ナポリのお菓子といえばスフォリアテッラ
サクサクのパイ生地の中には、セモリナ粉をリコッタチーズとオレンジピールで炊いた爽やかな甘さのクリーム。朝起きてすぐにバールやパスティチェリアに買いに行って、苦いエスプレッソと共にいただく・・・。
この魅力的なお菓子の名前は、sfogliatella(スフォリアテッラ)。ナポリの朝食には欠かせない、歴史のあるドルチェです。
本記事では、伝統的なスフォリアテッラの歴史や発展していった背景、そしてナポリで最もスフォリアテッラの美味しいお店をご紹介いたします。
イタリアのドルチェを日本で
コロナ禍でなかなか旅行に行きづらい昨今...。日本でも美味しいイタリアのドルチェ(スイーツ)を楽しみませんか?まずは日本で大ブームになっているマリトッツォ!!
また、お取り寄せできるジェラテリアの代表格は、「マリオ・ジェラテリア」!新鮮なミルクの味が口いっぱいに広がり、フレーバーもたくさんあって、自分へのご褒美にも、贈答用にもピッタリ。
ちなみに私は、イタリアのビスケットであるカントゥッチやビスコッティーニも大好きで、ネットだけでなく食料雑貨屋さんなどでもついつい買ってしまいます(笑)
ドルチェの街・ナポリ
カンパニア州のナポリは、イタリアの中でも食べ物が特に美味しいことで知られています。海にも山にも囲まれているので、海鮮も野菜も新鮮なのが大きな理由です。
しかし今回、私がご紹介したいのはナポリのお菓子(ドルチェ)。南イタリアは、郷土のお菓子が数え切れないほどあり、その土地ならではドルチェが目白押しです。
フランスのお菓子のようにおしゃれでハイソな感じとはまた違った、古くから地元民に愛されてきた愛嬌のあるドルチェたちが、今日も朝からパスティチェリアに並んでいます。
スフォリアテッラが生まれるまで
その1.厳しい食生活
今やナポリを代表するお菓子となったスフォリアテッラですが、実は発祥は修道院。ナポリの有名なバカンス地、アマルフィ海岸にあった修道院Santa Rosa(サンタ・ローザ)です。
サンタローザはとりわけ生活の規則が厳しく、修道女たちは外出を禁止されるほどでした。彼女らの一部は、厳格な規定に自給自足の生活を送っていました。修道院外部との接触を避けるために、自分たちで穀物やぶどうを栽培していたのだそうです。
その時の食事といえば、自分たちで作ったパンを中心とした、毎回すべて同じ質素なメニュー。パンも、2週間ごとにしか焼けないため、硬くなることは想像に容易いでしょう。
その2.失敗した料理
そんな厳しい生活を強いられていた修道女たちですが、ある日、食事係をしていた修道女の一人が、牛乳で炊いていたセモリナ粉に火を通し過ぎたことに気づきました。
そのまま捨てようとした彼女ですが、ふと思い立ち、ドライフルーツと砂糖、それに少量のレモンリキュールを加えてみたのです。
出来上がったクリームを見て、
「これってパイの中身にできないかしら?」
と考えた彼女は、早速、ラードと白ワインを加えたパイ生地を作り、「火を通し過ぎた」セモリナ粉を中に詰めてみました。ちょっと見た目が簡素過ぎる、と感じた彼女は、パイを修道士の帽子の形にして、焼き上げることにしたのです。
そうして誕生したのが、このスフォリアテッラ。今から400年ほど前、1600年ごろの出来事でした。
門外不出のレシピがナポリに伝わるまで
偶然にして美味しい発明が起こったにもかかわらず、ナポリの住民にスフォリアテッラが広まったのは、それからおよそ250年後の1800年代初頭。
サンタローザの修道女たちは皆外界との接触をしないように努めていたので、レシピが出回る機会はほぼないに等しかったのです。
その至難のレシピを手に入れたのが、ナポリで食堂を経営していた、Pasquale Pintauro(パスクアーレ・ピンタウロ)。彼がどういった経緯でレシピを入手できたのかについては、未だ明らかにはなっていませんが、彼のスフォリアテッラのレシピは、サンタローザ修道院で作られていたまさにそのものだと言われています。
ピンタウロはレシピの改良を重ね、修道院で使われていたカスタードクリームとアマレーナ(サクランボに似た果物)を取りやめ、形ももう少し平べったいものに変えました。
これが、今日、ナポレターノに愛されているスフォリアテッラです。
ナポリで食べてみよう!
実際ナポリに行ってみると、ほとんどのバールやパスティチェリアでスフォリアテッラを売っています。
そして買うときに決まって言われるのが、
”riccia o frolla? (サクサクしてる方?それともしっとりしてる方?)という質問。
実はこのスフォリアテッラ、2つの種類があるのです。
1.リッチャ
1つが、今まで述べてきた、パイ生地を使った「サクサク」のスフォリアテッラ、通称riccia(リッチャ)。
2.フロッラ
そしてもう一つが、同じセモリナ粉のクリームを、パイ生地ではなくしっとりとしたクッキー生地で包んだ「しっとり」のスフォリアテッラ、通称frolla(フロッラ)。
ナポリ人はもう心得ているので、注文の際は「リッチャを2つとフロッラを3つ」などのように頼んでいることが多いです。
行ってみたいスフォリアテッラの名店3選
1.Pintauro(ピンタウロ)
言わずと知れたスフォリアテッラの名店。なにせ発祥の地ですので、ナポリで最も有名と言っても過言ではありません。
地下鉄トレド駅からすぐの、アパレルショップが立ち並ぶToledo通りに位置しているので、ショッピングがてら立ち寄る人も多いようです。お値段は少し高めですが、それでも1つ2ユーロ以下です。
名前 | Pintauro |
住所 | Via Toledo, 275, 80132 Napoli NA, |
開店時間 | 9:00-20:00 |
連絡先 | +39 081 417339 |
公式ホームページ | - |
SNS |
2.Attanasio(アッタナージオ)
ナポリ中央駅からほど近く、細い道に控えめに佇んでいるのがこちらのパスティチェリア。
朝8時から焼いているので、ナポリ中心に宿をとったら朝ごはんに最適です。なんといってもAttanasioのポイントは、焼きたてを出してくれるところ。
お店の前で家に持って帰るのを待ちきれずにかじる一口は、まさに至福の瞬間です。
名前 | Attanasio |
住所 | Vico Ferrovia, 1-4, 80142 Napoli NA |
開店時間 | 6:30-19:30 |
連絡先 | +39 081 285675 |
公式ホームページ | http://sfogliatelleattanasio.it |
公式SNS |
3.Cuori di sfogliatella(クオーリ・ディ・スフォリアテッラ)
ナポリ中央駅を出たらすぐ、駅むかいの道路を渡ってそれぞれ右側と左側にあります。茶色い看板に白地の店名が目印で、イートイン席も多く、ちょっと一息つくのに最適。
リッチャの生地をコーンにみたてたソフトクリームや、ジェノヴェーゼ味、ラグー味、各種フルーツのクリームを合わせたものなど、珍しいスフォリアテッラが沢山あります。
生粋のナポレターノに言わせると「邪道だ」ということですが、北部イタリア人や、海外からの観光客でいつも賑わっています。
名前 | Cuori di sfogliatella |
住所 | Piazza Giuseppe Garibaldi, 93/94, 80142 Napoli NA, |
開店時間 | 6:00-23:00 |
連絡先 | +39 081 202469 |
公式ホームページ | http://www.cuoridisfogliatella.it/ |
公式SNS |
おわりに
イタリアのドルチェを日本で
コロナ禍でなかなか旅行に行きづらい昨今...。日本でも美味しいイタリアのドルチェ(スイーツ)を楽しみませんか?まずは日本で大ブームになっているマリトッツォ!!
また、お取り寄せできるジェラテリアの代表格は、「マリオ・ジェラテリア」!新鮮なミルクの味が口いっぱいに広がり、フレーバーもたくさんあって、自分へのご褒美にも、贈答用にもピッタリ。
ちなみに私は、イタリアのビスケットであるカントゥッチやビスコッティーニも大好きで、ネットだけでなく食料雑貨屋さんなどでもついつい買ってしまいます(笑)
ナポリのお菓子、今回はスフォリアテッラをご紹介しました。これからも色々なナポリのお菓子の魅力をたくさん知っていただけるような記事を執筆していきたいと思っております。
参考にしたページ
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