"イタリアのグレタ" 10歳の環境活動家アリーチェ・インバスターリさん

"イタリアのグレタ" 10歳の環境活動家アリーチェ・インバスターリさん

Kanba

イタリアの海沿いの小さな町に住んでいます。イタリアの大学を卒業後、日本の企業のために働いています。天気が良い週末は砂浜で筋トレしたり、庭でオーガニック野菜を作ったりしています。主に穀物・野菜・果物・ナッツ類を食べて暮らしています。

アリーチェ・インバスターリ(Alice Imbastari)さんとは?

1.ローマ郊外の町ネットゥーノで環境保護活動 

FAMIGLIA CRISTIANA.itの記事によると、アリーチェ・インバスターリさんは、ローマ郊外の海沿いの町ネットゥーノ在住の10歳の環境活動家だそうです。

毎週金曜日の午後、自宅近くの砂浜で『SAVE THE WORLD』というプラカードを持ってプラスチックストロー、プラスチック容器、ペットボトルなどのごみ拾いを行っているということです。

地球環境を守るためにシンプルで具体的な活動を続けているアリーチェさん。当初は、両親とともに3人だけで砂浜のごみ拾いをしていたそうです。

しかし、そのうちアリーチェさんの活動に賛同するクラスメートも出てきて、今では友人たちと一緒にごみ拾いをするようになったということです。また、学校の授業でもアリーチェさんの気候変動に対する日々の行動が取り上げられたそうで、他の生徒たちも関心を示すようになったようです。

アリーチェさんは、6歳から9歳まで両親(父はグラフィックデザイナー、母は教師)とともにイギリスに住んでいたそうで、その時にスウェーデンの若き環境活動家グレタ・トゥーンベリさんのことをテレビで知ったというです。

2."グローバル・ストライキ・フォー・フューチャー"で環境保護をアピール

グレタさんの活動に共感して環境保護のために自分にできることを実践しているアリーチェさん。

2019年3月15日にローマで開かれた気候変動に関する抗議デモ "グローバル・ストライキ・フォー・フューチャー" では、集まった参加者らを前に環境保護の重要性をアピールしたようです。

アリーチェさんは、「果物がなるように地球も傷み出している」とも訴えており、地球環境保護に向けて迅速な対応を求めているそうです。

ロックダウン下で環境汚染が改善

新型コロナウイルスの感染拡大に伴いイタリア全土で都市封鎖の措置を取ったことにより、各地で環境汚染の改善が見られているようです。

1.澄み切ったヴェネツィアの運河

欧州宇宙機関ESAが宇宙から撮影した2019年4月と2020年4月のヴェネツィアの様子を公開しているようですが、この衛星写真からもヴェネツィアの運河の透明度が昨年の同時期よりも増していることが分かるようです。

また、Corriere della Sera.itによると、現在の綺麗に澄み切ったヴェネツィアの運河では様々な生物の姿が見られるようになったそうで、クラゲも目撃されたそうです。

2.ポー平原の大気汚染が改善

EUROPA TODAY.itの記事によると、イタリア北部から中部に広がるポー平原で大気汚染の改善が見られるということです。

 

ロックダウン下の二酸化窒素排出量の減少傾向 / 欧州宇宙機関ESA YouTube

ロンバルディア州、ピエモンテ州などにまたがるポー平原は、イタリア国内の経済活動の中心的な役割を担っていますが、近年ますますスモッグなどの大気汚染に悩まされているそうです。

そのため新型コロナウイルスの感染蔓延による都市閉鎖を徐々に解除していく際に、環境対策も重要な焦点になってきているようです。

今後は、電動スクーターや自転車シェアリングが主流に?

io donna.itの記事によると、ロンバルディア州の州都であるミラノ市はロックダウンを段階的に緩和していく中で地下鉄駅の利用者数に一定の制限を設けることを予定しているそうです。

その代わりに持続可能な交通手段として自転車や電動スクーターの利用とシェアリングを推し進める計画があるようです。また、35キロに及ぶ自転車専用レーンや自転車及び歩行者優先道路の新たな建設、歩道の拡張なども考えられているということです。

このプロジェクトは、新型コロナウイルスと共存する社会に向けて公共交通機関や自動車の利用を減らし、大気汚染を改善する意図もあるようです。

なお、自転車シェアリングは、以前からローマ市などでも実施されているようですが、自転車の破壊行為、レンタル料金、駐輪スペースの問題等が持ち上がっているということです。

さいごに

新型コロナウイルスの感染蔓延を受けて新たな社会設計が求められている中で、"グレタ世代"とも称されるティーンエージャーの環境活動家たちにますます注目が集まってくるかもしれません。

現在、このような若い環境活動家たちを揶揄や批判する声も多々あるようですが、新型コロナウイルスと共存していく社会に移っていく中でアリーチェさん等゛グレタ世代゛の若者たちの活動への評価も変わってくるかもしれないそうです。

また、イタリアでは9月まで学校が閉鎖されることになる見込みのようで、子どもたちはその期間、自宅等でオンライン授業を受けることになるようです。

これほど長期間の休校が、子どもたちにどのような影響を与えることになるのか。また、"グレタ世代"の若い環境活動家たちの行動もどのように変化していくのか。新型コロナウイルスと共存する社会へ向かう中で、若者たちの言動もますます注視されることになりそうです。

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