セリエAで試合を観るとき、スポンサーにまで注目したことはありますか?もし自分が応援しているクラブなら詳しく知っているかもしれませんが、他のチームのスポンサーまでなかなか考えたことがないかもしれませんね。
そこでこの記事では、セリエAで戦う20チームの胸スポンサーをまとめてみました。写真は全て、それぞれのクラブ公式 Instagramから引用させていただきました。
セリエA全20チームの胸スポンサー一覧
セリエA:TIM
イタリア最大手の通信事業会社。TIMはTelecom Italia Mobileの略です。日本でいえばNTTドコモのような歴史と安心感のある会社です。私も、留学中はずっとTIMと契約していました。旅行でイタリアに戻るときもいつも使います。
名前を冠するようになったのはここ数年ですが、スポンサー関係自体は1998年から続いています。
アタランタ:Radici
19-20シーズン、クラブ初となるUEFAチャンピオンズリーグ(UCL)の戦いに挑む彼らのスポンサーは、地元・ロンバルディア州ベルガモ県の素材メーカー・ラーディチです。2018年から契約を開始しています。
高機能樹脂や高性能プラスティック、人工繊維などを扱っています。ヨーロッパのみならず北南米やアジアにも流通展開する企業です。
インテル:Pirelli
インテルはお馴染みのPが長いピレッリ。イタリアを代表するタイヤメーカー。F1を観戦しているとよくロゴを見かけますし、日本のタイヤ屋さんにも多くあります。1995年から契約を開始し、インテルとは約25年の深い繋がりを持っています。ちなみに背中のDriver.も、ピレッリのタイヤサービス。
ちなみに、ピレッリとの契約は2019/20シーズンで終了する予定となっています。長年インテルを支えてきたブランドがスポンサーを降りてしまうのは、なんだかとっても残念です。
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ヴェローナ:Sinergy
シナジーグループはヴェローナに拠点を置くガスや電力などのエネルギー関連会社。
主にB2B企業として、企業相手のエネルギー供給を行っています。ちなみに、ヴェローナの女子チームの胸スポンサーにもなっております。
ウディネーゼ:Dacia
私は自動車関係の知識が全く詳しくないので、もともとは知りませんでしたが、ダチアはルーマニアの自動車メーカーです。現在はフランスのルノーグループの傘下に入っており、ヨーロッパで近年徐々に人気が出始めているとのこと。コスパの良い50万円代からの車が有名。
ちなみに2016年からは、スタジアムの命名権も取得していて、ウディネのスタジアム名はDacia Arenaとなっています。
カリャリ:Regione SardaとIchnusa
カリャリのメインスポンサーは2つ。1つは民間企業ではなく、なんとRegione Sardaというサルデーニャ州そのもの。州の観光局評議員は、その理由について、サルデーニャのブランドをイタリア国内外に発信することを挙げています。
もう1つのスポンサーはイクヌーサ(Ichnusa)というカリャリ近郊の町で作られているビールです。ちなみに、古代ラテン語では、この単語がサルデーニャ島のことを意味していました。さっぱりしていて美味しいビールですが、日本ではほとんど見たことがないかも!
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サッスオーロ:MAPEI
緑と黒のユニフォームが特徴的なサッスオーロは、ミラノ生まれの建材材料の製造・販売会社・マペイ(MAPEI)が長年スポンサーをしています。
会社とクラブの関係が非常に強くクラブとして知られています。MAPEIの当時のCEOジョルジョ・スクインツィは、生粋のミラニスタではありながら、2002年に当時、4部相当のセリエC2に所属していたクラブを買収しました。それ以降、ずっとMAPEIが胸スポンサーとなり、最終的にセリエAにまで引き上げました。
サンプドリア:Tempotest
サンプドリアのスポンサーは、繊維メーカーのテンポテスト。イタリアだけでなくアメリカ等を中心に展開する企業で、ソファーやキルト、洋服などの家庭で使う素材から、個人用クルーズなどに使う合成素材など、様々な用途に使える繊維を開発しています。主にB2Bの企業です。
ちなみにスポンサーのロゴの場所は右上。サンプドリアのユニフォームは、胸元に十字架のデザインをしたものが伝統的に使われています。
スパル:Omega
スパルの胸スポンサーはちょこちょこ変わっているので、今シーズンずっと変わらない右胸のスポンサー企業をご紹介。あのスイスの高級時計メーカーではありません(笑)
スパルのスポンサーは、オメガグループという、イタリアのデジタル関連のソフトウェア会社。企業のデジタルトランスフォーメーションや業務効率化などを行っており、コンサルに近い業務も担っているようです。
パドヴァで1985年に創業しており、IBMが世界で初めて販売したパーソナルコンピューター IBM PCの販売委託を受け、代理店としてイタリア全土でのマーケティングなどを担っていた歴史があります。
ジェノア:Zentiva
チェコの首都・プラハ生まれの製薬会社で、ジェネリック薬品の開発・販売に力を入れています。中央ではなく右上の控えめなロゴです。
ちなみに、クラブのバンディエラ的存在で、キャプテンを務めるドミニコ・クリシートの専属スポンサーにもなっており、クラブとの関係性も良好のようです。
トリノ:Suzuki
トリノの胸スポはなんと日本のスズキ。日本人ならほとんどの人が知っている自動車メーカですね。スズキはトリノに支社を構えており、人気車であるスウィフトのデザインなどもトリノで行われているということです。
2013/14シーズンからの契約とのことで、ここまで長く契約更新をしてきました。イタリア国内の販売戦略の中心地をトリノにしているスズキですから、これからも長い付き合いを続けて欲しいものですね。
ナポリ:LeteとMSC Crociera
ナポリの胸スポンサーは2社あります。1つはLeteという飲料水メーカー。イタリアのスーパーか自動販売機を覗けば、必ずといっていいほど見つかる、イタリアで最も有名なミネラルウォーターの1つ。ナポリ近郊の石灰岩に浸透した、天然微炭酸水が有名です。
もう1つの会社はMSCクルーズというクルーズ会社。日本ではクルーズというと超高級のイメージですが、MSCは子供連れの家族旅行にも利用できるような大衆的なイタリアのクルーズ会社。トレードカラーはアイボリー。
パルマ:Cetilar
Cetilarは会社名ではなく商品名。イタリアで有名な鎮痛剤・軟膏のことです。日本でいえば、ボルタレンのようなものです。
これを作っている会社は、ファルマ・ヌトラ(PharmaNutra)という、イタリア・ピサ生まれの医療器具・栄養商品販売の会社。創設は2003年と比較的若い企業です。ヨーロッパだけではなく、アジア、北米、アフリカなどの70か国に支社を持っていて、35の企業との大企業との提携をしています。
フィオレンティーナ:Mediacom
これまで比較的スポンサーが転々としてきたヴィオラ。彼らの19-20シーズンのスポンサーは、アメリカに本社を置くメディアコムになりました。自らのケーブルテレビ放送局のみならず、マーケティング、広告事業などで、グローバルネットワークを拡げています。
スポンサーが変わることになった理由は、メディアコムのCEOでもあるロッコ・コンミッソ氏が、約200億円にてフィオレンティーナを買収したから。メディアコムの前は有名ブランド・トッズのオーナーであるデラ・ヴァッレ氏が買収して経営してきました。2002年からの長い歴史に終止符を打ち、新しい時代を切り開こうとするヴィオラにも注目です。
ブレシア:Ubi Banca
ブレシアに本拠地をこのチームですが、スポンサーは、ベルガモに本社があるウビ・バンカ。正式名称はUnione di Banche Italianeで、支店数はイタリアで5番目を誇る非常に大きな銀行です。
ちなみにこの銀行は、ユヴェントスとアトランタのスポンサーにもなっていますが、胸スポンサーにまでなっているのはブレシアのみ。その他バレーボールやバスケットボールチーム等も支援していて、スポーツへの積極的な投資を行っていることが分かります。
ボローニャ:Liu Jo
伝統的にニットや絹織物の生産に強みがあるエミリア・ロマーニャ州のカルピに、1995年に誕生したファッションブランド。18-19シーズンから胸スポンサーになっています。現在は日本代表DFの冨安健洋選手が所属していることもあり、今後も目にすることが多くなるかもしれません。
かわいらしいブランドロゴは、赤と青のユニフォームにもよく映えます。
ACミラン:Emirates
アラブ首長国連邦の航空会社・エミレーツ航空は、近年スポーツ界へのスポンサードを積極的に進めており、ミラン以外ではレアル・マドリーやパリサンジェルマン、アーセナルなど、ビッグクラブの胸スポンサーとして定着。
海外サッカーが好きな人なら、絶対に知っているのではないでしょうか。
ユヴェントス:Jeep
車好きでなくとも知っているジープ(Jeep)。2014年にイタリアの自動車メーカー・フィアットを創業した一家・アニェッリ家が筆頭株主として所有するFCAグループのブランドです。
大幅なデザイン変更があったユヴェントスの「J」のロゴとともに、「ユーヴェといえばJ」というイメージを体現しているとも言えるかも。
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ラツィオ:なし
シーズンによって、もしくはシーズン中でも胸スポンサーがあったりなかったりすることで知られるラツィオ。19/20シーズンは胸スポンサーがない状態でしたが、近年まれに見る素晴らしい成績を残しています。
今後、胸スポンサーに名乗りを上げる企業があるのかどうか、注目です。
レッチェ:MobyとMaffei
レッチェの胸スポンサーは2社。1つ目はMobyで、イタリアのフェリーや中規模の船舶のクルーズ会社。本社はミラノ。イタリアやフランス間、サルデーニャ島、エルバ島、コルシカ島などのティレニア海を運航しています。1959年に創設された歴史ある企業です。
もう1つは2つ目のMaffeiで、イタリアのパスタメーカー。従業員は100人ほどと比較的小さい会社ですが、サヴィーノ・マッフェイ氏が1960年に立ち上げたときから続く伝統的なパスタを販売しています。
ASローマ:Qatar Airways
2015-17年の間、ラツィオと同様、胸スポンサーがなく、なかなか財政難から抜け出すことができないASローマ。18-19シーズンからは、カタールの航空会社・カタール航空とスポンサーシップを締結し、ともにセリエAを戦っています。
とはいえ、ローマの財政難は慢性的なもので、今後数年で改善することはあるのでしょうか...。ちなみに、日本からイタリアまでの旅行にてカタール航空を利用しましたが、非常に快適でした。詳細はこちらの記事をご覧ください。
続きを見る【2020.03更新】イタリア旅行で人生初!搭乗体験記風にカタール航空を徹底解剖
さいごに
セリエAの全20チームの胸スポンサー製品・企業を紹介いたしました。こうしたところにも視点を移してみると、より一層セリエAの試合が楽しめると思いますので、是非注目して観てくださいね!
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