのペスカトーレやヴォンゴレなど魚介を使ったメニューがたくさんあります。イタリアへ行かれた際はイタリアの海の幸を楽しんでください!!

参照

●環境省 海洋生物多様性保全戦略公式サイト『海にめぐみって何だろう?

●JFグループのなぜなぜ?『日本をとりまく海とJF

●オリーブオイルをひとまわし『カルパッチョとは?起源やマリネ・刺身との違い、おすすめの魚を紹介

●グルメキーワード『魚介たっぷり南イタリアn郷土料理アクアパッツァ

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