留学開始から早1ヶ月。
私は現在ナポリ東洋大学に留学しています。
ナポリでの大学生活が始まって1ヶ月が経とうとしていますが、今回は私がナポリを選んだ理由をお話しします。
ナポリに留学を決めたちっぽけな理由
理由1:第1志望の留学先に行けなかった
書類選考の存在
悲しいことにこれが1番の理由です。私の大学では、留学したい大学別に書類選考があります。
当初、私は別の街、それもイタリア中部・ボローニャに行きたかったのですが、情けないことに書類選考に通らず、叶わぬ夢となりました。
なぜボローニャに行きたかったかというと、私が滞在したイタリアの街の中で一番私にしっくりくる、と思ったからです。
人々が優しく、物静かで落ち着いており、街も図書館をはじめとする勉強にうってつけの施設が整っており、これ以上ないほど恵まれた環境に思えました。
2次選考でナポリを
当然、ボローニャに行けないとわかった時、ものすごく落ち込みました。しかし、そこで私が考えたのが、「ボローニャ」でイタリア語を勉強することを最優先にするのか、「イタリアで」イタリア語を勉強することを優先するのか、ということです。
たしかにボローニャは私にとってとても魅力的な街です。しかし、今は場所を選ぶよりも、語学の習得に励むのが先決だというのは明らかです。そこで、私は、1時選考の落選者向けの2次募集に応募しました。その時に空いているポストが、ナポリ東洋だったというわけです。
理由2:ナポリ方言
イタリアで勉強することが大切だった
無事にナポリに留学が決まり、ほっとしたのは言うまでもないのですが、先ほど述べたように、その時の私にとって重要だったのは、もはや街ではなく「イタリアで勉強できるかどうか」ということでした。
一方、イタリアほど各地方の特色が際立つ国は稀ですので、ナポリで勉強するからには、そこでしか学べないことを学ぼうと考えました。それが、私にとっては「ナポリ方言」だったのです。
ナポリ人の発音が興味のきっかけ
もちろん、ナポリの家庭料理や民謡は典型的なナポリ文化です。
しかし、私は日本でフィールドワーク言語学のゼミに入っており、調音(発音の仕方)や文法の違いにとても興味を持って勉強していました。
そして、たまたまナポリ人のイタリア語を聞いた時、彼らの発音がとてもかわいく感じたのです。そして調べていくうちに、ナポリ人は彼らの方言を、もはや方言ではなくひとつの言語として捉えているのかもしれないと思うようになりました。
そう考え始めたら、ナポリ方言に対する興味が俄然湧き始め、これは勉強しない手はない、と思ったというわけです。
実際に留学してみて
フィールドワークを活用
さて、この2つが私のナポリ留学を決めた理由ですが、
ナポリ方言に関しては大学の授業では扱ってないどころか文法テキストなども皆無で、直接方言話者からデータを収集するよりほかありません。そのため、日本の大学で学んだフィールドワークの手法がとても役に立っています。
また、このような環境のため、今の私にとって一番重要なのは大学の授業ではなくナポリ人とのコミュニケーションです。
コミュニケーションの難しさ
しかし、これが非常に難しい。イタリア人はフレンドリーに見えて以外とガードが固く、友人以外にはめっきり愛想が悪いひともいます。(南だとなおさらでしょう。)彼らと仲良くなるにはどうしたらよいか、現在も試行錯誤の真っ最中です。
また、ナポリ方言以前に、スタンダードのイタリア語が重要なのもまた事実。イタリア語が話せないのにナポリ方言が話せる、というのは母語話者でない限りほとんど不可能に感じられます。
そのくらい難しいのです。ですから、大学の外国人向けイタリア語コースもおろそかにはできません。
ナポリの洗礼
南イタリアはとにかくルーズ、というのがステレオタイプと化しているかと思いますが、これは事実です。南だけなのか、またはイタリア全土がそうなのかはわかりませんが、とにかくナポリは日々衝撃の連続。
横断歩道が赤信号でなおかつ車も文字どおり飛び交っている最中をどうどうと渡り歩くというのはまだ可愛いものです。
期日までに届かない定期券、授業開始三日後にクラス分けのメールが届く大学システムなど、言いたいことはたくさんありますが、ナポリでのマイノリティは私なので、「これぞナポリ」。どんと構えて慣れるしかありません。
何回洗礼を受けたら良いのかと思うほど思うようにいかないことの連続ですが、友人やホストファミリーに助けられ、なんとか過ごしているというのが現状です。
あと9ヶ月で何ができるか
私が交換留学でナポリに滞在できるのはあと9ヶ月。まだ9ヶ月なのか、あと9ヶ月なのか、捉え方は人によるでしょうが、今の私は焦るばかりです。
教科書もない、リスニングCDもない、ましてや書き言葉としての認識が極めて薄い方言を選んでしまったので、その難しさは想像をはるかに超えています。しかし、ナポリに来た以上は、自分の目標をしっかり達成して帰国の途につきたいものです。
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