ホテルTown House Duomoのテラスにあるロボット・バー
1.ロボット・バーテンダーが作り出すカクテル
ホテルTown House Duomoの5階テラスにあるThe VIEW by Makr Shakr Rooftopというバーで、ミラノのドゥオモと広場の素晴らしい景色を見ながらロボット・バーテンダーが入れるカクテルを楽しめるということです。
ホテルTown House Duomoの公式サイトによると、バーの天井に吊り下げられた150本以上のボトルをロボット・バーテンダーのToni(トニー)が巧みに操って、ドリンクを用意してくれるということです。
ロボット・バーテンダーのToniを提供しているMakr Shakr社のアプリなどを通して飲み物が注文された後にToniがシェイカーを洗浄し、オーダーされたカクテルなどを作り出し始めるようです。
Toniは2台のロボット・アームで出来ているそうで、1台がカクテルのミックスとシェイクを担当し、もう1台が完成したドリンクをコップに受け取って提供する役割を担っているそうです。
ロボット・バーテンダーToniがカクテルを作る様子/ MakrShakr社のYouTube
また、Milano today.itの記事によると、Toniは1時間に80杯ほどの飲み物を作ることができるそうで、基本的に45秒で1杯のドリンクを用意することが可能だということです。
なお、ロボット・バーテンダーのToniがドリンクを提供するバーThe VIEW by Makr Shakr Rooftopは、ホテルTown House Duomoの公式サイトによると、月曜日~水曜日は午後5時から深夜1時まで、金曜日~日曜日は午後4時から深夜1時まで営業しているということです。
2.トリノのMakr Shakr社のロボット・バー・システム
トリノにあるMakr Shakr社が、このロボット・バーテンダーのToniを提供しているようです。Makr Shakr社は、ロボット・バー・システムのメーカーだそうで、Toni、Bruno(ブルーノ)、Guido(グイド)という3台のロボット・バー・システムを生み出しているそうです。
このMakr Shakr社のロボット・バーは、イタリアのみでなく世界中の様々なイベントにも参加しているということです。また、このロボット・バーはどこにでも設置することができるようで、結婚式やパーティーなどの催し物から空港や駅などの公共施設内に登場する可能性もあるそうです。
なお、現在はミラノのホテルTown House Duomo内に設置されているMakr Shakr社のロボット・バーですが、元々はMakr Shakr社があるトリノに置かれていたようです。
ちなみに、Baladin.itの記事によると、トリノではトリノ-カゼッレ空港内にビールサーバーからビールを提供するNepoと呼ばれるロボットが設置されているということです。こちらのロボットは、EPF社のAutomation部門とイタリアのクラフトビールのパイオニア的存在であるBaladinによって共同開発されたようです。
3.新型コロナウイルスの影響でロボット・バーが増加する?
軽食を取りながら夕食前にお酒などを楽しむアペリティーボが盛んなミラノでは、il Fatto Quotidiano.itの記事によると、イタリア全土で出されていたロックダウン措置が多少緩和された時点で多くのバールやレストランが軒を連ねるナヴィリオ地区に大勢の人が集ったそうです。
その様子を撮った動画もSNS上で出回ったようで、ミラノの市長であるジュゼッペ・サーラ(Giuseppe Sala)氏が、ミラノ市民に対してこのような行動を取り続けるなら、再びすべてを閉鎖する必要があると警告を発したようです。
また、Milano Repubblica.itの記事によると、5月25日にサーラ市長はミラノで19時以降のテイクアウトの飲み物の販売を禁止すると発表したということです。アペリティーボのためにバーなどでドリンクをテイクアウトして大勢の人が路上や広場に集まるのを防ぐための措置だそうです。
なお、スーパーマーケットはこの措置の対象外だそうで、19時以降もアルコール等の飲み物を販売できるようです。
新型コロナウイルスの感染防止のために外出時にはマスクを着用しソーシャルディスタンスを保つ状況が続く中、アペリティーボがとても流行っているミラノで今後ますますロボット・バーが増えてくる可能性もあるようです。
さいごに
新型コロナウイルスと共存する社会になっていく中で、人との接触を極力避けるためにもバーだけでなく他の分野でもロボットなどの活用が今まで以上に盛んになるかもしれないようです。
また、Ansa.itの記事によると、イタリア政府は新型コロナウイルスの感染追跡アプリImmuni(インムーニ)の開発を進めているそうで、6月上旬には実際に利用できるようになる予定だということです。なお、イタリアの北部、中央部、南部の3州でこのアプリのテストが行われるそうです。
このような感染追跡アプリを人々が日常的に使用するようになることは、ロボットやAIの発展とともに以前とはかなり異なった社会を生み出すことになるかもしれないようです。